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2008/01/11

新テロ特措法 憲法状況と国会の状況と

 別に、何かに対して言いたいわけではなく、独り言としての書き込みではあるけれど。

 昨年の参議院選挙の結果、その際の、民主党の公約、その後のテロ特措法をめぐる応酬、大連立とその破綻、『世界』の小沢論文、新テロ特措法をめぐっての論戦、とりわけ民主党の主張、しかしながらの民主党の対案。1つひとつていねいに論じたいのだけれど、なかなかややこしい論点が、入り組んでいる状況がある。あえて図式的に言ってしまえば、この間の9条の会のとりくみなどを背景にした、9条を守れという国民世論の広がりが、この推移の根底にはある。まだまだ、いろいろな課題があるにしても、この世論の広がりは確実に新しい様相を切り開いていると思う。これにたいし、アメリカなどからの改憲や自衛隊の海外派兵の推進への圧力と衝動が引き続き強まっているという問題がある。
 参議院選挙の結果をへて、民主党は複雑な動きを見せることになる。民主党の議論には、なかなか注目すべきものがないわけではない。たとえばインド洋での給油も兵站活動であり、武力行使にあたり、憲法違反であるという一昨日の小沢さんの議論などは、それはそれで注目に値する。
 しかし、だからといって、小沢さんの9条解釈が、かつてと変わったとはボクは思わない。92年の自民党の小沢調査会の答申をもう一度読み直してみた。ここでかれが持ち出している議論は国際的安全保障の活動というのは、憲法違反にあたらないというものだ。その論理は、簡単に言えば「『冷戦終結→不透明な国際秩序の行方(地域紛争激化)→米主軸の集団指導体制の強化の必要性→国連の権威的機能の重要性』という論理的筋道と、『憲法の積極的能動的平和主義→国連軍参加の合憲性→国際的安全保障への参加』という論理的筋道とをないまぜて、現行憲法の下でも『国際的安全保障』なるもののために活動に自衛隊をあてることは、違憲でないどころか『憲法の積極的能動的平和主義』に適合する、というもの」であり、「国際的安全保障」なるものは、「集団的自衛権との混同を避けるために」考案したと言いながら、その実、「集団安全保障」と「集団的自衛権」を意図的に混同させためのものにほかならない。この論理は、『世界』での小沢さんの議論とはほぼ重なりあるものである。
 小沢さんの9条解釈と、国民世論のなかで確実にひろがっている9条への認識とのあいだにそもそも乖離がある。そのことが民主党の有り様を複雑にしている根底にあるのではないのか。

 つまり、何を言いたいのか。新テロ特措法の参院での対応をめぐって、野党は最終的には足並みがそろわなかった。そのことをめぐっていろいろな意見が存在する。しかも、今年は総選挙が予想され、その後には、政権交代というのも視野に入ってくるだけに、この「足並み」の問題に、いろいろな議論が生じる。ただ、ボクはいま大切なのは、国会での共闘だとかの狭い問題ではないと思う。国民世論と実際の政党の状況に、乖離や歪みが存在している以上、その国会をとりまくような、9条をめぐる国民的な議論や運動を、この派兵再開という事態を前に、そして、恒久法の導入ということが焦点化されていく時期に、どれだけできるかどうかこそ、重要なのではないのか。
 新テロ特措法の成立を前に、ニュースを見ながらそんなことを考えた次第である。

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コメント

こんばんは。ご無沙汰しています。わたしも同感です。今国会の中だけに政治があるような雰囲気がこわいです。憲法のことももう争点からはずされてしまったような。でも,今後もっと憲法を守ることについてたくさんの人がかかわっていってほしいなと思うのです。

投稿: KATEK | 2008/01/12 22:12

 今年もよろしくお願いします。
 政治家が、短い時間で、わかりやすく語るのも大事でしょうが、人のあいだで、難しい問題を、じっくり話し合うような豊かな語り合いというものも「護憲派」が力をもっともっていくには、必要だと感じています。そんな豊かな語り合いを日ごろからできるようになりたいなあと思っているんですけどね。

投稿: YOU→KATEK | 2008/01/13 01:01

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