年収200万円以下、1千万人超える 民間給与統計
日本の社会で生じている問題を端的にあらわしている数字である。この9年連続というのが大きな意味をもつ。
年収200万円以下、1千万人超える 民間給与統計(朝日新聞)民間企業で働く会社員やパート労働者の昨年1年間の平均給与は435万円で、前年に比べて2万円少なく、9年連続で減少したことが国税庁の民間給与実態統計調査で分かった。年収別でみると、200万円以下の人は前年に比べて42万人増え、1023万人と21年ぶりに1000万人を超えた。一方、年収が1000万円を超えた人は9万5000人増加して224万人となり、格差の広がりを示す結果となった。 …
9年という期間の格差の拡大は、1つの社会の形をつくり出す。今日本には、どんな社会がつくり出されようとしているのか。そんなことを考えながら、二宮先生の『格差社会の克服 さらば新自由主義』を読み始めた。いま三分一ぐらい。
つらつらと格差という問題と貧困という問題を考える。この問題にかかわって、本屋で膨大に積まれている、さまざまな本について考える。すべてを読むことはできないが、どうもうさんくさい本も多そう。たとえば、『ニートってよぶな』の後藤和智さんが三浦展『下流社会 第2章』について批判している。http://kgotoworks.cocolog-nifty.com/youthjournalism/2007/09/tryspecial_2_9ffd.html
まあ、三浦氏の議論は、後藤さんの言うとおりである。同時に、こうした議論がなぜ生じるのかについて、少しメスも入れたいところ。格差という問題のとらえ方、貧困という問題の角度、それを単に社会現象ということではなく、社会の構造の問題、運動の側から見えれば、労働の問題と人権の問題、もう少ししぼれば社会参画の問題など、ちょっと議論を整理してみたい。まずは、上記の統計結果を、各方面はどう受け止めるのだろうか。さて、どこから手をつけようか。
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