評価の肥大化が何をもたらすのか
かなり睡眠不足で身体がだるい。ここのところの平均睡眠時間は、5時間弱かなあ。朝から、家事をだらだらしてしまって。腰痛も出ていて、ちょっと不調です。そうそう、先日の「ぎょうざ」は、製造日まで、問題の日だった。
さて、いらいらしたり、腹が立ったりする一日。心を痛めたのは、次の記事。
文科省:第三者と関係者、学校評価を分離--指針を公表(毎日新聞)文部科学省は、新たに小中高校に「学校関係者評価委員会」を設置することを盛り込んだ改定学校評価ガイドライン(指針)を公表した。改定指針では、従来の外部評価を「学校関係者評価」と「第三者評価」に分け、単なるアンケートなどで終わりがちだった外部評価を改め、保護者も加えた学校関係者評価委員会の設置を明記した。文科省に調査研究協力者会議を設置、改定案を議論してきた。
指針は、従来の小中学校から高校にも対象範囲を広げ、学校関係者評価では評価者の主体的な活動を行うため「外部アンケートを学校関係者評価とみなすことは適当ではない」と定めた。
そこで、文部科学省のHPで実物を探してみた。31日に発表されたガイドラインは、ここにあった。http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/20/01/08012913.htm
「評価」ということは、必ずしも問題があるわけではない。むしろ、これだけ教育に課題がある際には、評価ということは欠くことができない課題なのかもしれない。ただ、実際の内容をみると、それほど単純ではない。ガイドラインでは、基本を自己評価におき、しかも学校関係者の評価を重視していることは、注目していいとは思う。が、PDCAサイクルに組み込まれている。もともと、このPなるものが、だれがどのようにして作るのか? ここで教育基本法の「改正」や、学習指導要領などの問題性がうきぼりになる。
これを子どもに置き換えて考えてほしいと思う。いまなぜ、子どもたちが荒れるのか。そのときに、子どもたちが人間的で、全面的な豊かな成長を支えるまなざしではなく、ある想定された評価の基準で見つめられているということがあると思うのだ。そのことが、子どものいらだちと攻撃性を増幅させているということに、なぜ思い至らないのだろうか。
教育というのは、何度もこのブログで主張するが、教師と子どもの手によるきわめて人間的文化的な行為である。それを一面的に評価することは、きわめて慎重であらなければならないし、評価そのものが、人間的に文化的な行為でなければならないはずだ。はたして、ガイドラインで、その基準をしめすことは、そうした取り組みのプラスになるのだろうか。
たとえば私の住む県では、「教育に関する三つの達成目標」(「学力」「規律ある態度」「体力」の三分野にわたる詳細な目標)を掲げている。そのもとで多くの自治体で「不登校」数の減少が数値目標化されている。そんななかで次のような話がある。
休んでいることが判ると、すぐに家庭訪問をすることになります。……子どもは隠れるように部屋の隅にいたり、トイレの中にいます。この状態を見て教師は職場に戻れば良いのですが、無理やりに連れ出し学校に向かわせるのです。……学校まで何とかして連れてきて、校門を入ると出席となるために、そこで子どもは解放されます。/中には、休むと判っている子どもの家に毎朝行き、無理やり車に乗せて学校へ連れてくるということも起こっています。 (金子和夫「不登校をなくす数値目標の実態(不登校〇目標)」『さいたまの教育と文化』四五号)
評価の肥大化が、大事なものをふみにじっていかないのか? このガイドラインもメディアではほとんど報じられうことはない。知らないあいだにゆがんだ「教育改革」がすすまないように、知恵も声も出したいものである。
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