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2008年2月

2008/02/29

沖縄米兵を不起訴、釈放 女子中学生暴行事件

 こういうニュースも重いニュースである。一人の大人として自分は何をなすべきなのかと、つくずく考えさせられる。こう書くのも考えさせられてしまうのだけれど。

沖縄米兵を不起訴、釈放 女子中学生暴行事件(東京新聞)

 沖縄の女子中学生暴行事件で、那覇地検は29日、強姦容疑で沖縄県警に逮捕され、取り調べを受けていた米海兵隊のタイロン・ハドナット2等軍曹(38)を不起訴処分とし、釈放した。被害者の中学生が告訴を取り下げたためという。
 強姦罪は被害者の告訴がなければ起訴できない「親告罪」と刑法に規定されている。記者会見した那覇地検の山舗弥一郎検事正は「被害を受けた中学生が『もう、そっとしてほしい』と思っている。親告罪以外の罪を適用して起訴することも、被害者の感情を考えれば適当ではないと判断した」と述べた。…

 被害者は、まだ中学生だ。彼女とその家族の思いを考えると、何とも言えない気持ちにさせられる。いろいろな、人権をふみにじるような報道も一部の雑誌ではなされている。
 でも、だからといって、解決に向かっているわけではない。これら米兵の犯罪の根は深い。そして、ライス国務長官来日で会談したさいに、まともな抗議をおこなわなかった首相が、この国の政治をになっているのだから…。

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新任女性教師、夢半ばの自殺…遺族が公務災害を申請

 今日は、少しだけアクセス数が持ち直している。なぜかと思ったら、「教師」「自殺」という検索でヒットしたようだ。以前に、新宿の新任教師の自殺について、書いたことがある。今日の新聞に次のような記事があったかただろう。

新任女性教師、夢半ばの自殺…遺族が公務災害を申請(読売新聞)

 「ごめいわくをおかけしました」と書かれたメモは、くしゃくしゃになった状態で見つかった 2006年に自殺した東京都西東京市の市立小学校の新任女性教師(当時25歳)の両親が28日、地方公務員災害補償基金東京都支部に公務災害の認定を申請した。
 教師になりたいという夢をかなえたばかりの女性は、学級内に続くトラブルに悩んでいた。「悲劇を繰り返さないよう、新任教師に手厚いサポートを」と両親は強く訴えている。
 …低学年を受け持って間もない5月中旬、学級内で万引きのうわさを聞いた。名前の挙がった児童の親に伝えると、「どこに証拠があるのか」と抗議を受けた。校長が親に謝罪して収まったが、後日この件について職員会議で報告を求められた。
 後に女性の部屋で両親が見つけた遺品のノートの切れ端に、女性の文字があった。「確証がないのに電話してしまい、保護者を傷つけてしまった」「校長や副校長にもご迷惑をおかけしました」。職員会議で謝罪した言葉の下書きだった。同僚の一人は「彼女が謝らなくても、と違和感を感じていた」と、遺族側の川人博弁護士に語っている。
 さらに7月ごろ、学級内で児童の上履きや体操着が隠され、保護者会の対応に追われた。7月中旬にうつ病の診断を受け、8月末まで休職した。9月に復職したが、学級内で起きた新たないじめなどの問題が続き、症状は悪化していった。…
 女性教師は10月30日に自宅アパートで首をつり、12月16日に息を引き取った。教師になって、わずか9か月だった。…

 学校現場が忙しくなり、新任教師へのケアができなくなっている。新任教師は最初から、ベテランと同じことをもとまれる。教師の自殺過労死との言える事態が新任教師のあいだに広がっていることが数年前から指摘されていた。私の住む市の近隣にある越谷市でも、同じ悲劇がおこっている。

 「教師」「自殺」という文字で、検索するだけでも、この1、2週間で、ほかに、「中学教師、授業の合間に校内で自殺か」と見出しをつけた、「宮城県登米市の市立中学校の中庭で7日午前9時ごろ、男性教諭(43)があおむけで倒れているのを同僚が発見、119番した。教諭は頭を強く打っており、病院へ運ばれたが死亡した。佐沼署は、職場の教諭のパソコンに生徒指導や人間関係に悩んでいたことを記した文章が残されていたことや現場状況などから、飛び降り自殺した可能性が高いとみて詳しく調べている」という記事にヒットする。岩手で、教師の自殺が公務災害だという判決が出ている。
 教師の精神疾患の増加が問題となって久しいが、確実に、教育現場の悲鳴は広がっている。一義的には、教育現場のこうした困難を放置している教育行政や、こうした教育行政の歪みをつくりだしている政治の責任が大きいことはいうまでもないけれど。教育現場が発信する、こうした問題は、社会のありようにかかわる問題として、私たちもちゃんと向き合わなければいけないのだと思う。

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香川・高校「学校会議」

0228_b 昨日のNHK「にっぽんの現場」を見た。HPの番宣は、次のようなもの。

 香川県立志度高校では、年に3回「学校会議」が開かれ、生徒会、教師、保護者およそ30人が校則改定について徹底的に議論する。2月の会議に生徒会が提出したのは「携帯電話の学内持込み自由化」。全校生の強い要望がありながらこれまで2度否決された議題だけに、生徒側は背水の陣でのぞむ。1月に発足したばかりの生徒会メンバーは6人全員が女子生徒。教師や保護者を説得するための資料集め、すでに携帯を認めている他校の調査、議論のシミュレーションと、本番に向けて準備を進めてきた。一方、授業の妨げになると見る教師側は全教職員へのアンケートから反対意見をまとめあげ作戦会議を重ねる。問題は、志度高校でも7割の生徒が学校へ持ち込んでいるとアンケートに答えたこと。会議当日、「いまの時代携帯は必需品。ルールを作って自由化を」と主張する生徒に対し教師たちは「学校は勉強の場」と反論。議論のゆくえは中立の立場をとる保護者にゆだねられたが、その結論は? 会議本番までの1か月に密着。携帯電話をめぐって本音をぶつけ合う教育現場を描く。

 一種の三者協議会であろう。もともと、香川というのは、教育の面では、かなり管理的な県という印象がある。そんな県でのとりくみであるので、どんなものかという関心をもって、見てみた。
 学校会議の議論もなかなか誠実なものだけれど、ボクの評価は正しくはないのかもしれないた、ちょっと拍子抜けした印象がある。たぶん、この学校は出発点が、ものすごく厳しかったのかもしれない。近年、鞄の自由化など、少し路線転換をしているという印象。だから、この議論をとおしての生徒たちの成長や変化のダイナミックさがもう一つ感じられない。少なくとも番組でとりあげられている範囲では、悪い表現をすれば、まだまだ大きく枠がはめられているという印象をもってしまうがいかがなのだろうか。

 とは言え、香川のような地域でも、こうした生徒や地域の参加した学校づくりの胎動があるのは、貴重なことなのかもしれない。生徒を学習主体とする授業の創造などにもとりくんでいるとも聞いている。まだまだ、教師も生徒も模索の最中か。こうしたとりくみについては、もっと知っていきたいし、貴重な実践の飛躍を期待したいと切に願うものである。

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2008/02/28

沖縄・米軍基地の素顔

515kj2nybhl_ss500_ 沖縄にいる海兵隊とはどういう軍隊なのか? なぜ沖縄の海兵隊員による事件がこうもくり返されるのか。という問題意識で、この本を読んでみた。もちろん、この本は、9・11事件の前に書かれているものだ。でも、その時期は、在沖米軍では、95年の少女暴行事件を受け、よき隣人政策というものがとられていて、その一環としてここまで、基地が公開されたのだと思う。その現代版を知りたいところだけれど、実際には、沖縄の基地は9・11事件以降かなり秘密主義が採られるようになっていた、それは望めないことなのだと思う。ただ、RMAと呼ばれる軍事革命は、海兵隊ではいち早くとりくまれていて、現代の軍の基本的な特徴は、この本が取材した段階と大きくは変わっていないのではないかと推測できる。

 さて、あらためて読んでみて(実際の読了はあと少し)、驚かされるのは、即応戦力といわれる在沖の海兵隊だけれど、その内容のすごさと、規模の大きさである。どのように、内容がすごいのかということをよく現しているのが、沖縄で日常的におこなわれている実践的な訓練である。ジャングル訓練、都市型の対テロ訓練、脱出訓練、奪還訓練、NBC訓練…、沖縄には何でもある。情報潜入部隊リーコンの存在。そして、何よりの象徴が、MEUの存在だ。海兵隊の特殊部隊とも言える31MEUは、決まった編成部隊ではない。その作戦ごとに編成される、文字通りのユニットであり、柔軟に即応する部隊とも言える。
 規模もまた凄い。在沖米軍の装備はおどろくものがある。あたまで、こんな部隊がいるということは知ってはいたが、その一つひとつの能力は、ものすごい。それだけに、莫大なお金がつぎ込まれている。よく思いやり予算など日本による米軍の肩代わりが問題になるが、沖縄にこれだけに即応展開部隊をつぎ込んでいるアメリカにとっては、ある意味ではそんなものはちっぽけな議論にしか過ぎないのだなあと、実感させられた。

 つまり、沖縄には巨大な、実践に即応する体制にある軍隊が存在している。それは、たぶん湾岸戦争以降、ほぼ、ずっと、”有事”の状態が日常になっている。少しでも、その矛盾をはき出すために、基地外に、兵隊の生活を解き放ち、犯罪は日常化する。そんな構図が、この本からは見えてくる。
 沖縄が”有事”状態にある。そのことが問われなければ、この米兵の犯罪の本質的な解決はないのではないか。それが1つのポイントでもあるように思えてきた。
 この本は、本屋では、もう在庫はわずかかもしれないが、古本市場では結構、出回っている。ぜひ一読することをおすすめしたいと思う。

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超党派議連花ざかりの意味すること

 来月の3月3日に、国民運動「せんたく」が発足することが注目されているけれど、これ対応して、せんたく議連がつくられる。いまや超党派の議員連盟とくに自民と民主との超党派議員連盟が大にぎわいだ。最近では、新憲法議連の役員に民主の鳩山氏や前原氏が就任するということも注目をあびている。

上げ潮派も参戦 ネットワークづくりが「保険」「百花繚乱」超党派議連(産経新聞)

Stt0802280900000p1 予算案審議をめぐる与野党の神経戦とは対照的に、自民、民主両党の「超党派議連」の動きがますます活発化している。改革路線をめぐり、風雲児となっている中川秀直元幹事長ら「上げ潮派」もこの流れに参戦。新憲法制定議員同盟(会長・中曽根康弘元首相)など旧来の超党派議連も次々に“改装オープン”した。福田康夫首相と民主党の小沢一郎代表の求心力低下という側面があるだけに、政界再編を見据え「一人でもお友達を増やそう」とする議員たちの暗中模索が続きそうだ。…

 つまり、小沢さんと福田さんのライン以外で、さまざまな形で、自民と民主と接点が強くなっているということにほかならないのだと思う。ボクは、資本主義の矛盾がここまで深化した状況のもとでの二大政党制にはもともと無理があるという仮説をもっているのだけれど、ここには、明らかに、先の参議院選挙で明らかとなった03年に仕掛けられた財界流の二大政党どくりの破綻とその反動的な対応というのが現れていると思う。しかし、この先には、大連立なり、政界再編成しか見えてこないわけで、その意味では、国民との関係ではいっそうのゆきづまりの道以外なにものではない。

 もちろん選挙をにらんで、この議員連盟花盛りも、さまざまな選択肢の大きな1つとして、今後の行き先は定かではない。でも、一方で、ここには現在の政党状況の本質的な部分が露わになっているようにも思える。ここでも、本来、国民が求めるような政治を担う政党の政策やあり方の本質的な議論をすすめたいとは思うのだけれど。

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保育サービス利用100万人増、政府が新待機児童ゼロ作戦

 最近、どうも政治の世界ではこの種のアドバルーンが多いようだ。省庁レベル、審議会のレベルでは、何でもかんでも打ち上げるという観が強いが、政府の計画のレベルでもそういう傾向が出てきたようだ。

保育サービス利用100万人増、政府が新待機児童ゼロ作戦(日経新聞)

 政府は27日、保育サービスの拡充などを目指す「新待機児童ゼロ作戦」を発表した。認可保育所をはじめとした保育サービスを利用する5歳以下の子どもの数を、2017年までに現在の202万人から100万人増やし約300万人にする。認可保育所の入所待ちをしている人は現在全国で1万8000人程度だが、潜在的な利用ニーズは高いと判断。受け入れを大幅に拡大することで仕事と子育ての両立を支援する。 …

 保育などの分野は、量とともに、その質、内容がどういうものか。それが子どもの成長にとってふさわしいものか、働く親にとって、ほんとうに支援になるものなのかという吟味が必要だ。当然、その要として、そこで働く職員の専門性をどう高めるのか、ふさわしい待遇はという問題が生じる。民間の保育園や、この計画でのふれられている学童保育の現場はこの点では、かなり深刻な事態があるというのに、そういう点は、まったく視野のそと。
 それでも、量の面で前進すれば、その意味は小さくはないのだけれど、目標の具体化のために必要な財源については「税制改革の動向を踏まえつつ、具体的な制度設計の検討を速やかに進める」との表記にとどめたというのだから。結局は、消費税増税の口実にしたいのでしょうか。なんともうさんくさいアドバルーンでもあったりしないか、かなり心配でもある。

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2008/02/27

国際平和ミュージアム

20080227154919 取材までの少しの時間を利用して、立命館大学の国際平和ミュージアムに立ち寄ってみた。リニューアルしたこのミュージアムはまだ見たことがなかったので。
 ほんとうは、朝、早く出発して、ゆっくり見るつもりだったのだけれど、東京は今日も強風で、電車が大幅に遅れてしまったため、30分ほどで駆け足で見た。

 地下には、15年戦争と題して「戦争と兵隊」「国民総動員」「植民地と占領地」「空襲・沖縄戦・原爆」「平和への努力」「戦争責任」という展示とともに、現代の戦争と題して、「2つの世界大戦と戦争をふせぐ努力」「植民地の独立と冷戦」「冷戦後の戦争」「兵器の開発」「現代の地域紛争」とつづく。2階に平和をもとめてと題して、暴力と平和を考える、平和をつくる市民の力、平和をはぐくむ京の人びと」「無言館/京都館 いのちの画室」がある。みごとな内容の展示物になっていて驚かされた。たぶんていねいに見れば貴重な資料もたくさんあるのだろうけれど、今回は、そこまでていねいに見れなかった。夏にたぶんもう一度訪れる機会をつくれるだろうか。

 おそらく平和博物館としては、日本の最高水準と言っていいとは思う。がしかし、狭くはないがとりたてて広いとまでは言えないところに、てんこ盛りと言えばてんこ盛り(苦笑)。よくうけとめて理解するには、かなり難しい。ちょっと、子どもには、難しすぎるかもとも思ったけれど、たぶん視聴覚の資料などもたくさんあるのだろうから、そう心配はいらないのかもしれない。こういう平和のセンター的な博物館が存在するところも、京都らしい。まあ、立命館は、いろいろ、眉をひそめるような話も聞かないではないけれど、このミュージアムはさすがである(笑い)。

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先輩との再会

 昨日のエントリーの解説を少し。今日の新聞は各紙とも、例の12分前に、「あたご」が漁船を視認していたことを1日隠していたことを報じている。それは、それで重大な問題である。ここには、自衛隊のあり方として、独自で特別な問題があることは言うまでもない。
 ただ、事故とのかかわりでは、もっと本質的な問題があるということが気になっている。つまり、もっとまえに、「あたご」は漁船団を認識していたのにもかかわらず、という問題があるのではないのかということ。ここは、絶対にあいまいにすべきではないとは思うのだけれど。

20080227160125 さて、今日は、京都に出張。京都は、18歳から8年ほど住んだ街である。懐かしいけれど、ほとんど街の風景は変わっている。写真は、1年ほど住んでいた、わら天神の近くにある住宅のあと。ぼろぼろの平屋を友人と2人で借りて、ルームシェアしていた。バスのなかからは、現在のつれ合いと、27年ほど前によくデートで使っていた「たまき」という大宮中立売の喫茶店を発見。そのままの姿でまだ存在した(笑い)。
 京都から、家まで、4時間ほどでたどりつく。不思議なものである。昔、子どものころ、生活はもっと、その場所と密着していたように感じていた。少なくとも大学生ぐらいまでは、きわめて限られた地域で過ごしていたからだろうが、生きることとその場所は密着していた。東京に来てから、何かしら根無し草のような、地に足がつかない感覚をずっともっている。東京は広い。今度、京都に来てみると、同じように京都の風景がある種の幻のように感じてしまう。時間がたつのが早く、1つのところにとどまっていない生活は、なかなか生きづらいものでもある。それは、現代社会の一つの側面なのであろうけれど。

 仕事を終えて、東京に戻る前に、京都で編集者をしている先輩と1時間ほど、会っておしゃべりをした(ビールを一口?)。実に25年ぶりぐらいかもしれない。先輩は一見ほとんど変わらないような感じだった。家族のこと、当時の仲間のこと、仕事のことなど、とりとめもなくおしゃべりをした。
 もともと、大らかな人だったが、その人柄わからない。でも帰りがけに、実は、今年少し大きな病気をしたという話を聞かされた。話を中身をふり返ると、その25年なりの期間には、やっぱり人には言えないような、苦しいことや葛藤というものはあったんだろうなあと思う。たぶん、ボクは、ちょっと甘えたくなって電話で連絡をしたのだと思う。そんなボクの気持ちにこたえてくれたその先輩に、申し訳なくなってしまった。自分の人生や生活にはもっと自分で、真摯に向き合い続けなければならないとも。
 ただ、元気をたくさんもらったのは事実。感謝である。Yさん、このブログを発見したらメール下さい。

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2008/02/26

「あたご」は知っていたはずだ

 今日は、朝からグラビアの刷りだし立ち会い。実務、会議などの一日。ただ、時間だけが流れていって、なかなか仕事がすすまず、イライラする。そんな慌ただしいなかで、ニュースをチェックするのだけれど、どうも、この「あたご」事件は、どこまで明らかになってきたのか、ということがはっきりしない。「あたご」は、いつ、漁船団を認識したのか?

当直引き継ぎずさん 衝突の危険「あたご」認識せず(中日新聞)

 海上自衛隊のイージス艦「あたご」が千葉県の房総半島沖でマグロはえ縄漁船「清徳丸」に衝突した事故は26日で発生から1週間。第3管区海上保安本部(横浜市)の捜査などから、あたごは事故の30分前から漁船団を確認していたとみられ、交代前の当直士官らによる引き継ぎが不十分だった可能性が高まった。
 漁船団は幸運丸、清徳丸、金平丸、康栄丸の順に運航中の午前3時半ごろ、レーダーであたごをとらえた。3管は、あたごのレーダーが正常に作動していたことを確認しており、同時刻ごろにはあたご側のレーダーも漁船団を捕捉し、当直員も気付いたとみられる。…

 よく考えてみればわかることだが、「あたご」のレーダーは、艦橋部分(操舵室)と、CIC(戦闘指揮所)の2箇所で監視をしている。「あたご」は司令鑑でもあり、たぶんこのCICの位置づけは高いはずだ。だから、レーダーによって漁船団を認識していなかったことなどまずありえない。そして、そのことは、当然、見張り員もふくめ共有されていたとしか考えられない。では、なぜ、回避行動をとらなかったのか。たぶん、浦賀水道のようなところで、自動操舵を命じていた艦長の責任が大きいのだろうけれど、ここには一体どういった問題があるのか。

 「なだしお」の事件をふり返ることが、いま大事なのかもしれないと思って、なだしお関連を古本を買ったりしている。そこにあったのは、安全操行をおこなっていなかった自衛隊の姿であり、情報を明らかにしなかった姿であり、隠蔽し、改ざんした姿だろう。しかも、今回の「あたご」は、ハワイ演習がえりの超エリート船である。

 まだまだ、知らなければならないことは多そうである。

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2008/02/25

都教委の懲戒処分取り消し 元養護学校長が勝訴

 今日は体調が悪く、またまたお休みの一日。身体も心もかなりへこんでいます。でもうれしいニュースが1つ。今日、東京地裁が、東京都に対し、東京都教育委員会が都立七生養護学校元校長の金崎満さんに出した、「停職1カ月の懲戒処分」と、「東京都公立学校長を解く旨の分限処分」を取り消すことを求める判決を行なったのです。ここでも、東教委の姿勢は厳しく断罪されることになりました。

都教委の懲戒処分取り消し 元養護学校長が勝訴(東京新聞)

 性教育の在り方が東京都議会で問題視された都立七生養護学校(日野市)の元校長金崎満さん(60)が、降格と停職の処分を受けたことに対し「実際には性教育を問題にしながら、別の理由で処分し不当」として、都教育委員会に処分取り消しを求めた訴訟の判決で、東京地裁は25日、請求を認めた。
 都教委は、学級編成に関する虚偽の報告や勤務時間中の飲酒など複数の処分理由を挙げていたが、渡辺弘裁判長は「最も違法性が高いと都教委が判断した虚偽報告は、その事実が認められない。ほかの理由による処分は重すぎ、裁量権の乱用に当たる」と判断した。…

 判決文の要旨は「hanketsu.pdf」をダウンロード

 性教育を理由とした、教育への介入でしたが、そのことについて判決はふれませんでした。しかし都教委の乱暴な教育行政を断罪したことは重要です。障害を持つ多様な子どもたちに、その状態に応じてすすめている柔軟な指導に際限のない統制を行うことの不当性を示し、子どもと教育の視点に立つ判断をしているのですから。

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2008/02/24

歴史問題にどう接近していくのかの感想かなあ

 さくらおばさんからいただいたコメントの返事を書きながら、いろいろなことを考えました。

 たとえば、「歴史」の記述の仕方や語りかたの難しさということです。歴史の世界でも、最近は、社会史的な研究が主流です。その社会にあった事実全体を、ていねいに明らかにする研究には意味があるとは思います。ボクはこうした歴史家の書いたものは好きでよく読みます。ボクは歴史研究とうものの方法などについてはほとんど知識はありませんが、そのとき、歴史家が、その歴史をどういう歴史の流れのなかで、どのように立体的にとらえているのかということは、それはそれで、案外、出てくるような気もします。もとろん、限定された思想や方法が、歴史の解釈や叙述を左右するようなことではいけないでしょうけれど、事実にどこまで迫れるのか、というのはやはりその歴史家自身に問われることになるのでしょうから。

 ジャーナリストの取材も同じようなところがあるのかもしれません。ジャーナリズムはより主張が必要ですから、そうしたものはより求められると言えるのかもしれません。同じように、主観的になってはいけません。

 沖縄戦というのは沖縄戦単体であるのではなく、明治以降の近代日本の一つの帰結でもあります。ときに、日本の軍隊というものがどのようにつくられてきたのかと、きわめて強いむすびつきがある。その日本の軍隊をつくった日本社会とはどういうものかということとも。直接、言葉にするかどうかは別として、それが、どこまで、取材するときに深められているのかということも大事なようにも思えたりします。

 ただ、日本のジャーナリズムの場合、とくに個人のフリーのジャーナリストが取材するには、経済的にもかなり限界がありますから。そのぐらい、個人のジャーナリストはお金がありませんから。そういう意味で、日本社会が、この沖縄の問題に、どれだけ関心を払ってきたのかということを、見事に反映しているのかもしれません。「物足りなさ」というものは、日本社会の反映なのでしょうか。

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「あたご」は何を守るのか

 今日は、強風で交通機関がほぼ全滅。職場に行って仕事をしようと思ったけれども、結局、あきらめて、自宅で作業。しかし、結果として、あまり進まず。何をしているわけではないのだけれど、効率よくすすまない。まあ、夜は、ちゃんとご飯をつくって、二男とふたりの夕食です。

20080223194243 さて、昨日の続きです。「東京と首都圏を戦争の拠点にしていいのか!」というシンポジウムです。東京新聞の半田さんと、横須賀から呉東弁護士、そして横田の八木さんの三人がパネリスト。前に取材が長くかなったため、結局1時間以上おくれて参加。肝心の半田さんの話を十分聞くことができなかった。たぶん、半田さんは、ミサイル防衛について話されたのだと思う。

 シンポジウムを聞きながら、少し考えていたのは、では、事故を起こした「あたご」は、護衛艦だけれど、何を守るのかという問題。日本のイージス艦は、アメリカのイージス艦と連動して、行動する。もともと、アメリカのイージス艦は、空母を中心とした艦隊に組む込まれている。そして、アメリカの空母の母港が横須賀である。あえて。大きく性格付けをすれば、横須賀にある米空母を守るというのがイージス艦である。

 もちろん、イージス艦の現在の主たる任務は、MDとなる。「あたご」はSM3対応型ではないけれど、イージス機能はしっかり、MDに組み入れられるのであろう。では、MDは何を守るのか。アメリカの発想は、本土防衛ということが強いのだけれど、考えてみれば、アメリカの戦略はアメリカを攻撃する(とアメリカが判定した)国へは、防御だけではなく、攻め入ることを基本にしている。そのために、敵の攻撃を無力化する(と敵に思わせる)ことにMDの役割がある。つまり、攻めることを支援するのだ。

 そんなところに「あたご」の役割があるというのなら、小さな漁船の存在に無関心であったことも、ある意味ではうなずけてしまう。「あたご」は何を守るのかということも、問わなければならない問題であるとは思う。

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消される歴史の現場から

Okinawa20baner 午前中は会議。何とも落ち込む会議(苦笑)。午後、焦りながら仕事をして、四時から、明治に「消される歴史の現場から」というJVJAの報告会に行ってきた。おつきあいの多い、フォトジャーナリストさんたちの団体だ。森住卓/山本宗補/國森康弘の三氏が報告。国森さんは、「日本兵が語る沖縄戦」~歴史認識の空白を埋める~と題して、実際に沖縄戦に参加した兵士からの聞き取り。これまで沖縄戦を語ってきた多くが、沖縄の地元住民だったことを考えれば、これは重要な視点だと思う。が、仕事は正直、半ば。山本さんは、沖縄戦からは国民を棄てる軍隊がよく見えると題して、八重山諸島の戦争マラリア、伊江島の壕での集団自決そして敗戦間際、日本軍によって満州の荒野に切り棄てられた満蒙開拓民27万人のたどった惨劇をかさねあわせ、軍隊は誰のために存在したのかを考える。ていねいな取材。聞き応えはあったけれど。森住さんが、ヤンバルの森から「集団強制死」の現場へと、沖縄海兵隊の姿、東村高江へのペリパット移転問題、そして座間味の「集団自決」を報告。森住さんが最後に紹介していた、金城さんの言葉がつきささった。ジャーナリストは、なぜそのことが起きたのかという歴史的な背景にせまるべきだと。
 最初の国森さんにしろ、山本さんにしろ、取材は丁寧だし、仕事も貴重なものがある。が、何か物足りなかった。いまさら、そのことを聞かされてもと感じたのは深みがもう1つだったから。歴史の背景に迫らないからだ。こんな仕事は歴史家とのコラボがいいのかもしれないし、もっと歴史を学ぶべきだ。自分の仕事のあり方も問われたような気がした。

 つづいて、もう1つ集会の取材をはしご。それは明日、報告します。

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クラスター弾禁止で問われる日本の態度

 先日も書いたクラスター弾の禁止をめざすオスロ・プロセスの会議がウェリントンで開かれ、政治宣言を採択した。いよいよ5月のダンブリンの会合で最終合意に向かい、年内の条約締結がめざされるが…。

クラスター爆弾、禁止合意持ち越し 国際会議が閉幕(朝日新聞)

 多数の子爆弾が不発弾として残り、民間人に被害を与えるクラスター(集束)爆弾の禁止条約締結を今年末までに目指す「オスロ・プロセス」の国際会議が22日までニュージーランドのウェリントンで開かれ、今年中の条約締結などを掲げる宣言を採択し、閉幕した。全面禁止を訴えるノルウェーなどと、部分禁止を求める西欧主要国や日本などとの対立は解けず、条約案の最終合意を目指す5月のダブリンでの会合に持ち越された。
 …議長のゴフ・ニュージーランド国防相は、今回の宣言への署名が次回以降の会合の参加要件になるとしたため、宣言は部分禁止を主張する国々の意見も別途付記する両論併記の形となり、西欧主要国と日本も最終的に宣言に署名した。…

 問題は、日本がイギリスやドイツ、フランスなどとともに、禁止へ否定的な役割をはたしていることだ。彼らは、目標を識別して破壊する最新型のクラスター爆弾などについて禁止対象から外すこと、実効性を担保するために主要な生産・保有国が参加できる枠組みとすべきだと部分禁止を主張する。この後者が日本政府の主張だということだけれど、この言い方、どこかで聞いたことがある。そう、地球温暖化問題での日本政府の主張とまったく同じである。 しかし、宣言は「クラスター爆弾は民間人に受け入れがたい被害をもたらす」とし、同爆弾の使用、生産、輸出入、備蓄を禁止し、被害者支援や除去の枠組みづくりが条約の必須要件だとしている。言うまでもなく、クラスター弾は、非人道的な残虐兵器として、地雷に続いてその禁止がめざされている、パン国連事務総長も、そのことを提起している。いよいよ、日本の政府の立場が問われることになっている。

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2008/02/23

筆子 その愛 天使のピアノ

118 昨日は、仕事を終えた後、つれ合いと(その職場の人と)映画を見に行った。常盤貴子が主演した「筆子 その愛 天使のピアノ」だ。映画の方は、あまりお金をかけずにつくったものだから、正直、学芸会の映画に毛の生えたようなものだったけれど、石井筆子の生涯を真面目にとりあげたものだ。
 石井筆子そのものは、そんなに知られているわけではないだろう。かつて華族女子を育てる学校の教師ながら、後に知的障害児の教育の分野に転身し、障害児教育の母と呼ばれた人である。

 ボクは、仕事がら正直言って、新しい議論を好む。だけど、最近、つくずく先達たちととりくみについて、しっかり学んでおかないとと思うことが少なくない。そんなこんなで、この石井筆子にも、興味をもった次第である。何は、日本の障害児教育や発達保障という思想をきずきあげてきたのか。そこには、どのような模索や葛藤や到達や限界があったのか。

 学ぶことはつきないものだとつくずく思う。

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2008/02/22

未明のメール?

 最近、携帯を目覚まし替わりにベッドに持ち込んでいる。たまたま、今朝、未明に、メールがやってきた。もちろん、バイブにはしていないから、音が鳴り、目が覚める。隣で寝ているつれ合いも、目が覚める…。中途半端な時間に起こされたつれ合いは、いろいろ話しかけてくる…。結果、睡眠不足の朝となる(苦笑)。まあ、怖い夢よりましかなあ。

 今週は、ブログのアクセスが少ない週。まあ、特別、目を引く書き込みもしていないからだろうけれど。

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防衛省は何を隠しているのか

 今日は、かなり遅くまでの仕事です。もう眠いですよね。

 さて「あたご」をめぐる問題は、漁協の人たちからのかなり詳細な事故状況の報告があり、だいぶ真相が明らかになってきたように思えます。ただただ、最後の一縷の望みをこめて救助が進むことを願いばかりですが…。

イージス艦事故 緑色灯火『僚船の光』 漁協組合長 防衛省報告を否定(東京新聞)

 千葉県・房総半島沖で海上自衛隊のイージス艦「あたご」(艦長・船渡健一等海佐、七、七五〇トン一)が新勝浦市漁協=千葉県勝浦市=所属のマグロはえ縄漁船「清徳(せいとく)丸」(七・三トン)に衝突した事故で、同漁協の外記栄太郎組合長や清徳丸の僚船の船長らが二十一日、会見。「あたごが(清徳丸の右舷の)緑の明かりを見たと報道されているが、清徳丸ではなく直前にかじを左に切った僚船の金平丸の光だ」と、あらためて防衛省などの報告を否定した。…
 会見などによると、事故の前、清徳丸を含む船団は南南西方向へ進んでいて、船団の左舷前方であたごとみられる大型船を確認した。その後船団とあたごが接近したことで、船団のうち金平丸が衝突回避のためにあたごの前方でかじを大きく左に取ってUターンしたという。金平丸は船団で唯一、船体の右側面があたごの乗組員に見える位置にあったことになる。…

 漁協の人たちは、GPSの記録なども公表し、かなり説得力のある状況説明です。しかし、防衛省の側は、「防衛省、緑の光で再調査の考えなし」だとか、「『あたご』レーダー記録保存せず…海保、当直員から事情聴取」だとか、どうも言っていることが、不自然です。そう先入観を持たないで考えても、事故からこれだけ時間がたったというのに、「あたご」の側から、ほとんどまともな情報が出されてこないのは、「何かあるのでは」と、推測せざるを得ないとも思えますが、いかがでしょうか。何か気をとられざるをえない別のことでもしていたのでしょうか?

 思い出すのは、20年前の「なだしお」の事件です。20年前の事故でも、当時の防衛庁は情報の公表にきわまて消極的でした。さらに、その後の海難審判で、航泊日誌や図を改ざんていたことが明らかになったのですから。 石破防衛大臣は、「慎重に」と言いますが、慎重とは、隠蔽やごまかしとは違います。現代では、人命より重い機密は存在しません。ただちに、防衛省は、態度をあらため、情報を公開すべきだと思います。そこからこそ、今度こその再発防止ははじまるのだということを肝に銘ずるべきだと思います。

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2008/02/21

ここまでわかった!日本軍「慰安婦」制度

02948372 昨年夏、米下院決議の直後に開催された同名の集会の報告集です。私も行きました。当日は、夏休みまっただなかにもかかわらず、会場は満員でした。
 第一人者の吉見義明さんが「加害責任はどこまで明らかになっているか」と題し、現在の歴史研究の到達を概説。林博史さんが「『慰安婦』制度はどのように裁かれたのか」と題し、東京裁判やBC裁判でどのように事実が認定され、当時、この犯罪にどのような認識がもたれていたのかを解説し、日本の裁判での事実認定を紹介。西野瑠美子さんが「被害者の証言は何を明らかにしているか」と、証言が浮かび上がる事実とその重みを明らかにしています。
 巻末には、資料も付され、この問題の議論の現在の到達点がよくわかる一冊になっています。

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2008/02/20

夢にうなされる日

 昨夜は、めずらしく一人の夜でした。深夜、何かに追いかけられている夢を見て、夜中に目が覚めました。すると、今度は、何かしら怖くなって(苦笑)、なかなか寝付けません。いろいろ妄想しています(爆笑)。うーん、何に追い込まれているんでしょうねえ。

 さて、今夜、二男が修学旅行から帰ってきました。私は仕事で帰宅が遅かったので、まだ、顔をあわせていないですが、1週間、どんな旅だったのでしょうか。まあ、あと1年あまりとなった普通の日々が戻ってきます。

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2008/02/19

まだまだ続く海兵隊の事件

 事件は、まだまだ続く。

偽ドル札 米兵、作製と使用認める(琉球新報)

 昨年11月以降、本島中南部で偽20ドル札が見つかった事件で、米軍牧港補給地区の海兵隊一等兵の男(20)が県警の任意聴取に対し、パソコンで20ドル札を偽造し、タクシーなどで使ったことを認める供述をしていたことが19日、分かった。県警はこの男を偽造外国通貨行使容疑などで今月中にも書類送検する方針。男は牧港補給地区内に住み、現在は米軍の管理下にあるため、日米地位協定に基づき、起訴後に身柄は日本側に引き渡される。県警は、米軍と協力して捜査を進めているという。
 男が偽札を牧港補給地区内に住む友人の海兵隊員数人に渡していたことも分かっており、県警はこの海兵隊員らも事情聴取するなど、調べを進めしている。
 これまでの調べで、偽札は昨年11月ごろから約10枚ほど見つかり、沖縄市のタクシー会社やうるま市の大型店舗などで使われた。偽造したことを認めている一等兵の男のほか、偽札を渡された友人らも偽札を使っていたとみられている。…

 よく考えたら、沖縄における海兵隊の事件は、ボクらが想像以上に日常的に行われていたのかもしれないと、少し、現地の新聞をくってみるだけで、米兵の事件は枚挙にいとまはない。それだけに、現在の事態をよく考えるべきだとつくずく思う。
30967612 いま、10年前に、NHKの沖縄放送局がつくったドキュメントを本にした、『沖縄・米軍基地の素顔 フェンスの内側からのリポート』という本を読んでいる。10年前の海兵隊の素顔にせまった、傑作と言っていいドキュメントだ。どのような任務と装備をもった部隊が、どのような訓練をしているのか。そして、その海兵隊は、アフガンやイラクにいったのだ。95年の事件のあと、この海兵隊が、どのような綱紀粛正策を講じたかということを考えると、現在の事態は絶望的な思いになる。やはり撤去・縮小にむけた具体的なとりくみこそが求められる。詳しい感想は後日。

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イージス艦、漁船と衝突 父子2人が不明

 沖縄の海兵隊の事件がおきたと思うと、今度は、自衛隊のイージス艦です。いまから20年前の「なだしお」事件を、思わず思い出さざるを得ない事件ですが、軍隊というものは、人の「命」や人権ということについて、どうも教訓を学ぶことができないような気がします。

イージス艦、漁船と衝突 父子2人が不明(中日新聞)

 第3管区海上保安本部(横浜市)などに入った連絡によると、19日午前4時7分ごろ、千葉県南房総市の野島崎の南南西約40キロの太平洋上で、海上自衛隊第3護衛隊群(京都府舞鶴市)所属のイージス艦「あたご」(艦長・船渡健一等海佐、7、700トン)が、マグロ漁に向かっていた千葉県勝浦市の新勝浦市漁協所属のマグロはえ縄漁船「清徳丸(せいとくまる)」(7・3トン)に衝突した。
 清徳丸は、船首と船尾が分断された状態で2つに割れて海上に浮かび、乗っていた船長の吉清(きちせい)治夫さん(58)と、息子の哲大(てつひろ)さん(23)=ともに勝浦市川津=の2人が行方不明になった。3管本部の巡視船や航空機、海自護衛艦などが捜索を続けている。これまでに船首と船尾は見つかったが、操舵(そうだ)室部分が見つからず、海底に沈んだとみられる。…

 何やら、イージス艦の側のミスというような感じが、テレビの報道からは見え隠れします。軍事力優先ということがここまできているとは考えたくはありませんが。ただ、石破防衛大臣に報告があったのが、1時間半後。危機管理の問題というよりシビリアンコントロールの問題といえるかもしれませんね。何よりも真相を明らかにすることが先決です。

 「あたご」と言えば、護衛艦のなかでも最先端の艦船です。世界標準で言えば、重巡洋艦というものにあたります。かつては、「大砲を装備し戦艦より小さく駆逐艦より大きい高速な軍艦」と定義されていたそうです。現在の海上自衛隊を象徴する船といえ、昨年、竣工したDDH16が、「ひゅうが」という名前で、戦前の航空戦艦の名をつけたように、「長門」という主力戦艦の名前をつける話もあったそうです。そのぐらい、海上自衛隊の威信をかけた艦船なのです。

 巨大化近代軍艦がふみつぶした小さな漁船。そこには1つの構図が浮かび上がってくるようにも思えてきますが。

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2008/02/18

海兵隊の事件相次ぐ

 米軍の綱紀粛正が掲げられているにもかかわらず、昨日、一昨日と、在沖海兵隊の事件が続いた。沖縄に住む知人からは、在沖海兵隊の撤去こそが緊急課題だという怒りのメールがきた。

酒酔い米兵、住居侵入 名護署、容疑で逮捕(沖縄タイムス)

 名護市辺野古の民家に不法侵入したとして、名護署は十八日、住居侵入の疑いで、キャンプ・シュワブ所属の米海兵隊伍長、ショーン・コーディー・ジェイク容疑者(21)を現行犯逮捕した。ジェイク容疑者は酒に酔っており、「覚えていない」と否認しているという。米兵による女子中学生暴行事件を受け、トーマス・シーファー駐日米国大使とブルース・ライト在日米軍司令官が再発防止策の検討を発表してから六日目に起きた事件。後を絶たない米兵による犯罪に、基地周辺の住民や自治体の首長から反発の声が上がっている。
 …十七日には、沖縄市中央の県道で酒を飲んで普通乗用車を運転したとして、道路交通法違反(酒酔い運転)の疑いで、キャンプ・フォスター所属の米海兵隊伍長の男(22)が現行犯逮捕されている。

 今回の少女への暴行事件で、基地外に居住する米兵のことが問題になっている。その実態を、自治体が掌握できないでいるのは、現在の地位協定では、米兵は外国人登録が免除されていることにある。当然、地位協定の改定の問題も、今回、ふたたぶクローズアップされることになる。

在沖海兵隊「基地内住宅は不足」 防衛局、稼働率調査へ(琉球新報)

 米兵女子中学生暴行事件で基地外に住む米兵が容疑者として逮捕されたこ
とを受けて、在沖米海兵隊は17日までに、琉球新報社の質問に「基地内住宅だけでは不十分で、そのため一部の兵員は基地外住宅に住む必要がある」と回答、基地内住居が不足しているため基地外に居住地を求めていると説明した。
 これに関連して、基地外の米兵居住の実態把握に着手した沖縄防衛局は、基地内の住居稼働率などの実態調査にも乗り出している。
 県議会代表団が15日に沖縄防衛局に抗議した際、新川秀清県議は真部朗局長に「基地内住居が空いていて、なおかつ民間地域に住んでいるとなれば問題がある。日本の予算で造らせておいて、そこに住まないのならおかしい。数字を明らかにできないか」とただした。…

 米軍基地ととりわけ海兵隊をめぐるリアルな実情に、もう少し迫っていかなければとつくずく思う。ただ、今日は体調が悪いのでここまで。

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ひたすら寝ていた一日

 腰の調子がよくなく、午前中、ベッドで横になっていた。ベッドで横になると寝てしまうもので、今日は結局、夜まで、ほとんど眠っていた。疲れているというのか、体のいろいろなところが、たぶんいろいろなダメージを蓄積しているんだろうなと、われながら思う。少し、体や心のことも考えて、ちゃんとした生活をしないとねえ。反省の一日でもあったのだけれど。

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2008/02/17

新版 母の遺したもの 沖縄・座間味島「集団自決」の新しい事実

87498394 著書も思いもよらぬ事態の展開で、歴史修正主義者たちの主張の材料につかわれ、そして、教科書検定へとつながり、話題の書になった旧版を、あらためたもの。

 ぜひとも読んでおかなくてはと思って読んだが、沖縄戦の実相が非常によくわかる一冊になっている。いろいろ言われることになった座間味島の「集団自決」であるが、その「集団自決」から生き残った祖父母と母をもつ著者が、「母の手記」を原点に、30年をかけて聞き取った住民の証言を集大成したものと言え、その真実が見事に再現されていると言っていい。
 座間味は、陸軍のマルレという水上特攻艇の秘密基地とされ、住民は、労働力として他のどの地域にもまして軍民一体を強いられていた。米軍がくれば女性は強姦され…などの意識が植え付けられ、軍が秘密保持のために、米軍が上陸すれば住民に自決をすることを指示していたということもうなずける。

 とjころがこの本の「母の手記」にある、前夜、元隊長に会いに行ったときそのときには、軍命はでなかったという趣旨の記述を証拠として、元隊長らが、自分は「自決」命令は下していないとして、『沖縄ノート』の著者・大江健三郎氏と発行元の岩波書店を「名誉毀損」で告訴し、さらに文部科学省もそれを受け、歴史教科書の検定で、軍による「集団自決」への関与・強制の記述を削除させるこということになる。

 著者が、新版を出した動機について、2つのことを書いている。1つは、この間の住民から、すでに「軍命」があったと確信できる証言が新たにあったこと。もう1つは、軍の関与の否定派が言う、戦後に補償をもらうために軍命はつくられたという説が、戦後直後の厚生省の調査の段階で、すでに座間味の住民は準軍属あつかいされ、その根拠がないことの2つである。

 歴史が風化すれば、歴史を修正する人の活動の余地は広がる。それだけに、ボクらの世代は、あの戦争の体験に真摯に向き合い受け継ぐことが責務であろう。軍の秘密基地となり、軍との一体化、そして自由をうばわれた住民たちに残されたものは、まさに「玉砕」(このことばは軍の言葉である!)というにふさわしい。読んでいて、気持が悪くなるほど、厳しい困難を住民たちは強いられていたのだ。「集団自決」をもたらした軍の命令・強制を疑問の余地なく明らかにした一冊である。

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没後50年 横山大観――新たなる伝説へ

P7s 午前中から、六本木の新国立美術館に、「没後50年 横山大観――新たなる伝説へ 」展を見にいってきた。結構、混んでいた。
 横山大観は、いうまでもなく、日本画の大家。「朦朧体」と呼ばれる独特の画風を確立し、国際的にも大きな評価を得たという。なるほど、独特のぼかしと時として鮮やかな色やくっきりした墨で描くその世界は、日本画の革新にふさわしいものだったのだろうと思う。

 同時に、大観と言えば、もともと水戸藩士の家で生まれ、自身が生粋の天皇崇拝の国家主義者、国粋主義者で知られている。何年か前に、全作品が発見され、その美術展にはボクも行った「海山十題」は、その絵を売却したお金を戦闘機をつくるために国に納めたというぐらいの人物だ。
 そのほか、富士山なども好んで描いたという。

20080217122056 今後の展覧会を見ていて、若いころの大観に作品には、模写なども少なくはない。伝統の上に立った革新というものが、国粋主義の思想に裏付けられて、大観の絵はつくられていったのだろうなと感じてしまう。題材も、富士山を中心に、中国からとったものなど日本画の伝統のうえにある。それだけに、ごく初期をのぞいて、生きいきした人間の姿などは登場してこない。正直、ボクは、大観の絵を見て、うまいとは思っても、心を打たれるということはなかった。

 会場から出てきた、年輩の人たちの多くは、大観の作品を称賛している。そのことばにも、ボクはものすごく違和感を感じる。没後50年というのはわかるが、いまなぜ大観なのか。彼の絵は、どう考えても、その思想とは不可分なものだし、「彩管報国」という芸術への姿勢が、大観の絵をすごく俗っぽいものに貶めてしまったとしか思えないのだ。その絵に反映した、彼の狭さ、もろさというようなものにしっかり光をあてることぬきに、大観の絵の評価できるのだろうかと。

 絵は、ある意味で、技巧というものは先に立つのだろうか。他の、戦争に協力した画家への評価についても、共通して感じることなのだが、それでも、そこにある精神の狭さやもろさは、必ず絵には反映し、それが鑑賞者に伝わると正直思う。つまり、評価がぶれていないのか。そんなこともつくずく感じるのだけれど。

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2008/02/16

学習指導要領についての国民的な議論を!

 今日は土曜日で、ブログのアクセスがいちばん少ない日だ。けれども、学習指導要領改定案が発表された翌日でもあるので、もう少しアクセスがあるのかと思っていなのだけれど…。検索ワードでも、「学習指導要領」で、ボクのブログにたどりついたというのはほとんどない。
 別に、ボクのブログのアクセスが少なかったからというわけではないのだけれど、この「学習指導要領」の改訂にどれだけ、国民的な関心がもたれているのかという点では、いささか心配をしている。

 ちなみに、今日の各紙は、かなりの紙面を割いて、この学習指導要領について報じている。ちなみに主だった社説のタイトルをあげてみると

【朝日】新指導要領―教師力の育成が先決だ
【読売】新学習指導要領 21世紀担う人材どう育てる(
【毎日】学習指導要領 手間をかけてこそ改革だ
【産経】新指導要領 伝統文化を授業に生かせ
【東京】新学習指導要領 習得できるか心配する
【北海道】学習指導要領 「詰め込み」の復活では
【信濃毎日】新指導要領 子どもに目が届くのか
【中国】指導要領改定案 学力向上にどうつなぐ

 産経がなかり異質で、読売が少しちがった視点から議論しているけれど、ほかには大きな視点の大差はない。
 文部科学省は、発表の1週間前に、1日かけた記者レクをわざわざ行い、各新聞社とも1週間かけて記事をつくるという、これまでにない形となっている。

 が、どれだけ、それが読者のもとに届いたのだろうか。
 この学習指導要領の議論というものが、少し父母や国民から離れたところにあるのではないかという危惧をしているのである。どの新聞の議論も、結局、学習指導要領の根底にある、学力というものをどう考えるかということにたいする議論をさけているというのが正直いった感想だ。そして、それは、いまの子どもをどう見るのかということについての議論の不足から来るようにも思えるのだ。

 教師の側も、この学習指導要領の改訂にどれだけ関心をもっているのだろうか。どうせ関心をもっても、学校現場の問題は変わらないというような”あきらめ”の声が聞こえそうでもある。ただ、目の前にことに、教師が追い込まれていることにこそ、不幸がある。

 メディアは、この学習指導要領の問題をとおして、もっと教育の現場でおこっていることと、教育そのものの本質にせまった議論をリードするべきである。かつては、そういうことを書く記者が少なからずいたようにも思う。何も昔がよかったというつもりはないけれど、ここにきてこそ、これまで、日本の教育運動や教育メディアがおこなってきた議論をふり返るということはかなり意味があると思う。たとえば、毎日の社説が、「戦後の道徳教育の考え方だった『学校教育全体を通じ日常子供と教員が接しながら学び取っていく』が基本だ」と紹介している。遺産をいかしてこそ、未来に向けた議論は豊かになるということなのだろう。

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沖縄は県民大会へ

 沖縄は、県民大会に向かって調整がはじまっているようですね。昨日、今日と沖縄に住む知人から、沖縄の様子をメールで、知らせてもらいました。

超党派 結集目指す「県民大会」へ19日論議(沖縄タイムス)

沖子連・婦連が音頭
 米兵による女子中学生暴行事件を受け、昨年九月に開かれた「教科書検定意見撤回を求める県民大会」の呼び掛け団体が十九日、事件に抗議する県民大会の開催に向け、会議を持つことを決めた。県子ども会育成連絡協議会(沖子連)、県婦人連合会(沖婦連)が音頭を取り、七団体以上が出席する見通し。超党派の結集を目指し、大会の要求事項や開催方法を議論する。
 十九日、那覇市の婦連会館で開かれる会議には、県老人クラブ連合会、県高校PTA連合会、県青年団協議会、青春を語る会、未来を語る会の各団体も出席する意向を示している。
 日時、場所や実行委員会の形式など、開催方法全般が議題となる。要求事項の案としては、超党派の枠組み実現を念頭に、基地の整理縮小や海兵隊グアム移転の早期実現などが挙がっている。…

 この問題を考えるために、今日は少し調べ物をしました。1つは、沖縄にいる米軍とはどういう軍隊か、とくに海兵隊とはどんな軍隊かという点です。米軍のトランスフォーメーションで、海兵隊も変貌をとげているはずです。いま、海兵隊は何をし、どんな任務を負い、どんな訓練をしているのか。
 もう1つは、地位協定の問題です。今回は、基地の外で逮捕されたために、身柄の引き渡しの問題はおこりませんでしたが、この米軍の占領下と同様の無法の根底には、世界的に異常といわれる日米地位協定があります。これまでも沖縄県民は、その改定を求めてきましたが、政府は運用の改善ということで対処してきたわけです。

 新聞でも取り上げられていますが、基地外居住の将兵の問題も新しく出てきていますしね。

 いろいろ調べ物をしながら、2004年の沖国大への米軍ヘリの墜落現場の生々しい風景を思い出しました(私はずいぶんたってから行ったのですが、まだ壁に残された痕は生々しかったです。琉大の学生による事件の現場の写真はここ

 いろいろな勉強の成果は後日。ただ、これまでもくり返し言われてきたことですが、占領の継続という沖縄の現状を直視する必要があるし、それが沖縄だけの問題ではないということもよく見つめる必要があると思います。

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2008/02/15

学習指導要領改訂案発表――「授業時間、30年ぶり増=理数は来春から」文科省

 学習指導要領の改訂案が発表された。幼稚園(教育要領)、小学校、中学校の3つであわせれば300ページを超える膨大な量だ。もちろん、すぐに全部を細部にわたって読んだわけではないが……。改訂案は、パブコメをへて、3月末には決定。4月から周知徹底がすすめられ、2009年から移行実施、小学校は2011年度、中学校は2012年度から新しい教科書による完全実施となる。教科書などのないものについては、即時、移行と説明されている。

授業時間、30年ぶり増=理数は来春から-新学習指導要領案・文科省(時事通信)

 文部科学省は15日、幼稚園から中学校までの新学習指導要領案を公表した。「ゆとり教育」を掲げた現行指導要領が学力低下の一因とされた点を踏まえ、理数や国語などの主要教科で小中学校の授業時間を1割増、学習内容も増やした。小学5年から英語が必修となるほか、改正教育基本法を受け、伝統文化の学習と道徳教育を充実させる。1977年の改定以来、減り続けた授業時間は約30年ぶりに増加に転じる。
 …学習内容の増加分は時間数に換算すると、小中合わせて算数・数学が約15%、理科(実験、観察を含む)は約23%となる。仮分数の計算や台形の面積の求め方、イオンや遺伝など現行要領が削除、高校に移行した内容の多くを元に戻す。

 改訂案の実物は、ここにある

 現行のものは1998年に告示され、2002年から実施された。授業内容の三割削減などが話題になり、総合的学習の時間が議論の対象になった。折からの「学力低下」問題に火がつき、2003年12月には一部改正され、学習指導要領の位置づけは「最低基準」となってしまい、範囲を超える発展的内容を教えることもできるようになるなど、「ゆとり教育」の見直しが進むことになった。
 今回の改訂は、その三割削減がほぼ復活する方向だ。しかし現行の改訂の際に、完全学校5日制に移行している。したがって、小学校1年生から毎日5時間授業になるなど、学校は詰め込み・過密の再現となる。

 問題は「学力低下」ということを言いながら、改訂の内容が、本当に国民の間にある子どもの学力に対する不安・要求というものに真にこたえるものになっているか、ということだ。今度の改訂は全国学力テストというものに対応したものになっている。ここから「基礎」「基本」の獲得という名で、ドリルづけの学校が広がらないのか。それはすぐに危惧されることでもある。
 もちろん、鍛錬学習が子どもの学力回復に簡単につながらないことなど、ちょっと考えればだれにもでわかる。子どもの実態に即して考えれば、情報と消費の氾濫のなかで、いまや子どもたちは、小学校に入学する前から、その主体となることを求められている。そんな子どもたちに、鍛錬などをおしつけても、それは苦役にしか映らない。子ども一人ひとりの生活体験や関心にできるだけ即して、学習の面白さが実感できるような授業を組み立てる。ここがいまの教育のきわめて難しい点の一つであるころは、明らかだと思う。
 しかも、学力の”世界標準”は、いまやOECDのPISAテストの時代である(もちろん、それが標準にふさわしいかはまた別の議論だが)。だから文部科学省も学習指導要領の改訂にあたっては思いっきり、このPISAを意識していることがうかがえ、「学力」に対する考え方の転換を行おうとしている。それが「生きる力」だとか「活用力」という言葉に表れている。もちろん、学習指導要領のこれらの考え方が、「基礎」や「基本」の習得ということと完全に分離した二重構造になっていることに、その限界というか、薄っぺらさがあらわれていると言えるんだろうけれど。

 ただ、学習指導要領の総則に、「言語活動」という言葉が出現する。すべての教科を横断したものとして位置づけられている。この「言語活動」は、教科のところへ行けば、たとえば、「算数・数学」では、「算数的活動」という形で、学習内容に横断する課題として位置づけられる。たぶんにリテラシーということを意識したものにも感じれる。学習指導要領全体をとおしては、前回改訂の目玉だった「総合的学習の時間」は後景に追いやられ、ほんとうにどこに行ったのだろうという状況だが、今度は、こういうことで、子どもの関心や学習態度の育成に取り組もうとしているようにも思える。
 しかし、こうした子どもの実態や関心に即した活動を、全国規模で一律に学習指導要領にこと細かく書き込むことにこそ、矛盾があらわれているのではないかと、つくづく思ってしまう。戦後の教育基本法が想定した、教育活動の自由を奪うだけ奪って、型にはめた授業を押し付け、そのもとで、豊かな教育「活動」なるものが成立するのかどうか。そのことが最も問われている1つの点だと思う。今回の改訂を期に、学習指導要領を大綱的なものにとどめ、現場での教育の自由を広げる、そのことにこそ足を踏み出すべきではないのか。

 にもかかわらず、今回の学習指導要領の改訂案は、こと細かく教育内容を指示する。今後、文部科学省が定める「重点指導項目」とあいまって、ますます、教育内容の統制的な側面が強くなる危険性はかなり強いと言える。
 そこで、注視しなければならないのか、今回の改訂案の「道徳」についての記述である。わざわざ「改正」教育基本法の二条の文面を引きながら、その基盤として、道徳性を養うことの必要性をのべ、これを学校の教育活動全体をとおしておこなうという。その要として道徳の授業を位置づけ、すべての学校に「道徳推進教師」を置くようにするというのだ。
 問題は、この学習指導要領改訂案の想定する道徳というものには基本的人権や子どもの権利条約の視点がまったくというほど欠落していることにある。ボクは、学校教育のなかに道徳というものが位置づけられることそのものについては否定しないが、大事なことは、子どもを学校生活の主人公として、参加・参画を広げる、そして子どもを人間として尊重する――学校教育には、そのことが求められているのではないのだろうか。

 先日、足立区で、中小企業を営む父親が、自身の母親と妻、そして、中学生の二男を道ずれに自殺する事件があった(二男は重体)。その二男は、給食費を払えず、給食の時間は、「払ってないから」と、あまり食べなかったという。いま、学校教育全体を、深刻な貧困と格差が覆っている。学習指導要領は、学校の教育課程の基準になるものだと言われる。教育課程とは学校の教育活動の全体計画にほかならない。ならば、まず学校の教育活動をすすめるうえで、いまいったい、どんな困難が広がっているのか。そのことについて1つひとつ向き合うことを抜きに、はたして学習指導要領の改訂は生きたものになるのだろうか。
 同時に、教育行政に求められるのは、こと細かく学校に、教育活動の内容を指示することではなく、豊かな教育活動が現場で展開されるために、どんな条件を整備すればいいのか、どのように現場を支援すればいいのかについて真剣に検討することではないのか。
 今回の改訂には、その評価は別として、小学校の英語や、体育に武道やダンスを必修にすることが書き込まれるなど、新しい点も少なくない。にもかかわらず、そのための財政出動などなんら検討された気配はない。総合的学習の時間にしろ、少し次元はちがうけれど、特別支援教育にしろ、新しいことを提起をするさい、文部科学省は、なんら財政的な措置をとらなかったことが、現場の困難をより大きなものにしてきたと思う。その愚行をふたたびくり返さないことが、大人の、政治の最低限の責任ではないのだろうか。

 ちなみに、文部科学省の担当者の言い分は、このHPに詳しい。http://www.kknews.co.jp/maruti/2008/news/080202_2.html

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法相、冤罪発言で陳謝したけれど…

 法相といえば、この鳩山邦夫さん、何を言い出すかよくわからない人だ。例の志布志事件についての発言が問題になっているがどうも理解ができない。

法相、冤罪発言で陳謝 「元被告におわびする」(中日新聞)

 鳩山邦夫法相は14日午後の衆院予算委員会で、鹿児島の選挙違反事件の無罪を「冤罪と呼ぶべきではない」と発言したことについて「被告であった方々が不愉快な思いをされたとするならば、おわびしなければならない」と陳謝した。
 鳩山氏は「被告とされた人は無罪になった時に『冤罪を晴らすことができた』と言い、私はそれを否定する何の根拠も持っていないことに思い至った」と自らの発言の問題点を認めた。…

 陳謝と言うが、一方で、冤罪の定義について「服役後に真犯人が見つかるような全くの人違いのケースが冤罪で、裁判で無罪が確定した場合は『判決による無罪』と考えていた」と言っている。つまり、真犯人が見つかっていない(真実が確定していない)ものは、判決のうえで無罪になっただけで、それが本当かどうか分からないと言っているわけである。こんな発言は近代的な司法というか、法治というものを否定するような発言ではないのか。お上の取り締まりには、どんなことでも許されるとでも言っているように聞こえてならない。

 国会の答弁を、テレビで見ている限り、謝りはするが、自分が間違っていたと反省している態度ではない。町村さんは、苦言を呈しながら、子どもじゃないんだからと、きついおとがめはしないようだ。でも、鳩山さんの態度を子どもじゃないというのは、子どもに失礼でもあろう。福田さんに至っては、法相としての適格性についてはよく分からないと、いつものように他人事である。
 こんな大臣にかかわるやりとりは、正直、安倍内閣以下のような気がする。どうもこの内閣は、とんでもない内閣であることが日々明らかになっているような気がする。明日は語れないし、国政の舵取りをする能力もなさそうだが。

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2008/02/14

成人は18歳?20歳? 民法改正議論スタート

 今朝の新聞は、どこも成人年齢の問題をとりあげている。法相が、法制審に諮問したそうだ。夕方のニュースでは、自民党サイドでも本格的な議論をスタートさせたという。

成人は18歳?20歳? 民法改正議論スタート(朝日新聞)

 成人年齢を18歳に引き下げるのか、それとも20歳のままにするのか――。鳩山法相は13日、法相の諮問機関・法制審議会に成人年齢の引き下げの是非について諮問した。憲法改正の手続きを定める国民投票法(昨年5月成立)で投票年齢が18歳以上とされたのに伴うもの。社会での「一人前」の基準を決める根本的な問題だけに賛否は分かれており、どのような結果が導かれるかは不透明だ。法務省は諮問と並行して、世論調査などで広く国民の意見を聴くことも検討している。

 ただ、テレビや新聞などを見たり読んだりしていて、18歳は大人か子どもかだとか、自分の18歳のときはどうだったかみたいな議論が中心になっているのはいかがかと思う。この問題は、憲法改悪の国民投票法を契機にはじまっているわけだけれど、問題の中心は、18歳の若者たちを、政治の主人公として遇するかどうかにある。つまり、主権者として、この社会に参加してもらうような制度をどう作るかにこそある。不都合や、配慮すべき問題があれば、別途、配慮すればいいだけの話であるはずだ。
 残念ながら、この国では10代の若者たちは、たんに政治だけではなく、社会のさまざまな分野で、主体として参加することを封じ込められている現状がある。そのことが、若者たちの豊かな成長に機会をきわめて限られたものにしているということもできる(民法もそのことと無関係ではない)。
 もっと若者の社会への自由で豊かな参加、参画をどうすすめていくのか。そういう角度から議論に焦点を当てて欲しいと願う。この国では、社会から排除されたり、規制されている若者たちがあまりにも多すぎるのだから。

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分析官新設や合同情報会議の機能強化

 うーん。二男がついに、飛び立ちました。一週間帰ってきません。風邪は大丈夫かしらとか、無事ちゃんと帰ってこれるのかしらとか、いろいろ心配してしまいます。いじくれる二男がいないと、寂しい??? まあ、子離れの予行演習です(爆)。
 今日は、朝から、腰の調子が最悪です。最近、かなり太り気味。危険領域に入っているだけに、何とかしなければいけないんですけどねえ。

 さて、今日のお題は、ちょっとかわったもの。「情報機能強化検討会議」なるものも、安倍内閣時代につくられたもの。こんな議論をしていたのかと、少し驚かされます。

分析官新設や合同情報会議の機能強化…官邸の「検討会議」(読売新聞)

 政府の「情報機能強化検討会議」(議長・町村官房長官)は14日、首相官邸の情報収集・分析力を向上させるため、内閣情報分析官の新設や合同情報会議の機能強化などを盛り込んだ「官邸における情報機能強化の方針」をまとめた。
 情報分析官は、内閣情報調査室(内調)に5人程度配置する。各省庁からの情報を総合的に分析し、首相らに示す「情報評価書」の原案を作成する。任期は「原則3年以上」とした。…

 最近、「インテリジェンス」という言葉がやたらにメディアに登場します。例の佐藤優氏あたりが、その議論をリードしているようですが、私にもどうもいかがわしい言葉に聞こえて仕方がありません。イラク戦争の開戦にいたる過程に見られるように、どうも政治を1つの方向に誘導する際に、大きな威力を発揮しそうでしょう。この間の、日本の政治を見ても、政治の舞台で議論される「情報」には偏りがありそうです。
 もう一つは、日米軍事情報保護協定(GSOMIA)に見られるような、情報の保護や管理の問題です。市民的な自由が、「情報」の名でますます制限されていかないのかという危惧も感じてしまうのです。
 いずれにしても、この分野の専門的な議論について、だれか教えて欲しいものですが。

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派遣先メーカーにも賠償命令=労災死亡事故訴訟-東京地裁

 事件は5年前。3年前に提訴されたこの事件は、原告勝利の地裁判決が出た。いまでは、大きな問題になっている偽装派遣、その働かせ方そのものを断罪する判決であると言える。

派遣先メーカーにも賠償命令=労災死亡事故訴訟-東京地裁(時事通信)

 派遣社員だった長男が勤務先で死亡したのは会社が安全対策を怠ったためだとして、両親が人材派遣会社「テクノアシスト相模」(神奈川県)と派遣先の容器メーカー「大和製罐」(東京都)などを相手に計1億9200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が13日、東京地裁であった。山田俊雄裁判長は直接の雇用関係がない派遣先の責任も認め、2社に計約5100万円の支払いを命じた。
 訴えていたのは、死亡した飯窪修平さん=当時(22)=の父慎三さん(58)と母可代美さん(55)=山梨県南アルプス市=。
 山田裁判長は、修平さんが勤務中に意識を失い、作業台から落ちて死亡したと認定。テクノ社について「転落防止の措置を取らなかった」と責任を認めた。
 派遣先の大和製罐については、同社の機械・設備が設置された場所で作業が行われ、管理もしていたと指摘。「派遣社員との間には、実質的に使用者と労働者の関係が生じており、安全配慮義務を負う」と述べた。

4845109905 何年か前、事件を担当する弁護士の川人さんから、この事件の話を聞いて、激しくショックを受けたことを覚えている。工場の図面を示して話されたのではなかっただろうか。この事件は、彼の『過労自殺と企業の責任』という本のなかにも詳しく紹介されている。高さ90センチ、幅わずか40センチという不安定の場で、作業していた。落下をふせぐ防護対策は何も準備されていなかった。彼は、事故の起こる前実家の両親に「狭い脚立の上での仕事なので、落っこちそうでこえーよ」と言っていたという。事件がおこったのは、お昼休み。交替で食事をとる指示で、彼の作業中は、その場に誰もいなかった。発見がおこれ、そして発見後のその対処が悪かったという。ここに、まともに安全教育もされず、最初から危険な業務にたずさわさせる、「ドレイ工場」の実態がある。人手不足で、正規雇用化の促進などというところもあるが、多くの製造業では、その働かされ方は、この事件の後も何も変わっていない。

 派遣元だけではなく、派遣先の責任も断罪された点は、重要でもある。派遣、請負、非正規…。なんちゃって正社員、偽装管理職。いま日本の働かされ方が問われている。

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2008/02/13

[名ばかり管理職]電話相談に5時間で130件

 日本の経済社会のことをよくルールなき資本主義といいます。まあルールのある資本主義とはなんぞやという質問も聞こえそうですが、ここにはある意味、むき出しの利潤を追求する資本の論理があらわれているということなのだと思います。マルクスの『資本論』がもっとも、再現されているのがいまの日本かもしれません。

[名ばかり管理職]電話相談に5時間で130件(livedoor)

 店長など管理職の肩書が付くだけで残業代などが支払われない問題で日本労働弁護団は11日、「名ばかり管理職110番」を実施した。日本マクドナルドに対し、店長に残業代を支払うよう命じた東京地裁判決を受けて行い、約5時間で130件が寄せられた。
 東京都の金型製造の男性(19)からは、高卒1年目で管理職にされ、基本給13万円に1万円の手当が付き、毎日2時間以上の残業代は出ていないとの相談があった。茨城県のコンビニ店長(42)は定時にタイムカードを押してから残業、休日出勤の際はタイムカード自体は押さずに働いていると訴えた。店長になり年収が下がった。
 千葉県の女性の夫は、建設・土木関連の仕事で現場監督をしていたが、月5万円の役職手当だけで、月110時間残業し、今年1月に過労が原因で自殺したという。男性は妻に「おれが死んだらタイムカードを見たら分かる」と伝えていた。

 19歳で管理職という働しれ方をして、そこではまったく自身による労働時間の管理もできない。そして残業代を払わない。労働基準法の「管理監督者」というものを悪用した、ほとんど詐欺ですね。これは。

H20080216 ちなみに、今週の『東洋経済』の特集は、「雇用漂流」です。『雇用融解』の風間さんの手によるものだけに、注目です。「非正規労働が支えるニッポンの真実」というサブタイトルで、先の偽装管理職までふみこみます。
 目次は、

グッドウィル折口帝国崩壊!自滅もたらした日雇い派遣
労働現場にはびこる「3つの偽装」の実態
偽装請負/偽装雇用/偽装管理職
COLUMN
 非常勤職員が労働局を“告発”
 低賃金・解雇自由は昔の話、中国労働契約法の衝撃度
 攻勢かけるリクルート 業界再編がいよいよ加速
INTERVIEW
 柏木 斉/リクルート社長
自由化か規制強化か 法改正で労使全面対決
わたしはこう考える
 福井秀夫/政策研究大学院大学教授
 濱口桂一郎/政策研究大学院大学教授
 後藤田正純/自民党衆議院議員
 山田正彦/民主党衆議院議員
誌上対論
 草刈隆郎/日本経済団体連合会副会長
 高木 剛/日本労働組合総連合会会長
This week's data
 年齢が上がっても増えない非正規社員の年収

 人選や対論は、もっと対決点をクリアに出すものにしてほしかったとは思いますが、実態をふまえる点はしっかりしているようですね。

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二男の修学旅行

 明日から、二男は修学旅行です。今時の私学は海外ですから(笑い)。うらやましいですねえ。風邪気味だから、うまく出発できるでしょうか? 知らない土地で、大丈夫でしょうか。ちょっと心配ですけどねえ。
 長男のときは韓国旅行の予定でしたけど、SARSさわぎで北海道になりましたけど。引き続き、つれ合いが、3月に北欧に研究旅行だと言っていますが。ボクはひたすら、お金の心配をする毎日ですけど…。

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2008/02/12

民主オバマ氏、快進撃続くか-米大統領選

 二男が、熱を出して休んでいる。木曜から修学旅行というのにどうなることやら? 
 さて、今日は、朝から原稿を処理。若者たちとつくった原稿。

 午後には、打ち合わせでお茶の水方面へ。私立大学は入試のまっただ中。
 一時間ほど、貴重な話を聞く。

 ところで、アメリカは大統領予備選のまっただ中。それがなかなかアメリカの実情を全部反映したものとは言えないものの、今度も大統領選は面白そうだ。

「首都決戦」始まる=民主オバマ氏、快進撃続くか-米大統領選(時事通信)

 米大統領選で激戦が展開されている民主党候補指名争いで、首都ワシントン(コロンビア特別区)とメリーランド、バージニア両州の予備選の投票が12日午前(日本時間同日夜)、バージニアを皮切りに始まった。9、10両日に計4州の予備選・党員集会で全勝して勢いに乗るバラク・オバマ上院議員が快進撃を続けられるかどうかが焦点だ。…



 オバマの勢いがとまらない。ちりとてちんの小浜市がよろこんでいるというのは半分冗談だけれど、いろいろ問題のある大統領選であるにしても、若者の関心と参加を広げているというのは、注目していい点だと思う。たしかにアメリカ国民は「変化」を求めているようだ。その「変化」の中身について、ちょっと注目していきたいものだ。

 まあ、個人としては、ひたすら孤立感を感じる落ち込みモード。やっかいなものだ、これは。

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米兵が中学生暴行(続報)

 日本の政治が大きく揺れている。今度は、この日本の政治が、沖縄の声に正面から向き合うことができるのdろうか。

携帯越し「助けて」/安保の影 犠牲また(沖縄タイムス)

 「助けて」という少女の叫びは届かなかった。十日発生した米海兵隊員による暴行事件。訓練された兵士が、また牙をむいた。北中城村の容疑者宅周辺では、三十八歳の容疑者が甘い言葉を操り、執拗に少女に追いすがる様子が目撃されていた。おびえる子どもたち。大人たちは、痛憤に声を震わせた。少女一人の尊厳も守れない安全保障とは何か。繰り返されてしまった凶悪事件は、基地と隣り合わせで生きる意味をあらためて突き付けた。…

 沖縄タイムスが今度の事件を詳しく追っかけている。「少女一人の尊厳も守れない安全保障とは何か」――この問いのもつ意味はとてつもなく重い。

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2008/02/11

へき地診療所 闘うリハビリ ちょっとだけ自分のこと

20080210 昨日というか、深夜までNNNドキュメントを遅くまで見てしまった。「焼酎一杯の幸せこちら、野辺山へき地診療所」。長野県にある村営野辺山へき地診療所を受け持つ若き医師が、死を間近に控えた患者の「最期は家で迎えたい…」との願いをその家族と向き合っていく。
 そして、今日は、闘うリハビリの後半。ここでも家族がクローズアップされていた。

 どうも家族というテーマは苦手である。共感ができないというか、警戒心とも何とも言えないバリアーが心の前に立ちはだかる。いやなのである。この問題を考えるのは。やはり、自分が生まれ育った家族との関係を総括できていないからなんだろうなあ。そのことが、自分のいまの家族との距離を考えるのも苦しくさせているんだろうけれど(笑い)。まあ、この不健康さというか、欠落した人間性?を自覚するのは大事なことなんだろうし、だから見えてくる問題もあるのだろうから。

 ただ、2つの番組とも見事な内容だったと思う。この医療を守り、前へと押し出すためには何が必要なのか。後期高齢者医療制度で、どうなるのだろうか? 問わなければならない問題は根が深いような気がする。

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米兵が中学生暴行 沖縄署が容疑で逮捕

 2・11集会の最中にとんでもないニュースが飛び込んできた。

米兵が中学生暴行 沖縄署が容疑で逮捕  知事「許せない」(沖縄タイムス)

 本島中部の女子中学生(14)を乗用車内で暴行したとして、沖縄署は十一日午前、在沖米海兵隊キャンプ・コートニー所属の二等軍曹タイロン・ハドナット容疑者(38)=北中城村島袋=を強姦の容疑で逮捕した。ハドナット容疑者は「抱き付いたり押し倒したりしたが、暴行はしていない」と容疑を否認しているという。仲井真弘多知事は同日午前、「女性の人権を蹂躙する事件で決して許すことはできない」と憤り、東門美津子沖縄市長らも事件を非難した。同日午後、上原昭知事公室長、仲村守和県教育長が在沖米国総領事館に抗議した。

 沖縄タイムスは号外を出している。

 沖縄の海兵隊とは戦争の前線にまず突入する、殴り込み部隊だ。容疑者がどういう人かは知らないけれど、その兵士の多くは、ヒスパニックであったり、貧困世帯の若ものであったりする。彼らは、沖縄に来て、殺人兵器となるための訓練をうける。北部演習場には、ジャングルでの戦闘のための訓練場があるし、対テロのための都市型の訓練施設もある。そして戦争にいった若ものたちのどれだけが精神的な病をもって帰ってくるのか。こうしたことを背景に、沖縄をはじめ基地のある街で事件が続発している。

 その米軍と自衛隊は一体となりはじめている。これまで闘えない、闘う技術もなかった自衛隊が、米軍の指導のもとで訓練をうけ、変貌しつつあり。2・11集会で、小沢さんがアメリカの戦争の特徴を語られていたけれど、いま日本がそうなろうとしている。このもとで、自衛隊員の自殺や薬物使用などが深刻となっている。米軍は、正式に認められた軍隊であるため、戦場近くには、たとえば娯楽用の船が休日用に用意されたりするようだが、日本の自衛隊員は、ひたすら緊張のなかでの生活を余儀なくされるという。

 問題は、日本の自衛隊がそんな軍隊になっていいのか。また、アメリカのそのような軍隊を支援していいのかということだ。この問題はある意味では、憲法の解釈だとか、イデオロギーの問題ではない。目の前にある、不当で非常な暴力を容認するのかという性格の問題ではないのだろうかとも思う。

 目の前の米兵の犯罪を許してはならない。そのことをくり返す、在日米軍のあり方、その存在の意味を問わなければならない。そのことから、不正と不法を許さない、たたかいがはじまる。

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「建国記念の日」反対2・11集会

20080211153742 今年もいつものように2・11集会に参加する。とりあえず毎年の恒例であるが、それはそれで、気持ちを新たにする。落ち着いて考えてみると、この2月11日を建国記念の日とするのは、奇妙なことである。だいいち、その根拠とされるのは、いうまでもなく神武天皇即位とされるわけだが、この日が国家的なレベルで確認されたのは、紀元節をつくった明治以降のことである。ちなみに、現在の祝日法にも「建国記念の日 政令で定める日」とあり、実は法律では日にちは指定されていない。
 推進派の集会でも、日本の伝統の文化と言われるが、そこでいう伝統の多くは明治以降につくられたもの。ちなみに神武天皇を祀る橿原神宮もつくられたのは明治時代だ(ちなみに私の実家の墓はこの近くにある)。

 さて、今日の集会の報告者の一人めは林博史さん。「沖縄戦への教科書検定が問いかけるもの」と題して講演。そもそも「集団自決」をひきおこした原因から話をはじめ、「軍官民共生共死の一体化」の実態を紹介。私はたまたま、いま宮城晴美さんの『新版 母の遺したもの』を読んでいるのだけれど、その実態は、まさに軍と民一体の「玉砕」というのにふさわしい。さらに林さんは日本の侵略戦争の行き着いた先としての「沖縄戦」という角度からも説明。沖縄戦の指導者たちが、中国や東南アジアで何をしてきたのかという指摘はなかなか興味深い。こうして歴史事実の問題だけではなく、過去と現在の日本の戦争や人権に対するとらえ方の異常や常識のなさの指摘は大事な点だと思った。まあ、林さんの話の中身は、彼のHPで。

 続いて、小沢隆一さんが「憲法9条 過去・現在・未来」と題して講演。本人が帰りにいつもの話のつぎはぎと言っていましたが、おもしろかったのは現代のアメリカの戦争への加担がもつ意味を解明した部分。とくに現代のアメリカの戦争の特徴として①戦闘の短さに対し、その後の復興の遅さ、混乱の長さ、②被害の絶対的不均等、③圧倒的な軍事力、軍事基地網という点を指摘された点。これは参考になった。

 発言は、学習指導要領の改訂、教科書検定制度、そして学生の9条の会。それぞれ大事な問題が提起されたが、とくに学生の話はよかった。

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それでもあきらめない

 福田 良彦 47,081
 井原 勝介 45,299
 とても残念な結果だ。全国から注目された、岩国市長選挙の結果である。

岩国市長選 容認派の福田氏初当選 反対の前市長破る(朝日新聞)

 在日米軍の再編に伴う厚木基地(神奈川県)から岩国基地(山口県)への空母艦載機部隊移転の是非が争点となった山口県岩国市の出直し市長選が10日投開票され、移転容認派が擁立した前自民党衆院議員の新顔福田良彦氏(37)が、移転に反対する前市長、井原勝介氏(57)を破り、初当選した。これで05年秋以降膠着(こうちゃく)していた移転計画が進むのは確実で、当初の国の予定通り14年までに完了する可能性が高まった。当日有権者数は12万1717人、投票率は76.26%(前回65.09%)。

 出口調査では、基地に近い旧市部では、井原氏が大きくリードしていたそうだ。周辺地域へ徹底した締め付けと、地元経済界の動員というのが福田氏の勝利の要員と言えるのだろうか。国からの補助金のカットのもとで財政的な困難が争点逸らしを生み出したとも言えるのだろうか。期日前投票の多さは、公明党の動きも示しているのだろうか。全体として沖縄、名護市とにているという印象。
 ただ出口調査からも、深刻な基地と住民との矛盾の大きさは変わらない。ことが動けがそれだけ矛盾は大きくなる。なによりもここまで問題を問い続けた岩国のたたかいのはたした役割は大きいのだ。辺野古がそうであるように、そう簡単にこの矛盾がなくなるわけではない。これからもたたかいつづけること。ボクらにとっては、あきらめないことこそがいまいちばん大事なのだと思う。頑張れ! 岩国市民。

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2008/02/10

闘うリハビリ 第1回 あなたはここまで再生できる

080210_a リハビリテーションという問題は、今後の社会にとってとても大事な問題だと思う。しかし、日本では、この問題を、機能回復訓練というぐらいの受けとめしかされていなくて、少しもどかしく感じていた。この番組は、そのリハビリの医療技術の面での最先端をおう。

 いま、リハビリテーションは急速に進化しつつある。

 研究現場では、脳科学や神経生理学、画像診断の発達によって、これまで目に見えなかったリハビリの効果が次々と実証されている。
 大阪市の森之宮病院のリハビリチームは、訓練をしている患者の脳内を、リアルタイムで観察できる最新鋭の画像撮影機器を導入。手や足を動かすことによって、脳内がどのように変化するかを踏まえながらのリハビリが行なわれている。
 リハビリは、これまで、身体の運動機能を回復させるものだと捉えられてきたが、実は、リハビリが、損傷した脳内の回路を再構築したり、脳に再学習を促していることが解明されたのだ。さらに、アメリカでは、昨年11月、国立衛生研究所(NIH)が主導した大規模なリハビリの研究結果が発表された。脳をターゲットとした新しいリハビリ法によって、これまで難しいとされていた、発症から時間がたった患者でも回復できることが明らかになってきている。
 最先端の研究・治療現場からドキュメントする。

 子どもの脳の回復という問題については、早くから注目をされていたし、文献を読んだり、番組を見たことはある。が成人の分野で、脳の「再生」とも言える、損傷した脳の再構築などのとりくみがすすんでいるのかということには、正直驚きの連続だった。専門家や、この分野にかかわる人にとっては、非常に刺激に満ちた番組だったのではないのだろうか。

 リハビリの核心は、当事者の社会復帰(社会参加の回復)にあると言ってもいいとは思う。それだけに、このとりくみの一方で、医療が崩壊し、その前提となるような条件が非常に弱くなっていることが番組を見ていて、よけいに気になった。はたして医療から排除される人々の増加をどう考えるのか。
 「権利としてのリハビリテーション」そんな視点から、もっとこの問題が議論されていいのだろうと思った。

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これからの社会教育はどう変わるか!

20080210154105 今日は、朝から電車が2度もとまって、たいへんな一日。バスで、いつも使う駅とは違う駅まで出て、何とか都心に向かう。電車が止まるとバズが混む。かなり、たいへんな思いをして目的地に向かう知人に出会う。

 さて、午後から社会教育推進全国協議会が開催したシンポジウム「これからの社会教育はどう変わるか!」に行ってきました。教育基本法の「改正」で教育3法が変えられ、まもなく学習指導要領の改訂や教育振興基本計画の策定がおこなわれるわけですが、法整備の点では、一通りの最後の法改定が、この社会教育法の「改正」である。

 シンポジウムは、まず、都立大学の大串隆吉先生が、問題提起。議論の前提として、06教育基本法からくる人間像には、個人は後景に退き、社会の要請ということが前に出ていると指摘。社会教育の分野でも、いわば国家による国民の統合ということが中心的な課題とされ(ここに「生きる力」だとか「人間力」という言葉が出てくる)、個人の要望から社会的に問題となるようなことが、社会化される仕組みがつくられないということを指摘されていた。その起点として、85年に臨教審が打ち出した方向があり、社会教育の分野でも転換があった。それは外部労働力(非正規化)への移行と対応しているという。

 つづいて社全協の委員長の長澤成次さんが中教審の生涯学習分科会の「答申素案」について、それをどう読むかという話。もともと学習内容には抑制的であった、社会教育法「改正」が、06教育基本法の掲げた教育目標にそってすすめられる(教基法審議では、社会教育は拘束されないと言っていたのに)危険性を指摘。同時に、社会教育の制度的な後退の危険性を指摘ていました。

 3番目は、図書館情報学の山本順一さんが図書館法の「改正」の動向について報告。辛口の皮肉が、会場から爆笑を誘う。 この動向はほとんど知らなかった。「知の拠点」と言いながら、お金を出さない国の動向には心底、腹が立つ。

 最後が、博物館法の動向について、君塚仁彦さんが報告。歴史の分野の論文は読んだことはあったけれど。とくに学芸員の実態を雇用の問題から接近した話は、先日の若手研究者の話ともだぶって、なるほどと思った。学位をとったあと、非常勤、非常勤、失業という実態…。博物館、美術館の外部「評価」をめぐる動向の話は、くぎづけになる『5星の美術館』という本の話などを通して、市場化された現状には、あらためてボクらの意識も含めて問われている問題の大きさを考えさせられた。

 教育の分野を担当しながら、なかなか十分に社会教育の分野に関心をもってこなかったことに反省をせまられた。この分野の専門家の人たちの真剣な議論から、たくさんの刺激をもらったし、学ぶことが多いシンポだった。まちがいなく、新自由主義などが描く社会像との対峙のなかで、この社会教育のもつ意味は大きい。

 終了後、大串先生にあいさつ。帰りに、どこかでよく見たことのある人とエレベーターでいっしょになったので、声をかけてみたら大学の先輩だった。27年ぶりぐらいかなあ。

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2008/02/09

教育振興基本計画に8重点分野 道徳教育など中教審が確認

 今日も朝から仕事です(苦笑)。メールを送ったり、パソコンに向かったり。です。午後からはずっと会議。まあ、その内容は、後日。

振興基本計画に8重点分野 道徳教育など中教審が確認(中日新聞)

 中教審教育振興基本計画特別部会(部会長・三村明夫新日鉄社長)は8日、2008年度から5カ年の教育政策目標を定める「教育振興基本計画」に道徳教育の充実を掲げた「豊かな心と健やかな体の育成」など8項目を重点的に取り組む分野として盛り込むことを決めた。
 中教審は今後、基本計画をまとめ、渡海紀三朗文部科学相に答申。政府は3月中に計画を策定し、閣議決定する。
 重点取り組み分野はこのほか、「大学等の教育力の抜本的強化と質保証」「手厚い支援が必要な子どもの教育の充実」など。
 特別部会は昨年11月、約70の重点施策を盛り込んだ計画素案を作成。その後、国民に対するパブリックコメントで「総花的で、従来の政策との違いが分からない」との批判が相次いだため、特に力を入れる重点分野を明示した。

 会議の資料は、ここにあります
 ざっと見て、印象に残るのは、道徳教育と大学教育でしょうか。数値目標のイメージというものが示されていて、その内容は気になります。家庭にまで、つっこんでくる。中身は、これまで言われていたことのくり返したろうけれど。

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2008/02/08

倖田來未発言をめぐって…

 テレビでも職場でも、倖田來未の例の発言についての謝罪会見が話題です。エリカ様の発言に弁護を試みたように、職場でちょっと弁護を試みたけれど、見事に粉砕された(笑い)。まあ、彼女の発言は、ちょっと弁解が困難なほど、ひどい発言だったことは否定のしようがない。みごとなほど、無知と人間として未成熟さを表した発言だった。

 ただ誤解を恐れずに言えば、「しょせん」25歳の女の子の発言だ。その発言を垂れ流したメディアの責任は、まぬがれないが、しかし、未熟な女性の発言である。きっと、彼女がその発言の重みや痛みというのを理解するのは、もっと時間もかかるだろうし、経験も必要なのだと思う。

 ボクが気になるのは、ことさらワイドショーなどで、この問題をとりあげることのほうにある。考えてみれば、政治家をはじめ、権力にかかわるような人によるこの種の人権をふみにじるような発言は枚挙にいとまわない。その発言を撤回したり、反省したりするケースはほとんどない。メディアの追及も、その人が権力から降りることが明確になってからにすぎないし、役職をやめる場合も、たいていは、政治を混乱させた責任をとってという言い方にすぎないのだ。そして、しばらくすると、ケロッとしてメディアの前に顔を出す。その発言について、くり返しメディアが追及することはない。

 タレントについては激しい追及があっても、権力者にはそれがない。それはしかたがないのだというような目で、メディアの報道になれてしまうこと。そのことほど、恐ろしいことはないということを何となく感じてしまうのだけれど。

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新安保体制下の日米関係

4634546701 佐々木隆爾先生には、若い頃に少しお世話になったことがある。そんな先生が昨年出したこの本を、本屋で見つけて読んでみた。

  「六〇年安保闘争」という言葉も、今ではすっかり昔語りとなりました。あの激しかった運動の指導者や体験者も多くは世を去り、若造の一人としてこわごわデモに加わった著者も、気づいてみれば七〇歳を超えています。あれから間もなく半世紀。この間に多くの事件が起こり、世の中はおそろしく変化しましたが、あの年に結ばれた日米安保条約(「新安保条約」)は一字一句も変えられないまま、今も生き続けています。歴史の研究を志したばかりのころに安保条約改定という大事件に遭遇した一人の若者が、条文は変わらないのにつぎつぎと姿を変えていく新安保体制という不思議な生き物を、歴史家として、また同時代人として把握しなおし、その変化の様相を描き、後世に語り伝えたいと書き上げたのが本書です。

 これが先生の言葉です。昨日、前田哲男さんの『自衛隊』を紹介したけれど、この日米の一体化の道は、何も90年代以降に突然すすんだわけではない。安保条約の締結、自衛隊の創設から新安保の締結、沖縄返還協定から、ポストベトナム戦争の時代へという流れの中で、形成・発展してきた日米同盟の帰結としてある。とくに、沖縄返還というものが、日米関係のなかでどんな意味をもっていたのかというのに非常に興味をもたされた。アメリカ軍の経費を過大に負担する異様な関係の原型はここにあるということか(もちろんその前史もありますが)。隷属的な日米関係――やはり、歴史は学ばなければなりません。

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派遣可能期間超え 派遣先の正社員になれた人はゼロ

 つつつ、疲れました。金曜日はもうバテバテですね、いつも。今週は腰の調子も悪くねえ、年だなあ。

正社員化は0.2% 偽装請負で厚労省の指導後(朝日新聞)

 違法な偽装請負をしたとして、厚生労働省から指導を受けた請負事業者の労働者のうち、指導後に発注先企業の正社員になれた人が全体の0.2%にとどまることが8日、厚労省の集計で分かった。派遣可能期間を超えて働いていた派遣労働者では、指導により派遣先の正社員になれた人はゼロ。厚労省の指導のあり方を問う声が高まりそうだ。
 同日の衆院予算委員会で、共産党の志位和夫氏の質問に答えた。06年12月に偽装請負で文書指導した219事業所の請負労働者8404人と、派遣期間の違反で文書指導した8事業所の派遣労働者74人について、厚労省が07年3月末の雇用状況を調べていた。
 集計によると、請負労働者の場合、発注先企業が直接雇ったのは全体の5.5%の467人で、そのうち雇用期間の定めがない正社員は18人だけ。32.2%の2708人は派遣労働者に切り替えられ、55.9%の4704人は請負労働者のままだった。離職者も4.2%の361人いた。
 期間制限を超えていた派遣労働者では、56.7%の42人が派遣先企業で直接雇用されたが、正社員は皆無。離職者は17.5%の13人。 …

 労働者派遣法は、決して派遣労働者を保護するものではない。この法律の問題点を浮き彫りにするような数字です。結局、法で禁止されている正規労働者を減らし、その代替に非正規を入れて、大企業は儲けを確保することを求めている。そして、この働かし方は、労働者をもののように扱う働かし方です。まずは、派遣先も派遣元をも規制していくような抜本的な改正が求められているのでしょうね。

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2008/02/07

自衛隊―変容のゆくえ

4004310822 去年の7月に買ったまま、まあ、こんなものかなあと思って、パラパラと眺めるだけにしていたこの本を、ちゃんと読んでみた。さすが、前田哲男さん、いやいやすごく充実していて、読み応えがありました。

 ちょっと、ある問題意識があり、もう一度、自衛隊のいまをつかみたいと思って読んだんだけれど、防衛省が誕生し、同時に自衛隊の海外活動が「本来任務」へと格上げされた今、米軍再編の進行のもとで、自衛隊を米軍とともに「戦う軍隊」へと変貌する姿を見事に描いている。もはや、政府がかかげていた専守防衛の原則は通用しなくなっている。戦地での米軍支援活動や激化する訓練など、急速な変容の実態で浮き彫りにし、それが、いかに対米追随の「戦う軍隊」化であり、世界の平和に逆行するものかを明らかにしている。これはなかなか。細かい情報も、書き込まれていて、全体をつかむのに役に立ちそう。ただ、いくつか事実の間違いもありそうなので、ちょっと気になる。

 安全保障政策の構想という点では、議論はありそう。アジアの共同という大きな方向では、そんなに議論はわかれないだろうが、そのプロセスは、前田さんの意見は、平和基本法とアジアの信頼の醸成によって、9条を実質化し、それが安保条約の改変への展望を切り開くというもの。安保によって、自衛隊の変容がすすめられ、9条を蹂躙されているもとで、平和基本法を制定しても、憲法を実質化できるのかという批判は成り立つ。それはそれ、今後も議論を積み重ねていくことが、大事。いま求められているのは、この自衛隊の変容への認識を広げ、対峙していくのかということなのだと思った。

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「再雇用拒否は違法」=都に2700万円賠償命令

 今日、東京地裁で注目すべき判決があった。

「再雇用拒否は違法」=都に2700万円賠償命令-日の丸・君が代訴訟・東京地裁(時事通信)

 卒業式などで日の丸に向かった起立と君が代斉唱を拒否し、職務命令違反で処分されたことを理由に、東京都教育委員会が再雇用を拒否したのは違憲として、都立高校の元教職員13人が都に1人約559万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が7日、東京地裁であった。中西茂裁判長は「都教委は職務命令違反を過大視し、ほかの事情を考慮した形跡がなく、裁量を逸脱している」と述べ、総額約2700万円の支払いを命じた。

 何度か、被処分者の方たちから、お話を聞いたことがある。子どもにたいしても、とても熱心な方々でもある。10・23通達による、都教委による異様な教員支配が行きすぎたものであることが、司法の場においてふたたび断罪された判決である。

 ただ、判決は「職務命令については『憲法で定めた思想、良心の自由を侵害しない』と述べ、合憲と判断した」。これは、現在の司法の限界をしめしているということなのだろうか。

 弁護団の声明などを読むと、06年9月の日の丸・君が代予防訴訟難波判決とは、少し論点の違いを感じる。弁護団の準備書面などを読んだり、判決を詳しく読んだりしているわけではないので、詳しいことはよくわからないが、東京地裁での予防訴訟のほうは、教科書裁判の杉本判決や、学テ最高裁判決なども駆使して、たんに「良心の自由」という点だけではなく、「教育の自主性」「教育の自由」というものが、かなり踏み込んで議論された教育裁判となった印象をうけるが、同じ、憲法19条、47教基法10条が論点になりながら、 ここは判決では踏み込んでいない。
 ボクは、君が代裁判にかかわっては、当事者たちのしっかりした教育論というものが大事だと、感じている。今回の裁判も、そういう点から、少し内容にも注目してみたいと思う。

 なお、被処分者の会のHPはここ
 予防訴訟のHPはここ

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2008/02/06

払わないなら弁当持参を 給食『契約制』に 市川市教委

 ついに学校給食の「契約制」を導入する自治体があらわれた。たしかに、未納問題は、給食をめぐる財政的な面でも大きな問題を引き起こしつつあることは事実ではある。しかし、だからこそ、給食いうものが、学校教育のうえでどんな役割をはたしているのか、落ち着いた議論こそ必要だと思う。

払わないなら弁当持参を 給食『契約制』に 市川市教委 未納対策で通知(中日新聞)

 給食費未納対策として、千葉県市川市教育委員会が新年度から、市立学校に通う児童・生徒の保護者に対し、支払いについて学校と「契約」を交わすよう求めていることが五日、分かった。保護者には今月から、契約書に当たる「学校給食申込書」を提出しなかったり、給食費を払わなかったりした場合は「弁当を持参してもらう」と小中学校、特別支援学校を通じ通知している。…
 市教委は「払えるのに払わない規範意識の低さ」も未納の原因の一つに挙げ、申込書の提出は「給食費を払っている保護者との不公平感をなくすための措置。集金する先生の負担を減らす目的もある」と説明している。

 そもそも、学校給食法には、「国及び地方公共団体は、学校給食の普及と健全な発達を図るように努めなければならない」とある。その目標として、「学校給食については、義務教育諸学校における教育の目的を実現するために、次の各号に掲げる目標の達成に努めなければならない。一 日常生活における食事について、正しい理解と望ましい習慣を養うこと。 二 学校生活を豊かにし、明るい社交性を養うこと。三 食生活の合理化、栄養の改善及び健康の増進を図ること。 四 食糧の生産、配分及び消費について、正しい理解に導くこと」とも。

 経費についても、設備や運営は公費、その他は保護者負担ということが定められているが、ならばその保護者負担がうまくいかないのはなぜなのか、その実態を、まず明らかにすることこそ求められているのではないのか。保護者のモラルを言い立てるが、いまの経済状況のもと、これだけ社会保障が機能していない日本で、支払うことに困難を抱えている実態はどうなっているのか。

 新聞では、千葉大学の片岡洋子さんが、「根本的な解決策にはならないだろう。本当に給食費を支払う能力がなく、申込書を出さない家庭があった場合、その状況をどのように子どもに説明するのか。先生の負担はさらに増すことになる」と言っている。そのとおりだと思う。「契約制」という安易な解決ではなく、ちゃんと実態に向き合うい必要も責任もあると思う。

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まんがで読む防衛白書の欺瞞

 ある人から、今年の『まんがで読む防衛白書』の話を聞いた。MDのことについて取り上げているというのだ。そこで、防衛省のHPを見てみると、先月の22日にアップされていた。それで、読んでみた。ちょっと恥ずかしくなる内容。MDをサッカーのディフェンスにたとえて、その意義を論じる。

 まあ内容は荒唐無稽というか、だいたいボールが1つで、ゴールも1つのサッカーのディフェンスと弾道ミサイルを同列に論じるのが無理がある。サッカーは攻撃と防御だが、国際政治は最初から攻撃と防御ではない。それでは戦争の世界になってしまう。話のなかでは、戦争におけるルールと無法みたい話が出てくるが、そもそも国際政治のルールは国連憲章で、その核心は武力行使の禁止だがそんなことは捨てられてしまっている。
 MDそのものが、技術的に完成されたものとして、無条件にあつかわれている。システムのうえでも完成しているように語られる。そしてアメリカとの連携が言われているが、そもそもこのMDというのが、アメリカ主導であることなども語られない。いわんや、アメリカに向かうミサイルの話などはまったく出てこない。

 でも読んでて思うのは、そもそも、アメリカに追随し、アメリカの世界戦略のなかでのMDであるのに、日本の防衛というなかでしか、この問題を語ることのできない矛盾ということだ。これは、日本で、安全保障の問題を語る時に、一貫して存在する矛盾である。それが、かなり多い尽くせないところまできているということだ。MDがどのように運用されるのかなどは、北朝鮮のミサイル発射のさいの、米軍と自衛隊のイージス艦の動きがどのようなものだったのかをみればすぐにわかるのだから。日本海で、米軍との連携というか事実上の指揮下に入って、とくにアラスカへのラインを中心に行動していた…。

 もう1つは、この『まんがで読む…』、ものすごくお金を使っているということ。自衛隊の広報活動の規模については、ちょっと調べてみたいという気がする。これこそは、税金の無駄遣いなんだから。まあ、暇な人は、防衛省のHPにアクセスして、読んでみてください。

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ゆうばり国際映画祭、市民が3月再開へ

Logo_big ちょっとうれしいニュースです。ボクはお金がないから、行ったりできませんけれど、ぜひ財政的にも成功してほしいと思います。

ゆうばり国際映画祭、市民が3月再開へ(朝日新聞)

 北海道夕張市の財政破綻(はたん)で休止されていた「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」が、市民の手で3月に再開される。実行委員会が5日、札幌市内で記者会見し、詳細を発表した。招待作品部門では、韓国映画「猟奇的な彼女」のクァク・ジェヨン監督の新作「僕の彼女はサイボーグ」や80年の民主化闘争、光州事件を題材にしたキム・ジフン監督の「光州5・18」、ロブ・ライナー監督の「最高の人生の見つけ方」など国内初公開の12作品を一挙上映する。「夕張でしか見られない映画満載」とPRしている。
 映画祭は3月19日から5日間で、財政破綻で閉鎖された後、市民が再開・運営している「ゆうばり市民会館」が主会場。 …

 映画祭のHPは、ここにあります。http://yubarifanta.com/index_pc.php
 クァク・ジェヨン監督の新作は楽しみですね。それだけではなく、「若手監督が集うフォーラムシアター部門ではリサイクルショップの経営者が『貧乏人の抗議デモ』に取り組むドキュメンタリー『素人の乱』など21作品、オフシアターコンペティション部門では国内外の応募作256点から14作品を厳選して上映するほか、女優の栗原小巻さんが往年の名作『忍ぶ川』とともに夕張を訪れる。計約50本の上映と監督や俳優、ゲスト登場の企画が続く」そうです。忍ぶ川は、そうです熊井啓です。いいなあ。

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2008/02/05

爆問学問での長谷部憲法学

 今日の爆笑問題のニッポンの教養のテーマは、憲法学。東大の長谷部さんが出ていた。長谷部さんの立憲主義は、このブログを読んでいる人なら、ご存知の人が多いが、いろいろなところで、いろいろな議論を読んでいるし、いわゆる「護憲派」と言われる人たちからが一定の批判がある。そのことは、何度か、このブログでは書いた。

 憲法をめぐる状況は熱さを増している。なにかとイデオロギーの争いになってしまいがちな憲法論議に、憲法学の立場から両陣営に異論を唱えて注目を集めている気鋭の学者が、東大の長谷部恭男教授だ。変えるか否かの前に、冷静に憲法とは何かを問い直すことを呼びかけている。長谷部の主張は、人間は多種多様な価値観を持つが、憲法とはそのすべての価値観が公正な共存を図るためのものであり、どれかひとつの価値観を代表するものであってはならないというのだ。その視点からは、“絶対平和”や“武力を持つ一人前の国”などもひとつの価値観にすぎない。 …

 この番組の紹介にあるように、たしかにかなり刺激的な議論をする人だ。ボクは、彼の議論は、この時代の一定の雰囲気や実際を反映しているし、いまの憲法を変えないという議論をするうえでは一定の意味や役割をになっていると思っている。実際には、そのぐらい、憲法は政治マタ―となってしまっている。
 ボクらが一般に立憲主義と言う、立憲主義のとらえ方というのも、ある種の歴史性をもつ。長谷部さんの立憲主義のとらえ方も、この時代の1つの反映でもあるということは言えるのだと思う。

 ただ、そうはいっても、憲法というものを支える思想そのものが歴史のなかでつくられている。そのことを承認するならば、憲法はある種の価値観と無縁ではいられないということは認めなければならなくなる。この歴史性という視点のをもつかが番組で言われていた「矛盾」を克服するポイントでもあるし、この視野や視点をもつか、もたないかが議論はわかれるのだと思う。もちろん、ボク自身は、前者だし、歴史性を承認しなければ、結局は、解釈と調整の学問に憲法学はとどまってしまう。

 だからといって、長谷部さんの憲法学を否定もしなければ、その意味を低めようとも思わない。彼のセンスには頭が下がるし、その議論にはいつも、耳を傾けていたいと思う。

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ちりとてちんと上方落語の常打ち小屋

 ちりとてちんの草若師匠は、再び、上方落語の常打ち小屋づくりに奔走し始めた。ボクが関西にいたころは、落語の常打ち小屋などは夢のまた夢というよりも、芸人は、吉本と松竹芸能に分かれていて。まだ中座や角座もあって、そんな発想すらわかなかった。落語を堪能しようと思えば、落語家の勉強会に聞きに行くか、独演会、一門会に行くしかなかった。
 実は、一昨年の9月に天満天神繁昌亭というものが作られている。市民から2億円もの募金を集めて、つくられた念願の常打ち小屋だ。ここが、人を集めて盛況だそうだ。それで、ついにこんなことがおこった。

吉本“戦後初”の落語定席(日刊スポーツ)

 吉本興業が4日、3月3日から大阪市北区のうめだ花月で、平日昼の落語定席「梅田花月 花形落語寄席」を始めると発表した。笑福亭仁鶴(71)月亭八方(59)桂きん枝(57)らが会見した。昨年末、開館15カ月で入場20万人を超えた同区内の天満天神繁昌亭に刺激を受けた形で、吉本内では“色もん(脇)”扱いだった落語家による「主役寄席」が誕生した。…

 落語が盛り上がるのはうれしい限り。しかも、上方落語の世界は、かなりの困難な歴史をたどったから。関西を離れて、20数年、あまり聞いていないし、若い上方の落語家の話は聞いたことがない。単にバブルに終わるのではなく、精進して、いい話し手が育ってほしいとつくずく思うし、そう願ってやまない。
 ちりとてちんは、「地獄八景」が今週のテーマ。この話は我が家には、米朝さんのテープがある。たまには、落語をゆっくり聞いて、大笑いしたいなあ。

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全国大学生調査の話題

 昨日、NHKのニュースが報じたある調査が今日職場で話題になっていた。それは、「大学生6割 授業に興味わかず」というニュースだ。そのニュースで報じられたのは、「大学生の60%以上が『授業に興味がわかない』と感じ、1か月に1冊も本を読まない学生も30%に上ることが、東京大学の研究グループが大学生5万人を対象に行った調査でわかりまし」というもの。東京大学の研究グループが大学の運営や授業に生かすため、おととしから1年間、全国の国公私立127大学の大学生およそ5万人を対象に行なったもの。

 これは東京大学大学院教育学研究科 大学経営・政策研究センターがおこなった全国大学生調査で、実物はクリックしてもらえばそのページが開く。

 この調査をおこなった、金子元久教授は「『今の学生はあまり勉強をしない』ということが裏付けられてしまった。それは一部の大学だけでなく、東京大学でも同じだった」とコメントしているが、調査をよく見ると、大学の勉強や進路について真面目に考えている一方で、自分の能力については自己評価が極端に低い。同時に、生活への充実感も低いようだ。いまの学生の一面があらわれているように思える。
 大学入学の段階で、「学力」(カッコつきで)格差も広がっている。この時点で、「意欲」などの格差も生じている。ようは傷ついている。そんななかで、学問、社会、人生と向き合うのが大学生活でもある。そのことを前提にした、大学側のとりくみ、学生たちの自主的なとりくみを引き出し、応援するようなとりくみが必要なのだろうとつくずく思うし、学生たちとともに考えていきたい問題である。

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2008/02/04

君が代不起立 教職員名収集を継続

 それでも、「心を支配する」というのですね。あきれるというか、許せないというか。

君が代不起立 教職員名収集を継続 神奈川県教委、答申を無視(東京新聞)

 卒業式や入学式で国歌斉唱時に起立しなかった教職員の氏名を、神奈川県教育委員会が情報収集していることについて、県個人情報保護審議会が「不適当」と判断した問題で、県教委は四日、不起立者の氏名収集を今後も続ける方針を明らかにした。 
 この問題では、収集の中止を求める不起立教職員の異議申し立てを受け、県個人情報保護審査会が昨年十月、氏名収集は個人情報保護条例が取り扱いを禁止する「思想信条に関する個人情報」に当たると答申していた。県個人情報保護条例が規定した二つの諮問機関が、相次いで収集は不適当とする判断をしたのに、県教委は個人情報の収集を強行する異例の形となった。…

 問題なのは、県教委が、最終的な権限は県教委にあるというだけで、審議会が示した問題点になにもこたえようとしていないことだ。日の丸・君が代を推進する政治的な力がつよければ、審議会が憲法一九条が保障する「思想良心の自由」に反するとしたことを簡単につくがえす。これは、かなり深刻な問題でもある。

 審議会の意見に反論があるのならば、まずはその議論を公にするべきだ。氏名収集という抑圧とともに、言論を無視するこの態度は、2重の自由への挑戦でもある。それが、教育の場にまかり通るのは、子どもたちにとっても
、きわめて不幸なことでもあるのだ。

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嘉手納に同型3機/ハワイF15墜落

 ハワイで米軍のF15がまたまた墜落した。あまり話題にはなっているわけではないが、この米軍の主力機であるこのF15C型は胴体部分に構造的欠陥があることがアメリカ国内でも問題とされていて、大幅に削減することまで検討されているものだ。それをそこまま沖縄での訓練を継続するというのだ。

嘉手納に同型3機/ハワイF15墜落(沖縄タイムス)

 米ハワイ州のオアフ島の南約百キロの海上で一日午後(現地時間)、ハワイ州空軍のF15戦闘機が墜落した問題で、米軍嘉手納基地報道部は四日午前、沖縄タイムスの取材に対し、同基地に事故機と同型のD型(二人乗り)が三機配備されていることを明らかにした上で、「通常の訓練は続ける」と回答した。飛行停止措置は取らず、訓練を継続する方針を示した。…

 F15は昨年11月にも、墜落事故をおこしている。沖縄タイムスの社説から、その後の動きをひらってみると、

 ▽昨年十一月二日、米ミズーリ州でF15戦闘機が空中戦闘訓練中に墜落。「構造上の問題が発生した可能性がある」として米空軍は、四日から嘉手納基地のF15を含む同型機の飛行を全面停止した。  ▽嘉手納基地報道部は十一月二十一日、点検を終えたF15の飛行訓練を二十六日から順次再開する、と発表。詳しい事故原因が明らかにされないまま、地元自治体の反対を押し切ってF15の飛行が三週間ぶりに再開された。  ▽米空軍は同二十八日、事故調査で新たな問題が見つかったため、最新鋭のE型機を除くすべてのF15について飛行を再停止すると発表した。機体構造を支える「ロンジロン」と呼ばれる縦通材の亀裂は嘉手納基地のF15からも見つかっている。  ▽嘉手納基地報道部は〇八年一月十日、点検を終えた一部F15の飛行を十四日から再開すると発表。縦通材の厚さが規定に達していないF15の飛行停止措置は継続される、と説明した。

 その直後に事故である。訓練継続にはいそうですかとは言えない。しかも、全国6か所で訓練移転がすすめられ、今度千歳でおこなわれようとしているのだ。
 また、日本の自衛隊のF15Jも同型機でもある。
 ここにも従属的、基地国家の姿がある。あいまいにはできない問題である。

 が、なぜ大手メディアは報じないのだろうか?

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2008/02/03

07年トヨタ、生産世界一 正式判明

 さて、今日は、実は、つれあいの誕生日です。彼女は、朝から、大学に行っていて、夜、二男とも待ち合わせて、誕生日の食事会です。久しぶりの外食は、イタメシです。

07年トヨタ、生産世界一 正式判明、GMに21万台差(中日新聞)

 米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)は二日(日本時間)、二〇〇七年のグループ年間世界生産台数が前年比1・1%増の九百二十八万五千台だったと発表した。トヨタ自動車が既に発表した世界生産台数はグループのダイハツ工業、日野自動車を含め、5・3%増の九百四十九万七千七百五十四台。トヨタはGMに約二十一万台差をつけ、初めて生産の世界一に立ったことが正式に判明した。
 …〇七年の世界販売台数は、GMが九百三十六万九千台、トヨタが九百三十六万六千台と、GMが首位を守った。…

 たしかに、トヨタは優秀な技術力をもった企業だと思います。しかし、その力がふさわしく社会的な責任を果たすという方向で発揮されているとは思えません。世界一になったからと言って、その背後にある、「乾いたタオルをさらにしぼる」というトヨタの異様な働かせ方というものについて、新聞は問いかけません。やはり広告というものの力は絶大です。過労死、不安定雇用などまったく改善はされないで続いているのです。
 大企業は、もっと社会的な責任を果たすべきですが、そのことを問いかけるのは、私たち自身の仕事なのだと思います。

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若者自立支援、この3年を問う

 今日は、雪のなか独立行政法人 労働政策研究・研修機構が開催した「若者自立支援、この3年を問う」というフォーラムに行ってきた。

 もうかなり前から、学校から社会への移行というものに困難さの中で、ある種の困難な課題をもった若者たちへの支援をどうするかということが問題になっていた。そのなかで「ニート」という言葉も広がったが、同時に、いろいろな批判も議論もなされてきた。たしかに、政府がおこなうようになった若者自立支援策は、たぶんに、若者の「力」=メリトクラシーだけが問われ、社会のあり様そのものを問いかけるものになっていて、それそのものが新自由主義とどこか親和的なところがあり、若者の生きづらさを増幅する結果をつくる要因になってきたということも言えなくはない。しかし、一方で、家庭に沈殿していた、若者の困難に社会的に光をあてたという功の面も否定できない。

 今日のフォーラムは、前半は、この分野の議論をになってきたJILPTの小杉礼子さん、放送大学の宮本みち子さん、そして東大の玄田有史さんの報告。後半は、この3人に、ジョブカフェの関係者、自立支援団体の方、そしてジャーナリストを交えてのパネルディスカッション。参加者のほとんどは、支援団体の関係者か。
 福祉の分野でもそうだけれど、その分野の取り組みを支えているのは、民間の取り組みだ。そこには、運動という面だけではなく、経営体という側面をもつ。そんな人を前にしてしゃべるだけに、報告者の話も、ちょっと違う側面がでる。玄田さんの議論など、ボクからすれば、なぜにここまで新自由主義に親和的な発言をするのかと、ずっと思っていたけれど、その本音はきわめて「現実」主義だというところにあった。つまり、政治がどうあろうが、現実的に困難な若者を支援する団体にどうお金を引き出すかが、彼の取り組みのすべての基準にあるということがわかって、面白かった。

 たしかに、この数年間のこの分野の取り組みには、格段の前進がある。そして、そこでわかったことは、より困難な状況にある若者への支援をどうするのかという問題だ。そのことは、明らかに現在の「貧困」という問題とかかわっている。宮本さんは、そこであえて、支援の原理・原則や社会保障そのもののあり方を問いかける。面白かったのは、メディアの関心が、こうした議論と重なっていることだ。パネリストには読売新聞の記者が来ていたが、その発言もなかなかのものだった。

 原理の確認や、社会保障のあり方が議論になれば、どうしても財源をどうするかという議論になる。玄田さんの立場では、結果として消費税増税の決意を問う議論になってしまう。そこに、彼の議論の弱点が集中的にあらわれるのだろうけれど。
 一方で、どうしても、つかみどころのないのが企業の力をどう引き出すかという問題。つかみどころのないというのは、ボクらがなかなか経験がないというか。たしかに、この点での、ノウハウ、取り組みの蓄積というものにはかなり画期的なものがありそうだ。どんな分野でもそうだけれど、こういう中間(?)的な人たちの取り組みをつなぐような広い運動は不可欠なのだと思うし、そういうところにつながるようなセンスや能力を持たなければならないとつくづく思う。

 いずれにしろ、若者の困難という問題と、「貧困」の問題が重なり合っているというのは、きわめてはっきりした問題になっている、その「困難」に光をあてていくうえでも、若者問題というのは、実は学問的な研究というのはきわめて薄い分野でもある。だから、ともしれば若者の就職状況が、景気の上で改善されれば、何かしら、そんなに重要な問題ではないという受け止め方がされる。「日雇い派遣」の問題は、きわめて重大な問題だけれど、その雇用の問題が解決すれば、若者の問題が解決するわけでは決してない。
 刺激をうけながら、同時に、問題の複雑さなどに、いろいろ考えさせられたフォーラムでもあった。

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若手研究者の受難

 今日、ちょっとした場で、若手の研究者たちと話す機会があった。いわゆるPD(ポスドク)や、大学の非常勤講師たちである。国策として、大学院の拡充をすすめながら、その受け皿を、政府も財界もつくれなかったし、つくらなかった。知的基盤社会ということを掲げながら、その実態は、寒々しいものがある。
 PDは1万5000人と言われる。言われるというのは、その定義も定かでないため、実は実態がよくわからない。大学の授業の多くを支える非常勤講師のいたっては、その実態はほとんどわからない。巨大私学になると、もしかしたら、大学自体でも把握していないではないか。

 今日会った若者たちもそうだし、私の知人でも、非常勤やPDは少なくない。そのいずれもが、きわめて真面目で、しかも、非常に有能な人たちだ。その人たちの能力を社会はなぜ、生かさないのか。いまの政治や経済のリーダーたちにはその構想がない。
 考えてみれば、こういう研究者の養成には、巨大な国費がつぎ込まれている。それを生かさないことこそが、予算の浪費の1つの現れでもある。しかも、彼らの能力をいかせば、社会に存在しているさまざまな問題の少なくないものが解決へ向かうほどの可能性も秘めている。若手研究者の受難は、もしかしたら、ある意味では、私たちみんなの受難を意味しているのではないのか。そんなことを感じた1日でもあった。

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2008/02/02

いよいよ岩国市長選挙だ

 いよいよ明日から注目の岩国市長選挙がはじまる。かつてのSACO受け入れのさい始まった庁舎建設補助金を、空母艦載機の移転を拒否したことから国が一方的にカットするというもとで、自民党のあいつぐ予算否認などもあり、あらためて住民の信を問うということでおこなわれる。
 ボクは、大阪出身だけど、大阪の橋下氏の岩国についての発言が、物議をよびおこしている。正直いってものすごくはずかしい。

橋下氏「憲法をもっと勉強して」 岩国前市長を批判(産経新聞)

 次期大阪府知事の橋下徹氏(38)が、米空母艦載機の岩国基地への移転をめぐり、山口県岩国市が住民投票で反対の意を示したのを批判。これに対し、住民投票を発議した井原勝介・前市長(57)が1日会見し、「民意に基づき国にもの申しているだけ。市民の声が国政に尊重されるのは当然」と反論した。橋下氏はさらに「(井原市長は)憲法をよくご存じないのではないか」と切り返した。橋下氏の発言が3日告示の岩国市選へも波紋を広げる結果となった。
 井原氏はこの日午後会見し、反論するとともに橋下氏に対して「仮に大阪府において、国政と民意が相反した場合、橋下氏はどのような行動をされるのであろうか。府民の声を尊重して国にものを言うのが知事の責任ではないだろうか」と皮肉った。
 これに対し、橋下氏は同日午後、大阪府庁で記者団に「(国政問題で)住民投票は使うべきでない」と反論。「もっと勉強してほしい」と切って捨てた。…

 弁護士として、恥ずかしくないのだろうか。憲法の歴史をみれば、補完性原則などに見られるように、住民の安全にかかわる問題に関して、地方政府の発言力はものすごく大きい。これが通説でもある。橋下氏は政府の代弁をしているにすぎない。彼こそもっと勉強すればいかがかと思う。

 それはそうと、岩国のほうは、ここにきて、井原さんを支持する人々の一体感もぐってつくりだされているようだ。ボクは井原さんを支持するし、勝利することを願っているし、確信している。
 ただ、これだけ、争点の大きい選挙であるだけに、相手陣営も必死であらゆる締め付けをおこなっているようだ。福田良彦氏(自民党前衆院議員)が「現実的対応をする」といっても、結局は「現実」には受け入れ「容認」であり、「相手が勝てばどんどん進むのは誰が考えても明らか」だ。
 相手陣営の動きを、丸山重威さんが、「国の政策に、自治体は反対できないのか 艦載機移駐、米軍再編に揺れる観光の街」という文章を、ジャーナリスト会議のHPで書いている。「全国的な問題なのに、地元や九州地区以外のメディアでの扱いが小さく、注目を集めにくい。だが、争点の拡散や地縁を頼った古い締め付けも出て、民主主義と日本の政治自体が問われる状況になっている」というのだ。目の離せない選挙である。

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公教育って何なんだろか? 夜スペそして中学入試

 夜スペについては、その後もメディアで取り上げらている。しかし、肝心の場所で、ふさわしい議論がなされているのかが気になるところ。
 つくずく教育の「公共性」ということを考えさせられる。「公共性」ということの意味は、アーレントをひくまでもなく、俗っぽく、誰もが参加できるというふうに言い換えてもいい。ならば、夜スペは誰もが参加できるのか? 現状で授業についていけていない子どもたちの対策はどうなっているのか? 経済的に困難な状況になっている子どもたちはどうなっているのか? いろいろな人間関係で悩んでいる子どもたちの問題はどうなのか? あまりにも切り捨てられていることは多いのではないのか?

 そんななか今日は、中学入試である。これだけ、競争や受験ということが問題になっているのに、実は、この問題もあまり議論されているとは言えない。

中学入試がピーク(読売新聞)

 東京都と神奈川県の私立中学の入試が1日解禁され、首都圏の私立中学入試はピークを迎えた。
[小6教室 あの子もこの子も欠席]
 今春の首都圏の国私立中学の受験者数は昨年より約1000人増え、過去最多の5万3000人に上る見込み。都心部の公立小学校では、この日、受験のために小6児童の7割が欠席するところもあり、過熱する中学受験ブームの“影”も浮き彫りにしている。
 東京・港区の区立小では1日、98人いる6年生のうち、7割を超える74人が欠席した。欠席者の中には「風邪」を理由にした児童もいるが、ほとんどは「中学受験」。この学校では、毎年2月初めの出席人数が少ないのは恒例で、この日は、総合学習の時間に茶道教室を開き、出席した児童たちにお点前を体験させた。
 ある杉並区内の区立小でも、6年生31人のうち10人が欠席。都内では、一クラスのうち3~4割の児童が登校しない学校も珍しくなくなっている。…

 こんな状況が、すぐに解決できるとは思わない。でも、どう考えてもこれが正常な教育のあり方とは思えない。一度、真剣に集中的な議論をしてみるべきではないのか? 大きな解決の方向をさぐりながら、少なくとも、子どもの負担を減らしていく方向は見つからないのだろうか。子どもたちの悲鳴、抗議、抵抗はいろいろな形であらわれている。それは社会の土台にかかわる問題でもあるのだから。

 ちなみに、為政者の教育にかかわる議論が、いかに現場の問題を反映していないのかがわかる問題はたくさんある。1週間ほどまえの記事

教職大学院の人気低調、国立の約半数で募集定員下回る(日経新聞)

 政府の教育再生策の目玉の一つとして今春開校する国立の教職大学院15校のうち7校で志願者数が入学定員に達しなかったことが26日、分かった。二次募集の実施を決める大学も相次いでおり、全体としての人気も低調。大学生の就職が好調なことや学費を払ってまで進学するメリットが不明確なことなどが背景にあるとみられる。 …

 ボクは教師が大学院で、学びなおしたりする意義を否定したりはしないけれど(ボクのつれあいも、大学院の修士課程に在籍している)、教師たちの自主研修を否定し、教師の誇りを奪っての教育制度が成功しないのは当たり前でもある。教育政策は、子どもと教師の声を聞き、実態に即して、自主的な力を作り出し以外の成功しないのだと思う。

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2008/02/01

評価の肥大化が何をもたらすのか

 かなり睡眠不足で身体がだるい。ここのところの平均睡眠時間は、5時間弱かなあ。朝から、家事をだらだらしてしまって。腰痛も出ていて、ちょっと不調です。そうそう、先日の「ぎょうざ」は、製造日まで、問題の日だった。

 さて、いらいらしたり、腹が立ったりする一日。心を痛めたのは、次の記事。

文科省:第三者と関係者、学校評価を分離--指針を公表(毎日新聞)

 文部科学省は、新たに小中高校に「学校関係者評価委員会」を設置することを盛り込んだ改定学校評価ガイドライン(指針)を公表した。改定指針では、従来の外部評価を「学校関係者評価」と「第三者評価」に分け、単なるアンケートなどで終わりがちだった外部評価を改め、保護者も加えた学校関係者評価委員会の設置を明記した。文科省に調査研究協力者会議を設置、改定案を議論してきた。
 指針は、従来の小中学校から高校にも対象範囲を広げ、学校関係者評価では評価者の主体的な活動を行うため「外部アンケートを学校関係者評価とみなすことは適当ではない」と定めた。

 そこで、文部科学省のHPで実物を探してみた。31日に発表されたガイドラインは、ここにあった。http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/20/01/08012913.htm

 「評価」ということは、必ずしも問題があるわけではない。むしろ、これだけ教育に課題がある際には、評価ということは欠くことができない課題なのかもしれない。ただ、実際の内容をみると、それほど単純ではない。ガイドラインでは、基本を自己評価におき、しかも学校関係者の評価を重視していることは、注目していいとは思う。が、PDCAサイクルに組み込まれている。もともと、このPなるものが、だれがどのようにして作るのか? ここで教育基本法の「改正」や、学習指導要領などの問題性がうきぼりになる。

 これを子どもに置き換えて考えてほしいと思う。いまなぜ、子どもたちが荒れるのか。そのときに、子どもたちが人間的で、全面的な豊かな成長を支えるまなざしではなく、ある想定された評価の基準で見つめられているということがあると思うのだ。そのことが、子どものいらだちと攻撃性を増幅させているということに、なぜ思い至らないのだろうか。

 教育というのは、何度もこのブログで主張するが、教師と子どもの手によるきわめて人間的文化的な行為である。それを一面的に評価することは、きわめて慎重であらなければならないし、評価そのものが、人間的に文化的な行為でなければならないはずだ。はたして、ガイドラインで、その基準をしめすことは、そうした取り組みのプラスになるのだろうか。

 たとえば私の住む県では、「教育に関する三つの達成目標」(「学力」「規律ある態度」「体力」の三分野にわたる詳細な目標)を掲げている。そのもとで多くの自治体で「不登校」数の減少が数値目標化されている。そんななかで次のような話がある。

 休んでいることが判ると、すぐに家庭訪問をすることになります。……子どもは隠れるように部屋の隅にいたり、トイレの中にいます。この状態を見て教師は職場に戻れば良いのですが、無理やりに連れ出し学校に向かわせるのです。……学校まで何とかして連れてきて、校門を入ると出席となるために、そこで子どもは解放されます。/中には、休むと判っている子どもの家に毎朝行き、無理やり車に乗せて学校へ連れてくるということも起こっています。  (金子和夫「不登校をなくす数値目標の実態(不登校〇目標)」『さいたまの教育と文化』四五号)

 評価の肥大化が、大事なものをふみにじっていかないのか? このガイドラインもメディアではほとんど報じられうことはない。知らないあいだにゆがんだ「教育改革」がすすまないように、知恵も声も出したいものである。

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教研全体集会の開催断念=日教組、ホテル側拒否で

 日教組教研は、全教と別れる前には行ったことがあるが…。この間は、全教教研のみである。日教組については、いろいろ言いたいこともあるけれど(笑い)、しかし、この事態は重大な事態だ。

教研全体集会の開催断念=日教組、ホテル側拒否で-東京(時事通信)

 東京都内で2日から開かれる日教組の教育研究全国集会(教研集会)をめぐり、全体集会の会場に決まっていたグランドプリンスホテル新高輪(東京都港区)が契約を解除し、裁判所の決定に従わず使用を拒否している問題で、日教組は1日、緊急の中央執行委員会を開き、全体集会の開催断念を決定した。
 57回の教研集会史上、初日の全体集会が開催されないのは初めて。都内各会場で予定されている分科会は予定通り行う。約3000人の参加予定者には、各支部を通じて中止を伝えたという。

 グランドプリンスホテル新高輪みたいなところを教研の会場に設定したことは問題があるだろうけれど、右翼の抗議行動に屈して、集会が中止になるというのは、民主主義の根幹にかかわる問題だと考えた方がいい。しかも、もっとも「自由」であるべき、教育活動の空間がである。
 この数年、似たような問題が続いている。「表現の自由」などが脅かされている。このことにボクらはもっと自覚的であるべきだと思う。

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NHK経営委員会って何だ?

 NHKが引き続き揺れている。これは昨日の出来事だけれど、

菅原氏がNHK経営委員辞任=所得隠し「重い責任」 (時事通信)

 NHK経営委員会の菅原明子委員は31日、同日付で委員を辞任する意向を明らかにした。
 菅原氏は、所長を務める会社が東京国税局の税務調査で約1億5000万円の所得隠しを指摘された。菅原氏は「NHKが重大な転機を迎えている今、関係者に多大なご迷惑をお掛けしたことに重い責任を感じている」とコメント。所得隠しについては、既に修正申告と納税を済ませたという。
 菅原氏は2002年12月から経営委員を務めていたが、昨年12月、NHK会長の選任をめぐり、古森重隆委員長(富士フイルムホールディングス社長)の議事運営が独断的と批判していた。

 NHK経営委員というのがどういう役割の役職なのかは、NHKのHPにある。辞任した菅原さんは、古森委員長に反対する立場にあったところがまた微妙だけれど、委員のプロフィールを見ると、みなさん、あまり国民の代表という感じではない。むしろ、財界の代表と学者のあつまりという感じ。

 HPだけでは、もう1つ何をやっているのかよくわからないし、不透明さは、報酬にもあらわれている。「委員は、勤務の日数に応じて相当の報酬を受けます。現在は、1日あたり39,600円となっています。旅費やその他業務の遂行にかかる経費は実費が支給されます。」とある。数年前、NHKで不祥事が続いたとき、この経営委員の報酬が問題になったことがある。そのとき株主オンブズマンが、「NHK経営委員の任務放棄と報酬の『怪』」という文章を発表している。そこでは、「経営委員の報酬は1日55,000円で、『会議手当は日額をもって定め、会議ならびに打合せの勤務日数に応じて支給する。』とあった」。そのときの、「2004年度の経営委員の報酬として総額金84,345,000円が支給されている」とあった。経営委員長で800万円~900万円、一般の経営委員で600万円~700万円になる。これが批判をうけて、単価が下がったわけだが、実際に、いくら払われているかよくわからない。そもそも勤務の実態を明らかにする文章が公表されていないからだ。月2回の会議が基本の役職に、現在でも相当の金額が支払われていると言われている。
 トップがこのような状況で、はたして、不祥事の解決などができるのかと頭を抱えてしまう。

 NHK市民の会などの団体もあるけれど、もっとNHKに対して、ボクらは声をあげるべきだと思う。
 ボクは、よくNHKの番組を見る。だからNHKの受信料を真面目に払っている(笑い)。そのぶん、きっちり発言しなければとも思う。

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07年映画興行収入、邦画が再び洋画下回る

 こんな記事を見つけました。

07年映画興行収入、邦画が再び洋画下回る・大ヒット作少なく(日経新聞)

 日本映画製作者連盟(東京・中央)が31日発表した2007年の映画興行収入(興収)は、前年比2.2%減の1984億4300万円だった。ハリウッド大作がそろった洋画は9.3%増と好調だったが、ヒットが一部作品に片寄った邦画は12.3%減と大幅に下落。06年に21年ぶりに逆転した邦画と洋画のシェアは再逆転する結果となった。
 興収は昨年11月までは前年並みを維持したが、年末商戦が振るわず通年では減少に転じた。邦画は首位の「HERO」が81.5億円と好調だったが、50億円以上の大ヒット作品は前年の6作品から2作品に激減した。洋画は「パイレーツ・オブ・カリビアン」や「ハリー・ポッター」の続編が軒並み大ヒットした。…

 たしかに、あまり面白い邦画はなかったですよね。今年は、どうでしょう。まず「かあべえ」を見に行かないといけないのかなあ。吉永小百合はちょっと苦手。

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