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2008/01/31

深い本質をついた議論のために

Photo25301 ちょっとした感想なんだけれど。今週のクローズアップ現代の「ヨーロッパからの”新しい風”」が話題になっていますよね。とくに火曜の「“低炭素都市”への挑戦」は、私の職場でも相当の話題になっています。

 CO2の排出を抑えながら発展する"低炭素社会"の実現に向け、世界に先駆けて動き出したEU。EU最大の都市ロンドンは去年、2025年までにCO2の排出を1990年比で60%削減するという厳しい目標を発表し、行政の強いイニシアチブでCO2削減を進めている。市内への自動車の乗り入れを厳しく制限する「渋滞税」や市民に省エネの方法をアドバイスする「緑のコンシェルジェ制度」を導入、家屋の改築に補助金を出す制度も作った。経済界に対しては、規制の一方で優遇策を示して協力関係を築き、さらに独自のエネルギー政策も進めようとしている。「産業革命」の発祥地ロンドンで始まった「環境革命」。"低炭素都市"への挑戦を、キーパーソンへのインタビューとルポで追う。

 くわしく、GAKUさんが紹介しているので、ここではそれ以上は述べません。ただ、スターン報告は概要でも、必読です。

 さて、今日は、イギリスとフィンランドの教育をとりあげていました。

 グローバル競争社会で通用する人材をどう育てるか。この課題に「教育」という戦略で立ち向かってきたのが、一足早く安定成長時代に突入したヨーロッパの国々だ。「2010年までにEUを世界で最もダイナミックで競争力のある"知識基盤経済"にする」という野心的なビジョンの元、各国が独自の教育改革を行ってきた。教育に競争原理を導入することで学力の向上を図り停滞する経済の立て直しを目指してきたイギリス。一方、北欧のフィンランドは情報通信などの新しい産業を担う人材を育成するため「考える力」を重視する教育を実践、OECD(経済協力開発機構)のPISA(学習到達度調査)で"学力世界一"と評されるようになった。次世代を担う子どもたちをどう育てるか、考えていく。

 こちらはとくに新しい論点はなかったけれど、OECD教育局指標分析課長のアンドレア・シュライヒャーさんのインタビューが面白かった。日本と比較しても、興味深い、OECDの教育のとりくみではあるけれど、結局、IT社会のもとでの「知識基盤経済」というものが重視されている。この「知識基盤社会」というとらえ方には、いろいろな面がある。一面としては、新自由主義と親和性があることは否定でないだろうし、しかし、かとって、否定すべきものではなく、科学の進歩のもとでの新しい人間社会の模索という面もないわけでもない。

 こういう番組を見ると、もう少し長いスパンでも問題を捉えるような視野なり視点が必要なのだろうなと思えてくる。
 そんなとき、今日、お昼休みに、職場のなかまとやっている学習会で、たまたま、アダム・スミスの話になった。助言者の人が、「国富論」の4編のアメリカについて論じたことを紹介していたのだけれど、その歴史的スパンの長いことには、驚かされる。本来社会を科学するというのはそういう大きな視野からフォーカスしていくことが大事なんだろうと思う。
 目先の問題を解釈したり、分析したりするのは重要ではある。同時に、深い本質をついた議論のためには、大きな視野で見ることが必要だ。そんなとき、社会科学や、これまでの社会思想の成果を身につけるということが大事なのではないかと、最近、思っている。先日の教育権をめぐっての堀尾さんの、ルソーとカントの話ではないけれど、そういったヨーロッパの蓄積、そして、ひとつの到達点としてのマルクスなどを身につけ、使いこなすこと。何をいまさらと言われるかもしれないけれど。

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