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2007/08/04

竹信三恵子VS春原雄策

20070804102431 今日は、朝から東京経済大学でおこなわれていた、全国進路指導研究会の大会に行って来ました。おとといからおこなわれているのですが、なかなか忙しくて行けません。でも、なんとか時間をつくって。いろいろな人の話を聞いて、栄養をつけないとやはりこの仕事はやっていくことはできません! そういうことをしない人が、結構いるのですが、意識的に視野を広げたり、刺激をうけたりしようとしないと、企画なんて生まれません。夏は、絶好のチャンスなんだけどねえ。

 さて、東京経済大学は国分寺の駅から歩いて結構あります。暑かったので、到着するまでに結構へばりました。ちょうどオープンキャンパスをやっていて、親子づれが結構いたのが驚きでした。いまどきの大学入試は、親子づれですか。自分の息子たちには、そこまで考えたことはありません(もっとも絶対にいやがるでしょう=笑い)。

 さて、全進研の午前中の企画内容は、朝日新聞の労働担当編集委員の竹信三恵子さんとNHKの「ワーキングプア」などのプロデューサーの春原雄策さんの対談です。以外にというか、想像以上に、刺激的で、面白かったです。
 NHKスペシャルやクローズアップ現代のプロデューサーの春原さんのほうは、番組はたくさん見ていますが、しゃべったり、書いたりしたものを見たことはまったくありません。すくれた人だなあというのが率直な、感想です。対談では、現代の労働をめぐる3つのキーワードをまず対談者があげるのですが、春原さんは、「ワーキングプア(ただしこれは主催者指名)」「自己責任」そして「マネー」をあげました。しかし、このワーキングプアという企画を彼らがすすめるさいの最初の企画は「日本の貧困」ということだったそうです。「格差社会」という言葉への違和感から「貧困」の現場を徹底して取材し、番組の制作の段階で、「働く貧困」にしぼりこんで、その他の取材については、「生活保護」など他の特集に振り替えたそうです。ここには、なるほとと思わせるたしなか視線があります。
 おもしろかったのは、さすがにがちがちの組織ジャーナリズムの人間としての建前と本音です。竹信さんとの対談ということもあり、結構本音の垣間見えるのですが、しかし建前もきっちりしゃべります。政治からの介入などはないのかの質問にも、NHKは結構自由にできるとさらり。そのさい、真実は単純に1つしかないわけではく、両論を並べながら、問題の本質について視聴者に接近してもらうようにするという主旨のことをのべられていました。たしかに、ワーキングプアⅡのさいにも、内橋さんや岩田正美さんとともに、八代さんなどを登場させていたし、彼が担当した最近の番組に、このブログでも紹介した、クローズアップ現代の沖縄戦の番組あるのだけど、そこでも、大城将保さんや林博史さんとともに、つくる会の藤岡さんを登場させていた。しかし、番組の視点は、はっきりしていて、やりようによってはいろいろできるんだというのが彼の本音の部分なんだろうなということを感じさせた。
 だから、春原さんは、「従軍慰安婦」問題のNHKの番組にかかわる部分では、担当者のすすめ方が悪かったととも考えているようでもある。たしかに、やりようによってはいろいろできるんだという彼の主張は、十分に実践されているとも思えるが、同時に、より本質的な問題にふれようとしたとき、はたして、どこまでジャーナリズムの精神を発揮できるのだろうかなどは、少し考えてしまう。自主規制という諸刃の刃でもあるのではないのだろうか。

 竹信さんが選んだキーワードが、「ワークライフバランス」「エクゼンプション」そして「偽装請負」。これだけでも、彼女のセンスを十分感じさせてくれる。彼女のような人の書くものや発言は、私のような人間からすれば、共感をもちつつ、どうしても警戒心?を感じてしまうところがあるのだけど(どうも主観的すぎないかなど)、結構、意外な面があるんだなあと、思えた対談だった。
 会場とのやりとりでも、なかなか展望を見いだせない実践家に対して、「大人の敗北主義はダメ」という強い言葉には、すごく共感したし、閉塞感が強まり、労働現場がまるで19世紀のようになっている状態の中で、もはや「革命しかないのでは」という質問に対し、まず春原さんが、「若のもの中に、閉塞感から戦争を求めるような声があるのは注意が必要。まず、事実を共通することが大事」という見事な回答に加え、彼女が、「つながること、連帯することが大事で、小さいけど、その芽があることが大事なんだ」というような発言をしたのは、なかなか。

 まあ、NHKや朝日には、いろいろ言いたいことは山ほどあるけれど、こうした人たちの知恵や経験からは、山ほど学ぶべきことはあって、なかなか充実した2時間でもあったのだった。
 ワーキングプアは年末に第三弾を放映するという。これも期待して良さそうだ。

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コメント

雇用問題を重視する人は、情勢によっては社民 (または共産) に投票すべき

衆院選での投票先調査で、特に社民党が伸び悩んでいるようです。
自民・公明に愛想をつかした人が民主に流れるのは、結構なことです。
しかし、元々社民 (または共産) 支持の人が民主に流れるのは、場合によっては良いことではありません。

雇用問題を重視する人は、投票時に最新の情勢を判断し、比例区では
(1) 自民・公明に対し民主が確実に優勢でない場合は民主に投票し
(2) 自民・公明に対し民主が確実に優勢である場合は社民 (または共産) に投票した方がよいでしょう。

現実問題として、民主党の中には保守的な議員も多くいます。
連立を組む社民党議員が減少し、民主党が単独過半数を超えると、
民主党が保守化する懸念があります。

この点は要注意です。たとえば、
民主・社民・共産各党の本部・各都道府県支部・各衆議員候補・各参議員に対し、
技術者等の非正規雇用禁止を希望するメールを送ったところ、
社民党の都道府県支部の一つからは、次のような回答がありました。

> メール有り難うございました。
> 民主党のマニフェスト内容で「原則として製造現場・・・・派遣を禁止」についても、押し上げるのに大変でした。
> 民間大企業の労働組合は、多くは旧同盟系が主流なので、「製造現場への派遣の禁止」には、かなりの抵抗がありました。
> 社民党の踏ん張り抜きには出来なかった事項ですが、指摘された「技術者等の非正規雇用禁止」はかなりの協議が必要かと思います。
> 派遣労働そのものを禁止する状況に引き戻すには、専門業務以外はしっかりと派遣を禁止することをガードすることが、まず重要と思います。
> 政権交代は確実です。社民党は、雇用、平和で民主党のブレを引き戻し、闘いながら政権内でガンバルことが役割です。
> 今後とも、意見をメールして下さい。

これによれば、社民党の発言力が弱くなると、非正規雇用対策が後退する恐れがあると考えられます。
したがって、雇用問題を重視する人は、情勢によっては社民 (または共産) に投票すべきでしょう。
賢い有権者なら、戦略的に投票しましょう。

この件は特に強調していただきたいと思います。

以上、自民・公明に対し民主が圧倒的に優勢である場合に考慮すべき話です。

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