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2007/12/19

権利を紡ぐ障害者運動

02930951 先日も書き込みましたが、今年は、全障研、障全協結成40年にあたります。この本は、結成から障全協の運動にかかわっておられる吉本哲夫会長の、この運動の出会いから60年の記録です。困難ななかから、制定された憲法の理念のもとづいて障害者の権利を拡充してきた、たたかいの記録でもあります。2周り以上下の世代である私が読んで、感じることは、憲法の理念を実現すべくとりくんだたたかいのなかで論じられたことが、間違いなくいま、私たちが私たちの直面している問題の解決の導きの糸になっているということです。60年代、70年代の豊富で、豊かな議論は、いま私たちが考えるべき「連帯」や「共同」の課題に多くの示唆を与えてくれるということです。そのうえに80年代以降の国際的な流れのもとでのとりくみの前進があります。もちろん私たちが直面している課題は具体的には、かつてとは違います。そこのとをふまえた上でも、学ぶべきことは大きいのです。私たちは歴史を学ばなければなりません。

 でも何よりもこの本が魅力的なのは、その時代の先頭をきってたたかった人の生きざまというところにあります。正直、私は、私自身の生き方でつねに揺れています。俗っぽくいえば、自分は能力ない、ダメな人間だなあという思いと、自分はこんなに頑張っているのにどうして分かってもらえないのかという思いと。まじまに考えれば、そんなことは、誰にでもあることなのでしょうね。そんなときに、迷い、失敗しながらも、誠実に生き抜いた人の生きざまは、実は、やさしく、暖かかったりするのです。吉本さんの語りは、大きな励ましとなります。ダメな自分でも、気をとりなおして頑張ってみよう。周りが信じられなくなったとき、落ち着いてよく考えてみよう。そんな思いにさしてくれます。

 ちょっと抽象的な感想になっていまいました。感情に流されているこのごろです。どうも忙しすぎるようです。年内いっぱいは厳しい日々が続きそうですが、元気ではいるのですが。

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コメント

はじめまして、小学校教師のボギーです。
30年ほど前に福祉系の大学にいた時、はじめて全障研に参加しました。現在も障害児(特別支援)教育に携わっているのですが、今でも毎日の教育実践の土台となっているものが大学の時に全障研で学んだ「発達保障理論」です。
ただ、ブレの無い生き方をしたいと思いながらも、揺れてしまう自分を感じる事が多いのは私も同じです。YOUさんと同じ世代の1人として、エールを送りたいと思います。

 コメントありがとうございます。私は、障害児教育の道にすすまず、しがない雑誌の編集者ですが、仕事のかたわら、この問題に直面したり、つれあいが障害児学校に勤務していますので、家で、そこそこ、話し合ったりしています。
 特別支援教育をめぐっても、難問は少ないありませんね。つれ合いの現場では、とくに聾学校や肢体不自由児校の統廃合問題が深刻です。
 私自身は、田中昌人先生の傍流みたいな感じですが、発達保障論は、生き方、ものの考えた方の1つのベースになっています。
 今日、茂木先生の岩波新書が出たので、買ってきました。久しぶりに茂木さんの本も読んでみようと思っています。

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