福田新内閣の発足
内閣として正式に発足するのは明日だそうですが。今日の国会で、福田康夫氏が内閣総理大臣に選出された。新内閣の顔ぶれは、と言えば、石破氏と渡海氏以外は、全員留任ないし横滑りである。前日には、幹事長に伊吹さんをはじめ、谷垣、二階、古賀氏の新四役が決定している。この陣容には、いろいろな解釈ななされている。伊吹、谷垣というのは、ディベート要員といえばそうだろうし、麻生氏に集まった「靖国」派との融和対策と言えば、そうなのだろうと思う。結局、この福田氏というのは、どういう政治思想をもった人なのだろうか。調整型という人という人もいれば、頑固な決断型という人もいる。
どうもつかみきれないので、福田氏の唯一の著作である、『一国は一人を以って興り、一人を以って滅ぶ』を手に入れて読み始めた。衛藤征士郎との対談である。基本的に、自民党の政治家らしい発言がちりばめられている。構造改革にしても、憲法改正にしても、その推進をうたっている。日米関係にくわえて多極的友好関係が必要だという主張であるが、しかし、その前提として、強固な日米同盟が前提となっていることは伺える。どうも、福田さんは、アメリカとの関係には自信が見え隠れする。
安倍内閣との違いは、「靖国」派的かどうかといえるのかと思えば、内閣の陣容を見れば、必ずしもそうとも思えない。アジア外交を重視しながら、「靖国」派との融和もはかる、バランス内閣とも読める。はたして、したたかな戦略家として、この自民党の難局を乗り越えようとしているのか。それとも凡庸な保守政治家として、オーソドックスな守りの政治で、民主党との妥協をさぐるのか。「背水の陣」内閣と自称するが、その先は、わからない。
とりあえず、テロ特措法は、新法へとすすみそうだ。多くのメディアも、新法を掲げることで、国際社会に派兵継続にむけた努力をしめしつつ、結局、通常国会にまで先延ばしされる公算も高そうだ。それが通用するのか。すべては世論が決める。はたして、特措法が切れた段階の11月に、世論は福田内閣jに、どんな評価を下すのか。そのためにも、この内閣が、あまりにも、はっきりしたアメリカ追随内閣であり、財界べったりの内閣であること、審判を受けた自民党政治の枠内にとどまる内閣であることを国民の前に明らかにする必要があるのだと思うのだが。
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