パッチギ!的-世界は映画で変えられる
昨日、日曜出勤の途中、激しい雨に降られて、ずぶぬれになってしまった。それがいけなかったのか、昨夜から、久しぶりに少し熱が出た。ただ、今日は、職場で当番もあったし、ちょっとした用事もあったので、何とか朝方に、薬を飲み、とくかく汗をかいて熱を下げて出勤した。したがって、体調も気分も絶不調の一日。それでも、いくつかの仕事をこなして、やっと帰宅…。
さて、今朝は、新聞がない日だったので、電車のなかで、シネカノンの代表であり、映画プロデューサーの李鳳宇さんのこの本を読み終えた。「パッチギ!」の世界がそこにあった。なぜ、この映画にこれだけひかれるのか。その訳を説き明かしてくれる。久しぶりに面白く、こころ揺さぶられる本で、一気に読み終えた。
この本には、李鳳宇さんの生い立ちから、映画作りにかかわっていく過程がかかれている。その中身がそのまま「パッチギ!」である。かまえた政治的な発言ではなくとも、彼の人生は、そのまま政治の狭間にある。在日の歴史、そして南北の分断が刻まれている。なぜ、それに対しわれわれの日常は、かくも政治から遠くなってしまっているのか?
私が、見てきた映画、心を動かされた映画にこう李鳳宇さんがかかわっていることを示されると、やはり驚く。ケン・ローチしかり、ブラス、シュリ、JSA、是枝…。
同時に、打ちのめされる一冊でもある。彼は、私とほぼ同世代で、私より少しだけの世代。大阪で育った私にとっては、在日の世界はすぐ目の前にあった世界でもある。なのに、自分はこうも傍観者であったのか。そして、自分が、いまだ何をなし得ているのかということでも打ちのめされざるを得ないのでだ。
私は、信念とか、意思とかいう言葉は嫌いではない。世界は変えられる――その彼の「信念」は学びたいと思う。
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» 李鳳宇『パッチギ!的』 [奥さまは149cm]
たぶん、今の日本で最も有名な映画プロデューサーであろう
李鳳宇さんの自伝です。
パッチギ!的―世界は映画で変えられる李 鳳宇
ちびちび的プチ評:[emoji:i-280][emoji:i-280]
熱いおじさまが語る熱い現場の裏側がのぞけます。
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