現代の貧困
感想をお約束しながら書いていなかったので。この本も、面白かった1冊。
とくにうなったのが、「不利な人々」の存在の指摘。つまり、構造的に現在の社会から排除されるような状態に置かれている層が、現実には存在するという指摘だ。「貧困」は「あってはならない」事態であるという主張が根底にある。そこから、実際の、貧困をめぐる政策の問題、日本の現実にある社会保障制度の欠陥や就労支援政策の弱点の指摘にすすみ、あるべき政策の方向を大きく提起する。
欧州では、貧困は、つねに「発見」されて来たとしてする。現実の日本社会は、排除しつづけてきたことは事実であろう。政策の視点も、著者は、社会的統合と連帯ということを強調する。ここはハッとさせられる。貧困の意味を問うことは、ある意味社会像を問いかけている。私にとっては、学ぶべき視点が多い一冊だった。
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