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2007/08/21

テロ特措法と国連決議

 洋さんのブログを読んでいたら、「アフガンでの米国の軍事行動は安保理決議にもとづくものか?」という書き込みをしていた。20日毎日新聞の社説にひっかかったようだ。
 問題なのは社説の以下の部分。

 9・11テロの翌日、国連安保理は「必要なあらゆる措置」を取る用意を表明した決議1368を採択した。同月20日、ブッシュ米大統領がテロの首謀者ウサマ・ビンラディン容疑者らの引き渡しをアフガニスタンのタリバン政権に要求する。同月28日には、国連憲章に基づく個別的及び集団的自衛権を再確認し、テロ資金を封じる国際協力などを盛り込んだ安保理決議1373が採択された。  そして10月7日のアフガン攻撃に至るのだから、個別的自衛権の発動とはいえ、国際的な根回しはあったと思う。民主党の小沢一郎代表は、米国の攻撃が国際社会の明確な同意(国連決議)に基づかないとしてテロ特措法の延長に反対しているが、この論法で押し通すのは無理だろう。

 洋さんの疑問は、彼のブログを読んでいただくとして、なるほど彼の疑問は正当だし、あらためて決議1368などがいま引っ張り出されているのかということに正直おどろいた。だいたい、アメリカのアフガン攻撃の根拠は、いたって簡単で、個別的自衛権の発動である。個別的自衛権の発動である限り、安保理決議はまったく必要にはならない。当時の国際社会は、この個別的自衛権の発動について、テロという事件の衝撃があまりにも大きかったため、十分な議論がなされなかったという印象が強い。NATOの参戦も集団的自衛権の名で行われている。
 日本がインド洋に行く際などに、日本政府は、何らかのお墨付きを求めるためんび、くり返し出してきたのがこの決議1368であったと記憶している。かなり、恣意的に日本政府の手によって語られた決議1368の解釈?が、また復活しているということなのだろうか。もともとの原型は、「米国における同時多発テロへの対応に関する我が国の措置について」――ここにある。

 もちろん明確な形とは言えないにしても、国際社会は、このときの教訓を学びながら、平和の秩序を、どう法と正義によって、うち立てていくのかということについての模索を一歩、一歩、すすめている最中にあるのだと思う(それはイラクの事態もふくめ。そして、北朝鮮でのとりくみもふくめ)。
 こうした、日本の政治や大手メディアの流れのお粗末さには、正直、驚いてしまう。テロ特措法の延長問題は、たんなる政局ねたではなく、国際社会のありように日本がどうかかわっていくのかという問題――そういう視点で、秋の国会も見詰めていたいとは思うが。

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