全盲の弁護士 竹下義樹
生活保護の問題を詳しく知りたくて、いろいろ読んでいる。そのなかの1冊がこの本。90年代以後の、生活保護裁判をリードしてきた弁護士さんだ。朝日訴訟は、少しは知っていたが、堀木訴訟をはじめ、その後の訴訟はあまり知らないでいた。柳園訴訟、林訴訟、高訴訟、佐藤訴訟…。実は、現在の「貧困」の問題で出されている論点は、ここですでに提示されている。
日本初の全盲の弁護士はいかにして誕生したのか.点字の六法全書もない状況から,司法試験の点字受験を実現させ,その最初の合格者となったのは,多くのボランティアに支えられながら奮闘を続けた竹下義樹という男だった.盲人のかかえるハンディキャップを乗り越え,社会的弱者のために闘う弁護士の,感動のドキュメント
本そのものは、この弁護士の反省を丁寧に追ったものだ。割合といい加減なところから、はじまって、どんな障害をも前向きの思考で乗り越えていく竹下さんの姿には、やはり頭が下がる。自分なんて、まだまだひよっこだ。
そんな本のなかで、わりあい身近な人物も登場していた。竹下さんが司法修習生のとき、竹下さんを支えともに歩んだ弁護士は、私が予備校に通っていたときの友人だった。京都らしい予備校における自主的な活動で、討論会をしたり、数学の勉強会をしたりしていた。弁護士になって、活躍していたのは知っていたが。そして、その彼や竹下さんと同期の修習生に、あの青山元弁護士がいて、親しかったことも驚きだった。
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