特攻基地知覧
石原映画が上映されているが、このブログでも何度か特攻映画については書いたことがある。反戦平和の立場で描いたものであっても特攻を描くというのはむずかしい。その背景として、特攻というものについて論じることが十分に一般化していないことがあるのではないかと思う。いろいろ気になって、いくつか特攻について書かれているものを読んでみようと思って、まずこの本を読んでみた。
私が、特攻を語るうえで、考えてみたい視点は3つある。1つは、この特攻という、作戦を立案した側自身が統率の外道と言った作戦がとられるに至った戦争とはいったいどんな戦争だったのかということ。特攻は、日本の戦争t後無関係ではない。2つは、この特攻という作戦そのものの非常な性格である。そもそも、作戦が採用される時点で、アメリカの艦船に体当たりすることが何の軍事的な効果もないことは明らかだったし、沖縄戦の時点では、敵艦に近づくことすら不可能であることは明らかだった。3つは、誰がどのように特攻をになったのかということ。その兵士の姿である。自らを傷つけることで逃亡に近い行動をとるケースも少なくなかった。そんな兵士の生の姿である。
高木さんの本は、とくに後の2つは伝えられている。この切ない著作の感想は他の著作とあわせてまた後日。
余談だが、驚いたのは、特攻で出撃した兵士の家族に届けられる、感謝状など、実は届けられなかったり、2度も届けられたりするようなケースがあったということだ。このことって、何か現在の年金のケースに似ている。かつて、権力者は、兵士の命の重さなどにまともな関心をしめさなかった。それは、いまの権力者もしっかりと受け継いでいるとつくづく感じさせられた。
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