まんがで読む防衛白書の欺瞞
ある人から、今年の『まんがで読む防衛白書』の話を聞いた。MDのことについて取り上げているというのだ。そこで、防衛省のHPを見てみると、先月の22日にアップされていた。それで、読んでみた。ちょっと恥ずかしくなる内容。MDをサッカーのディフェンスにたとえて、その意義を論じる。
まあ内容は荒唐無稽というか、だいたいボールが1つで、ゴールも1つのサッカーのディフェンスと弾道ミサイルを同列に論じるのが無理がある。サッカーは攻撃と防御だが、国際政治は最初から攻撃と防御ではない。それでは戦争の世界になってしまう。話のなかでは、戦争におけるルールと無法みたい話が出てくるが、そもそも国際政治のルールは国連憲章で、その核心は武力行使の禁止だがそんなことは捨てられてしまっている。
MDそのものが、技術的に完成されたものとして、無条件にあつかわれている。システムのうえでも完成しているように語られる。そしてアメリカとの連携が言われているが、そもそもこのMDというのが、アメリカ主導であることなども語られない。いわんや、アメリカに向かうミサイルの話などはまったく出てこない。
でも読んでて思うのは、そもそも、アメリカに追随し、アメリカの世界戦略のなかでのMDであるのに、日本の防衛というなかでしか、この問題を語ることのできない矛盾ということだ。これは、日本で、安全保障の問題を語る時に、一貫して存在する矛盾である。それが、かなり多い尽くせないところまできているということだ。MDがどのように運用されるのかなどは、北朝鮮のミサイル発射のさいの、米軍と自衛隊のイージス艦の動きがどのようなものだったのかをみればすぐにわかるのだから。日本海で、米軍との連携というか事実上の指揮下に入って、とくにアラスカへのラインを中心に行動していた…。
もう1つは、この『まんがで読む…』、ものすごくお金を使っているということ。自衛隊の広報活動の規模については、ちょっと調べてみたいという気がする。これこそは、税金の無駄遣いなんだから。まあ、暇な人は、防衛省のHPにアクセスして、読んでみてください。
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