新自由主義って何だ???
あいた時間に読み進めているのが、このハーヴェイの『新自由主義 その歴史的展開と現在』。これがやっかいな本である。翻訳がわかりにくいというのもあるけれど。帯には次のような説明があった。
新自由主義とは、「市場の公平性」こそが「倫理」であり、国家、社会の機能のすべて、人間の行為のすべてを導くことができる指針である、という教義である。1970年代以降、小さな政府・民営化・規制緩和・市場の自由化などを旗印にして、先進国から途上国までグローバルに浸透していき、思想的にも現実的にも21世紀世界を支配するものとなった。
では新自由主義とは、どうして発生し、どのように各国政府に取り入れられ、いかに各国民の同意をも取りつけていったのか? それは誰によって、誰のために推し進められてきたのか? そして世界をいかなるものに再編しているのか? 本書は、世界を舞台にした40年にわたり政治経済史を追いながら、その構造的メカニズム、その全貌と本質を明らかにするものである。
たしかに政治経済史の本としては、魅力的で、刺激的な本だ。新自由主義を類型別に、その契機を解説してくれる。しかし、もう一つしっくり来ない点もある。定義の問題もそうなんだけど、本書でいうように、定義は重要なことではない。
新自由主義は、その基本は経済政策にあるのではという問題意識もあるせいか。その背景には、資本の過剰蓄積があり、そのことが金融の投機とむすびつくなかで、世界の経済をどう変えたのかという問題意識も頭をもたげる。ならば、アメリカを軸におこなわれたことと、他の国ですすめられたこととは、意味も違ってきはしないか??
やはり、苦手な経済の分野。こりゃいかんなあ。本気で、勉強しないと。何か頭がごちゃごちゃしてしまう。
巻末の渡辺治さんの論考も、ちがった意味があるなあなども、もやもやしながら読んでいる。
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