いじめの議論を少し漁る?
少し”いじめ”についての本を漁る(笑い)。
この『〈いじめ学〉の時代』を書いたのは、『いじめの社会理論』で一世を風靡した内藤朝雄さんの新刊。『いじめの社会理論』は、とっつきにくくて、読めなかった。それで、入門書である、この本を読んでみた。が、うーん。着想や問題意識は、否定しない。あるいじめの種類の、一つの側面を突いているとは思う。そのことそのものは、ちゃんと学ぶべきものは少なくはない。中間全体主義という言葉などを使っているが、社会のメカニズムとしていじめに向かう特徴に焦点をあわせるのは結構面白い。だけど、それが、いま私たちが、とくに子どもの問題で直面している、さまざまな顔、様相を見せるいじめのすべてを説明しているのかは、疑問。本人の重層、さまざまな要因がいじめにはあるとは言っているが、その構造そのものも多彩であろう。そうだからこそ、子どもの時期の特有のものにも、焦点をあわせないといけないのではないのか。
対処の方向という点になると、極端に俗っぽくなってしまう。警察の導入などは、形を変えたゼロトレランスとも言えなくもない。とくにこの本は自分の体験をもとにしているだけに、主観的な言い回しが多くって鼻についてしまう。
ただ、極端な言い方をすればゼロトレランスにしても、理屈はあるわけだからこそ、大事なことは、どう議論をすすめるかにあるのだと思う。刺激的な問題提起は問題提起として、学ぶところはあるのだろうとは思うが…。
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