守屋前次官と妻逮捕、389万円収賄容疑・東京地検
守屋前次官と妻逮捕、389万円収賄容疑・東京地検守屋武昌前防衛事務次官(63)が在任中、防衛専門商社「山田洋行」元専務、宮崎元伸容疑者(69)から職務にからむわいろとして、妻とともに計389万円相当のゴルフ旅行接待を受けたとして、東京地検特捜部は28日、守屋容疑者と妻、幸子容疑者(56)を収賄容疑で逮捕した。特捜部は、守屋容疑者が防衛装備品調達などで宮崎容疑者が有利になるよう様々な便宜を図ったとみて、防衛利権の不正解明を進める。…
国会では、守屋容疑者と額賀氏の証人喚問をめぐって、自民・民主で、どろどろした攻防が続いている。宴席に参加したかどうかという話だけにとどまらず、CXの導入も含め、軍事利権をめぐる本質に議論と解明がすすんでほしいものだ。その先には、もっと大きな「闇」があるのだから。
ただ、この守谷逮捕をめぐっては、かなり構造的な問題がいろいろな角度から光があたりはじめているのも事実。
たとえば、『FACTA』というネット雑誌の2007年12月号の [「軍略」探照灯]で、 田岡俊次さんが、おもしろいことを書いている。
まず、守屋のようなタイプの官僚が、防衛庁のなかで実力をもつにいたったかの背景について、「政府委員制度」廃止の弊害という指摘をしている。政治家優位の状況下では官僚の仕事の中で、法律論に強い官僚より、根回しの実力派が組織内で力を持つようになり、新しく政官財の癒着の温床が生まれたということだ。
田岡氏の文章のなかでもうひとつ注目したいのは、もちろんこれまでも指摘されていることだが、山田洋行が防衛庁にパイプをつくるうえで、かつて自衛隊の幹部だった田村秀昭(航空幕僚監部装備部長や航空自衛隊幹部学校長を歴任)元参議院議員だったこと。宮崎氏は彼の有力な後援者であったわけで、守屋氏が山田洋行と結びつく過程には、田村氏の仲介はなかったのか?という点。田村氏といえば、かつても防衛庁汚職の際には名前が出た議員でもある。そして、大事なことは、その田村氏は、小沢一郎民主党代表の、「2番機」と言われるような経歴の持ち主であることだ(新生党―新進党―自由党―民主党と行動を共にした。最後は国民新党)。
どうも政官財の癒着には、民主党の影もちらつく。民主党はみずから、そういった影に光をあてるべきだ。
田岡氏の指摘の通り、さらに大きな問題としては制服幹部の防衛産業、商社への天下りがあるのだから、政官財の癒着という点では、山田洋行にとどまらない、もっと大きな「闇」がありそうだ。ミサイル防衛はどうなのか。
ことは予算審議の根幹にもかかわる性格の問題でもある。そのことを、あいまいにして、増税や社会保障の切り捨てなどがすすめられることは、許されない。
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