新聞は反省しない
新テロ特措法の成立という歴史的暴挙の翌日の、新聞を読んでみた。以下が、全国紙の社説のタイトルである。
【朝日】給油新法成立―禍根を残す自衛隊再派遣【読売】新テロ法成立 政治の再生へどう踏み出すか 民主党も責任ある対応を
【毎日】新テロ法再可決 今回は非常手段と心得よ 「3分の2」避け合意形成努力を
【日経】与野党は「恒久法」合意へ議論深めよ
【産経】新テロ法成立 国際社会と共同歩調を 国益の実現に必要な再可決
【東京】給油新法成立 努力なき再可決を憂う
いかが感じるであろうか。改憲を掲げる読売や日経は、民主に、自民との共同を迫る。そして産経は、より積極的な対米貢献を提案する。問題は朝日である。
あたかも、この自衛隊の再派兵についての問題を指摘するようにみえる。だがよく読んでみるよ次のような内容だ。「戦前、軍隊が国を誤り、多大な犠牲を国民や周辺諸国に引き起こした苦い経験を踏まえた知恵だろう。私たちも、テロをなくすための活動に日本も協力すべきだと考える。インド洋での給油も選択肢のひとつかもしれない。これを頭から「違憲」と決めつける小沢民主党代表の論法は乱暴にすぎる」という。「インド洋へ向かう自衛隊員たちには気の毒なことになった。国民の代表である国会の意見が割れたままなのだから」とまで言うのだ。何のことはない、読売などの立場と何らかわりはない。
問題なのは、「朝日」が、括弧付きだけれど「護憲」を掲げているということだ。にもかかわらずインド洋での給油を違憲というのは乱暴だというのだ。
実は、今年の正月の新聞の不安げさ、元気のなさもその根っこにはこういう新聞の状況があるのだろう。考えてみれば、アフガンへのアメリカの報復、その支援への朝日の態度は、一つの朝日の転機をしてしていたのかもしれない。新聞は反省しない。あらためて、メディアの役割が問われている。
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最近の「朝日」はのひどさは加速してますよね。消費税増税なしに安心は買えないといった論調もそうでしたし、元旦も「ねじれ国会」が最大の日本政治のゆきづまりだといった感じでしたし。「毎日」も露骨になっていていますよね。今日のTBSの番組をみていましたが、「毎日」の論説委員がいる前で、みんなが自衛隊再派兵がテロ根絶に役立たないことをしゃべっているのに、「毎日」記者が、小沢のことだけにいちゃもんをつけていたことが印象に残りました。
投稿: 洋 | 2008/01/13 19:50
さらに、選挙が近づくほど、二大政党の選択ということを軸に、大手メディアは展開するでしょうね。それだけに、かなり心してかからなければなりません。現場で、それをうち破るような、知恵や工夫が求められるんでしょうね。正解というものは、そう簡単にあるとは思えませんが、自分の頭、自分の言葉で、こだわって考えることが大事なんでしょうね。分野は違いますが、お互い、強い決意をもってがんばりましょう。
投稿: YOU→洋 | 2008/01/13 23:25