増税論議が語らないこと
引き続き増税論議が華やかだ。税調に続き、今日は自民党だ。
2010年代の社会保障財源確保に消費税10%程度必要=自民財革研(朝日新聞)自民党の財政改革研究会(会長:与謝野馨前官房長官)は21日、少子高齢化の進展で増大が避けられない社会保障給付の財源として消費税の活用を明確に位置づけるとともに、団塊世代が年金受給者となる2010年代半ばを目途に年金給付などの安定財源を確保するには、消費税10%程度の公費負担が見込まれると消費税率を明記した中間報告をとりまとめた。
自民党では、今後、財革研のとりまとめを年末に向けた党税調の議論に反映させる方針だ。……
中間まとめの実物は、ここ。http://www.jimin.jp/jimin/seisaku/2007/pdf/seisaku-026.pdf
結局、増税が不可避だとの世論j誘導を、いろいろな回路で広げようとする。社会保障の予算のためには、増税だと、どんどんその路線を敷いていく。
ところが、共通して語られないことがある。
ちょっと考えれば分かるが、最近の、防衛(軍事)利権についてはなぜ語られないのだろうか。山田洋行のグアム利権の問題をはじめ、米軍再編はまさにたかりの構造である。にもかかわらず、その莫大な予算措置については語られることはない。
日米安保戦略会議、日米平和・文化交流協会などを舞台にして、いま議論されているのは、MD=ミサイル防衛である。MDについては、パトリオットミサイル(PAC-3)やスタンダードミサイル( SM-3)のほか、多様なレーダーやセンサーのシステムによって構成される。ハードとともに、情報を統合するソフトも複雑である。ところが、そのほとんどが、「闇」のなかにある。イージス・システムの一つをとっても、日本の自衛隊に配備されるものが、アメリカの技術革新のどの段階の、どういうものであるかなど、まったくわからないのだ。防衛技術本部のHPには、いろいろな評価の資料が載っているが、少なくとも一般に人間には理解できないような内容である。おそらく、専門家が見ても、肝心の技術の核心部分は語られていないのだろうと思うが。
ここに利権が存在しているのである。
だいたい、ほんとうにMDは必要なのか。意義があるのか。何も議論されていないし、議論される資料もない。
GEの関与を発端に、逆ロッキード疑獄の様相ということがメディアでも語られるようになりはじめている。どうも、軍産共同体のアメリカのほうが、軍事産業の監視は厳しそうである。山田洋行だけではなく、たとえば、三菱Gのような日本の軍需産業にメスは入るのだろうか?
じわじわした増税議論に流されないで、もう一度予算のありように目を向けるべきである。軍事費はその大きなポイントになる。
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