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2008/01/27

クラスター爆弾の禁止と日本の役割

 クラスター爆弾の禁止についての国際的な議論が大きな山場を迎えようとしている。CCW(国連特定通常兵器使用禁止。制限条約)締約国会議の議論や、オスロ・プロセスとよばれる、有志国による条約作成のとりくみについては、松竹さんが書いているので、ここでは、この兵器そのものから、禁止の意味を考えてみたい。

 クラスター爆弾とは、簡単に言えば、1つの親爆弾から数百の子爆弾がばらまかれ、広い地域にいる敵の部隊や施設を破壊させるという兵器だ。10数%の不発弾があると言われ、これが民間人への犠牲を広げているとして問題になっている。ちなみに、空中からの投下をイメージしがちだが、現在では地上や海上からの発射型も開発されている(そのためにクラスター弾という言い方をする人もいる)。
 僕らの世代では、イラク戦争やアフガニスタンで使われ、注目されるようになったわけだが、この歴史は意外と古く、第一次世界大戦の時期には考案され、第二次大戦では使用されている。この兵器がもっとも使用された戦争は、ベトナム戦争である。一説によると。ベトナムでは30万発(子爆弾は9690万発)、ラオスでは41万発(子爆弾は2億6000万発)使用されたという。不発弾の数も当然、天文学的な数字であり、その被害も正確な数字は定かではないが、想像を絶するものになっている。

 その後、湾岸戦争やコソヴォ空爆、アフガニスタン、イラクでの使用がくりかえされ、この兵器も、高度化する。いまでは誘導装置もそなえられ、GPSなどといあわせて使われるという。日本政府が古いクラスター弾のみの禁止を主張するのはそのためだが、それでも、民間人の犠牲がなくなったわけではない。
 人道的な立場だけではなく、軍事的にも、この兵器には疑問も出されている。とくにアメリカは、この間「テロとのたたかい」を掲げている。そこで、想定される中心的なたたかいは、市街戦である。クラスター弾は、エリア・ウィポンと呼ばれ、広域の地域での攻撃には効率的であっても、市街戦のための兵器として、役に立つのかという主張だ。

 日本の自衛隊も、このクラスター爆弾をもっている。大規模部隊による着上陸進行への対処というのが、その理由だ。「通常爆弾では迎撃できないような広範囲に展開した侵攻部隊の車両等を迎撃しうる能力をもつ」ためというわけである。「平野部は非常に狭小な日本の場合に、その長い海岸線で着上陸を防ぐには、クラスター弾を使わないと、それに代わるべき手段が今のところ考え付かない」とまで言っている。
 ようするに少ない予算で、効果的に敵に打撃を与えられるという論理だ。力による問題の解決だけを想定し、そのためにもてる効果的な兵力をもとうという論理であり、この論理からは、軍縮という方向は出てはこない。この論理の行き着く先には、核武装ということも容易に出てくることにも注意が必要だ。

 国連の事務総長は、CCWに使用の禁止を要請した。ただCCWは全会一致制をとっているために、反対する国がいれば、議論はすすまない。そのために有志国による条約策定がすすんでおり、オスロ・プロセスがすすめられている。2月にはニュージーランドで。5月にはアイルランドでその会議がもたれ、今年重要条約づくりがめざされている。地雷禁止型の運動である。
 日本は、このオスロ・プロセスの会議には参加している。しかし、この条約づくりには妨害する役割をはたしている。オスロ・プロセスの会議には昨年138カ国が参加している。アメリカに追随した、戦争をする国づくりが進んでいる日本で、この行為は大きく問われることになる。

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