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2008/02/07

自衛隊―変容のゆくえ

4004310822 去年の7月に買ったまま、まあ、こんなものかなあと思って、パラパラと眺めるだけにしていたこの本を、ちゃんと読んでみた。さすが、前田哲男さん、いやいやすごく充実していて、読み応えがありました。

 ちょっと、ある問題意識があり、もう一度、自衛隊のいまをつかみたいと思って読んだんだけれど、防衛省が誕生し、同時に自衛隊の海外活動が「本来任務」へと格上げされた今、米軍再編の進行のもとで、自衛隊を米軍とともに「戦う軍隊」へと変貌する姿を見事に描いている。もはや、政府がかかげていた専守防衛の原則は通用しなくなっている。戦地での米軍支援活動や激化する訓練など、急速な変容の実態で浮き彫りにし、それが、いかに対米追随の「戦う軍隊」化であり、世界の平和に逆行するものかを明らかにしている。これはなかなか。細かい情報も、書き込まれていて、全体をつかむのに役に立ちそう。ただ、いくつか事実の間違いもありそうなので、ちょっと気になる。

 安全保障政策の構想という点では、議論はありそう。アジアの共同という大きな方向では、そんなに議論はわかれないだろうが、そのプロセスは、前田さんの意見は、平和基本法とアジアの信頼の醸成によって、9条を実質化し、それが安保条約の改変への展望を切り開くというもの。安保によって、自衛隊の変容がすすめられ、9条を蹂躙されているもとで、平和基本法を制定しても、憲法を実質化できるのかという批判は成り立つ。それはそれ、今後も議論を積み重ねていくことが、大事。いま求められているのは、この自衛隊の変容への認識を広げ、対峙していくのかということなのだと思った。

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