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2007/12/16

ワーキングプアⅢ

 メディアのあり方もふくめいろいろなことを考えながら、この番組をみた。

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 去年2回にわたって放送したNHKスペシャル「ワーキングプア」は、日本で拡大する“働く貧困層”の実態を伝え、大きな反響を呼んだ。今回の「第3弾」では、海外にも取材を広げ、問題解決に向けた道筋を探る。
 ワーキングプアの問題は、グローバル化が進む中、日本と同じように市場中心の競争を重視する世界の国々でも、今や共通の課題となっている。非正規雇用が急速に拡大する韓国では、低賃金の生活に耐えきれず自殺者が続出している。世界経済の中心・アメリカでは、IT企業のエリートまでもが海外の労働者との競争に晒され、低賃金に転落している。
 こうした国々では、問題解決に向けた対策も始まっている。米ノースカロライナ州では、地域全体で医療関連産業とその人材の育成に取り組み、ワーキングプアのための新たな雇用を創出した。貧困の連鎖が進むイギリスでは、子どもから大人まで手厚い保護の網を張り、国を挙げて貧困の撲滅に乗り出している。そして日本でも、ようやくこの問題を「社会の責任」と受け止め、ワーキングプアの人たちを支えようと模索する地域や企業も出てきている。
 番組では、世界と日本の最前線の現場にカメラを据え、直面する課題と解決に向けた取り組みを追う。そして各国の識者の提言も交えながら、ワーキングプアの問題とどう向き合うのか、もう一度、国民的議論を呼び起こす。

 地域と企業がむすびつくことはそのとおりであるが、そのことだけで解決がはかられるのだろうか。イギリスのとりくみは、ブレア政権(当時)の目玉であったわけで、社会的な排除の状況をつくらないという理念もふくめ、学ぶべきことは多い。しかし、その政策も新自由主義的な政策とセットでそのせめぎ合いのなかで行われている。番組での作り手は、そのこともいささか意識しながら、さまざまな社会的な議論も考慮して、つくっているのだは感じさせる。日本の釧路市のとりくみもそこのとは言え、現在の「自立支援」政策の現状の限界を、”善意や犠牲では解決しない”とうまく告発している。
 なぜ、日本でワーキングプアが広がるのか。グローバル化ということだけでその根源をついたことになるのか。政治の責任ということは、この番組でも感じさせられる。が、その政治とはどんな政治なのか、たんに対策がおくれているということで、その解決の展望が見えるのだろうか。教えられることは多い、しかし、婉曲した表現も多く、不満もたくさん残った番組だった。
 救いは、社会から排除されようとしている人たちに生まれている、連帯のとりくみであるのだが。そこにとどまってはいけないことは、先の発言でも明らかではなるのだけれど。

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» ワーキングプア III [社民党躍進を祈るブログ]
昨晩、NHKスペシャルのワーキングプアIII〜解決への道〜を見ました。ワーキングプアは「人ごと」ではなく明日自分の身に降りかかる事態かもしれないこと、ワーキングプアは「社会との繋がり」という重い問題とリンクしたテーマであること、日本政府はワーキングプアに対し無策であることを実感しました。紙屋研究所のNHKスペシャル「ワーキングプアIII 解決への道」の感想には、その内容が掘り下げてあって非常に参考になりました。小泉ネオコン政権から続く「資本サイドの政治」の一本槍から路線変更ができない「自民党」、「資... [続きを読む]

受信: 2007/12/17 11:59

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