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2007/08/20

地方公務員に「心の病」急増

 なるほど、いまの時代をよく現しているニュースであるような気がします。

地方公務員に「心の病」急増 職員数3000人以上では約8割(読売新聞)

 社会経済生産性本部が全国の自治体を対象に実施したアンケート調査によると、最近3年間で半数近くの地方自治体で、うつ病などの「心の病」を抱える職員が増加傾向にあることが分かった。
 調査は4月、全国1874の自治体に実施され、727自治体が回答した。「この3年間で(職員の)心の病が増加した」と答えた自治体は47・7%に達した。職員数が1000人~2999人の自治体では64・7%、3000人以上では78・6%と、規模が大きい自治体ほど、その割合は大きくなっている。
 「心の病」による「1か月以上の休業者」がいる自治体は53・4%だった。年齢別では、「30歳代」が34・4%と最も多く、次いで「40歳代」が30・8%、「50歳代以上」が16・6%と続いている。…

 実は、社会経済生産性本部のHPに詳しい調査結果がアップされている。この団体は、一貫して職場のメンタルヘルスに警告を発してきた団体である。http://activity.jpc-sed.or.jp/detail/mhr/activity000827.html

 調査では、「進む仕事と職場の変化 ~住民の行政を見る目が厳しくなっている」と指摘する。「1.9割以上の自治体(94.6%)で一人当たりの仕事量がかなり増え,7割の自治体(71.8%)において,個人で仕事をする機会が増えている.さらに約5割の自治体で,職場のコミュニケーションの機会が減り(52.4%),職場の助け合いが少なくなっている(48.8%).その一方でほとんどの自治体(97.6%)で,住民の行政を見る目が厳しくなっていると感じている」というのだ。
 そして何よりも「職場での助け合いやコミュニケーションが減少している自治体ほど増加傾向」と警告する。「職場での助け合いが減少したという自治体においては,[心の病]が増加傾向にある割合が56.3%にのぼっている.職場での助け合いが減少していない自治体においては[心の病]が増加した割合は39.7%にとどまっており,その差は16.6ポイントである.また,職場でのコミュニケーションの機会が減少したという自治体においても,[心の病]が増加傾向にある割合が54.3%で,減少していない自治体(40.7%)との差は13.6ポイントになっている」という。
 提言は以下の内容だ

 [心の病]の増加傾向を抑えていくためには,今後の自治体行政のあり方をどういう方向で地域住民とともに創り上げていくのか,そのビジョンを全員でしっかり共有していくこと,組織内外の人のつながりの構築と,それを含めた意味での一人ひとりの働きがいに焦点を当てた活力ある風土づくりをいかに進めていくかが喫緊の課題である.

 実は、これらのことは、公務労働の本質にもかかわるような気がする。公務員の労働の「質」が、いつのまにか本来のあるべき姿かた、かけ離れてしまってはいないのか。「効率性」「成果」の名で、住民の生活や福祉の向上に貢献する公務労働の専門性や公共性が削られてはいないのか。職場ごとの詳しい実態にも目を向ける必要があるが。重要な警告であるような気がした。

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