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2007/07/19

特別支援教育ですすめられていること

 職場を離れて数日仕事をして、また職場にもどってくると、結局、仕事がたまることになる。今週は、今週でいろいろ忙しい。昨日は、市ヶ谷あたりの大学をうろうろ(工事中で結構、構内を迷った)。今日は、国立の大学をまたうろうろ。話をして、いろいろ問題意識を膨らませる。

 さて、家庭でもいろいろ事件が起きる。その大きな事件が、一昨日の東京都教育委員会の「東京都特別支援教育推進計画 第二次実施計画の骨子(案)」なるものの発表。すでに、都教委は、第一次計画の段階で、障害児学校の寄宿舎を2004年11舎から2015年度5舎へとの廃舎計画が、出されていたが、今回の第二次計画(案)
では、江戸川養護学校と立川ろう学校があげられている。ちなみに、江戸川の方は、小岩養護とあわせて、同敷地に、知・肢併置の江戸川地区特別支援学校を設置する計画。つまり、つれあいの職場がなくなるという話だ。

 特別支援教育というのは実施される段階にいたっても、必ずしも定義がはっきりしたことばではない。建前上は、発達障害などさまざまな教育的ニーズにこたえるようなものにしていくということ。ここで、もちだされるのが適性配置だとか財政の効率的運用という言葉。財政が限られているから使い方を変えるという論理である。だが、明らかに、ここには論理のすり替えがある。教育的ニーズが高まれば、それを実現するには教育予算の増額しなありえない。障害児学校の寄宿舎は、これまでの歴史のなかで、その条件をいかした実践ですぐれて教育的価値をつくりだしてきたとは言える。現実に、重度の障害や、生活上の教育的なニーズをもつ子どもたちの発達を保障する場として、重要な役割をになっている。こうした教育的ニーズを、あえて覆い隠す言葉として、適性配置というものが使われる。

 かならず、そこで、持ち出されるのが、行政がそこまでやるのかという論理。しかし、障害をもつ子どものニーズにこたえるのは、あくまで社会的な責任ではないのか。こうした教育の場が奪われることが、教育全体をどう歪めることになるのか。少なくとも、弱者を切り捨てる教育は、よりいっそう教育の格差を拡大する。いま、教育財政をめぐってもちだされる論理の正体は、そこにある。そのことを説得的に語る言葉がいま求められていると、つくずく思うのだ。

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コメント

こんばんは。初めまして。
「特別支援教育推進計画二次案」で検索&ヒットしてきました。
この案は、どうひいき目に見ても、子どもたちのためになっているとは、思えません。
そして、当事者の私たちは、一度だって、希望を聞いてもらった覚えはありません。
なんとか、撤回させたいと思っています(;。;)

 いつもつれ合いがお世話になっています(笑い)。私は、障害児教育は専門外ですが、まあ専門?の教育行政の視点から、東京のこの「特別支援教育推進計画」については、外から、何か発信できればとは思っていますが。つれ合いは、職を賭けて、なんてえらそうなことを言っていますが、まあ、こちらはこちらなりに、いろいろ思うところはありますけど(苦笑)。職を賭けるということは、まず「専門性を問う」ということでしょうね。

こんばんは。
いやあ、世の中、せまいですね。
オドロキです。

ところで、トラックバックって、どうやってするのかわからなかったので、こちらにURLを貼らせていただきます↓↓

http://d.hatena.ne.jp/edoyou/

まちがっていたら削除してください。

 不信人物じゃないですよ(笑い)。寄宿舎のAさんやYさんはすぐ分かったそうですよ。そう驚かないでください。だいたい、なんらかの関係者じゃないと、あんな書き込みはしないでしょう(笑い)。トラックバックについては、説明がめんどくさいのでこのままにします。そのうち機会をみて、リンクします。

 ブログは天下に公開するわけだから、そのあたりをどう工夫するかでしょうね。インクルーシブな教育というような障害者の権利到達点のなかで、特別支援教育がいったいどうなっているのか。いやはややっかいですねえ。難しそう。
 9月に発売される某雑誌に、国連障害者の権利条約についての論文が掲載される予定ですので、こうご期待です(爆)。

あははー(^o^)
「寄宿舎のことまでよく知ってる人だなあ」と感心していたのですよ。
しかも、友だちにまで「雑誌の編集者の人ですごい人がいるよ!」って、話しちゃった(笑)

 すごいのは、やはり「家庭的責任をはたす」ことでしょうか(笑い)。寄宿舎指導員の父ちゃんという世界もあります(爆)。

 正念場のたたかいは長くて短いたたかいでしょうね。メディアの人間としても、当事者の家族としても、何ができるか、考えなければとは思っていますが。土曜は職場。日曜は、全障研大会をのぞきます。

始めまして.ニフのトップにあって飛んできました.

俺の母校が貝塚養護学校だったもんで,こういうタイトルには敏感なんです.その時に一度来てます.
俺の学校は無くなる方向にあるようなので,世の中全部そうなんですね.
俺も守る会なんかに入っていても何もしていないように,ブログ一つでは何も変わらないんだろうと思うんですよ.
この流れも理解できるから.記事にあるような考え方も理解できます.

とにかくあきらめないことが大事みたいなので.
失礼します.

 はじめまして。
 昨日、参加した全障研大会でも、貝塚の先生が署名をとっていました。今日、少し書きましたが、適性配置などの名目で、すすめられることは、教育予算の削減によって、困難にある子どもたちの教育の機会を奪うこと以外なにものではないと、激しい憤りを感じます。
 おっしゃるとおり、あきらめないことですよね!

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