「慰安婦」問題と中国の変化
今日のいくつかの新聞に載っていた記事ですが。
「慰安婦制度、終戦後も続く」=弁護士協会が初調査-中国(時事通信)
中国の中華全国弁護士協会は3日までに、旧日本軍による従軍慰安婦に関する初めての調査結果を公表した。山西省で16人、海南省1人の計17人の元慰安婦が今も生存しているとしたほか、終戦後も残留日本兵が山西省太原市に設立した慰安所は少なくとも1947年まで存在。調査は「慰安婦制度は日本軍の敗戦後も続き、16年間以上継続したことになる」と結論付けた。
日本の新聞よりも、韓国の新聞が、かなり注目した論評をしています。朝鮮日報などは、【記者手帳】中国の遅すぎた「慰安婦報告書」など、きびしい論評です。
中央日報は、「中国、日本軍従軍慰安婦被害事例関連で初めて報告書」という記事です。
私が、注目するのは、中国の変化という点です。これまでは、中国においての戦争責任問題は、どちらかといえば、反日・愛国を目的としたものといううけとめが日本でも強かったように思いますが、中国では、個々の被害者の実相によりそった議論や、そのための訴訟の支援という点では、なかなか理解が広がらず、正直言って、さまざまな困難があったようです。それが、ここ数年、個々の被害の実相への理解、認識が広がってきているのではという変化です。たしかに、被害者が90年代に声をあげたことを考えれば、遅すぎた報告書ということは言えるのかもしれませんが、これは貴重な変化なのかもしれません。
中国には、まだまだ埋もれたままとなっている、被害は少なくないと想像されます。日本では知られていないこともあります。今度の報告書にある、山西省の残留軍による慰安所の維持なども、よく知られていないことなのではないでしょうか。その意味からも、注目すべきことなんだと思います。
ちなみに人民日報の電子版はhttp://j.people.com.cn/2007/07/03/jp20070703_73134.htmlです。
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