払わないなら弁当持参を 給食『契約制』に 市川市教委
ついに学校給食の「契約制」を導入する自治体があらわれた。たしかに、未納問題は、給食をめぐる財政的な面でも大きな問題を引き起こしつつあることは事実ではある。しかし、だからこそ、給食いうものが、学校教育のうえでどんな役割をはたしているのか、落ち着いた議論こそ必要だと思う。
払わないなら弁当持参を 給食『契約制』に 市川市教委 未納対策で通知(中日新聞)給食費未納対策として、千葉県市川市教育委員会が新年度から、市立学校に通う児童・生徒の保護者に対し、支払いについて学校と「契約」を交わすよう求めていることが五日、分かった。保護者には今月から、契約書に当たる「学校給食申込書」を提出しなかったり、給食費を払わなかったりした場合は「弁当を持参してもらう」と小中学校、特別支援学校を通じ通知している。…
市教委は「払えるのに払わない規範意識の低さ」も未納の原因の一つに挙げ、申込書の提出は「給食費を払っている保護者との不公平感をなくすための措置。集金する先生の負担を減らす目的もある」と説明している。
そもそも、学校給食法には、「国及び地方公共団体は、学校給食の普及と健全な発達を図るように努めなければならない」とある。その目標として、「学校給食については、義務教育諸学校における教育の目的を実現するために、次の各号に掲げる目標の達成に努めなければならない。一 日常生活における食事について、正しい理解と望ましい習慣を養うこと。 二 学校生活を豊かにし、明るい社交性を養うこと。三 食生活の合理化、栄養の改善及び健康の増進を図ること。 四 食糧の生産、配分及び消費について、正しい理解に導くこと」とも。
経費についても、設備や運営は公費、その他は保護者負担ということが定められているが、ならばその保護者負担がうまくいかないのはなぜなのか、その実態を、まず明らかにすることこそ求められているのではないのか。保護者のモラルを言い立てるが、いまの経済状況のもと、これだけ社会保障が機能していない日本で、支払うことに困難を抱えている実態はどうなっているのか。
新聞では、千葉大学の片岡洋子さんが、「根本的な解決策にはならないだろう。本当に給食費を支払う能力がなく、申込書を出さない家庭があった場合、その状況をどのように子どもに説明するのか。先生の負担はさらに増すことになる」と言っている。そのとおりだと思う。「契約制」という安易な解決ではなく、ちゃんと実態に向き合うい必要も責任もあると思う。
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