4月29日という日
さて、少し前になりますが、4月29日は、今年から「昭和の日」になりました。ほとんど、まともな議論もなく、決められたこの日。戦前、明治節という祝日が決められたのは、明治天皇が死んでから17年目だったというのはご存じでしょうか。昭和の日が決められたのは平成17年で、ほぼ同じぐらいの時期にあたります。
昭和の日ということに、違和感をもつ人は、多数ではなくても一定数はいるんじゃないでしょうか。戦争と侵略の時代と、その後の平和憲法のもとでの時代をひとくくりにして、記念し、「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」というのですから、理性的に考えれば、違和感をもつのはおかしくはないはずです。
しかも、この日をつくるために先頭に立った団体は、現在、「昭和の日」普及委員会というものをつくっています。
http://www.429jp.info/
というホームページがあるのですが、この団体の事務局がおかれているのが財団法人国民精神研修財団であることがわかります。やはり、その担い手は、皇室中心の日本という理念の持ち主であるのです。
新聞は社説を掲げましたが、どれも、批判的なトーンはありません。実は、28日に、紀元節問題といわれた当時から2・11集会を主催している団体が、「昭和の日」を考える集いというのをおこなっていて、行ってきたのですが、おどろいたのは、メディアの取材がまったくなかったことです。テレビカメラも一台もない…。どうして、こうした問題をとりあげないのだろうか。少なくとも、議論がなされずに、ただ事実だけが積み上がっていくことは、空恐ろしさを感じてしまいます。そんな、重い気分になった一日でもありました。
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