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2007/12/20

南京事件論争史

02948162 ここ5日間ほどで夢中になって読んだ本。それなり専門的な本でもあるが、わかりやすく、読みやすく書かれている。おすすめの1冊である。
 この本を読めば、南京事件について歴史学のうえでは、どのような努力と解明があり、その到達点がどこにあるのか。それに比して、歴史学の到達を無視したような、論争が否定派から政治的な意図をもってもちこまれた、その背景た、否定派の議論のトリック、浅薄さがよくわかる。読んでいて興味深かったのは3点。1つは、否定派の原点としての東京裁判の審理と、ここで何が確認されたのかという問題。これはいまの論争、否定派の底の浅さを理解するうえでも面白かった。第2点は、歴史がどのように、資料を収集し、この事件の全体像を明らかにしたのかという点。そして第3点は、洞先生や藤原先生、そして笠原さんや吉田さんなどに代表される、この問題にとりくんできた歴史家の、学者としての姿勢、誠意という問題。いったい学問というのは何のためにあるのかということは、こうした現在の時代状況、思想状況だからこそ問われてもいい。非常にコンパクトに凝縮された本の内容を、短く紹介するのはかなり困難だけれど、ぜひとも広く読まれてほしい1冊である。

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コメント

ご無沙汰しています。私のブログは、仕事と一体のものにせざるをえなくなったのですが、これまで同様、よろしくお願いします。

この本、本屋でみつけたのですが、財布と相談して図書館待ちにした一冊です。YOUさんが編集されたのではないか、と推測している雑誌対談では、「ただ紹介されている」という印象だったので、余計に読みたいと思っていました。
考えてみれば、「盧溝橋事件」の70周年と「南京事件」の70周年が同じ年だということ自体が、この戦争の狂乱ぶりを語っているように思えました。

よく学んでみたいと思っています。

 ずいぶんのご無沙汰です。激励のコメントをブログにつけようと思っていたのですが、機会を逸しました。たいへんな仕事ですが、がんばってくださいね。自分のことばで語る若い世代のとりくみに注目したいし、学びたいと思っています。
 そうそう、私の編集した座談会の感想もぜひ葉書でお寄せ下さい(笑い)

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