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2007/05/08

際限のない財界と政治の癒着はくり返される…

 今日は、朝刊と夕刊を見ていて、暗澹たる気持ちにさせられる。日本の政治は、かくも財界との強い癒着を断ち切れないものなのか。
 「政治改革」と称したことがすすめられた帰結は、3年前からの経団連による企業献金の斡旋の再開、それも、政党を政策で評価しての献金である。いいかえれば政策を金で買う買収にほかならない。企業による政治献金は、以降、野放しの状態に舞い戻ろうとしている。
 昨年来、その政治資金の「出」の問題の不透明さが、事務所費やあげくのはては水道光熱費という経常経費名目の不明朗さとして浮上した。その中身は、いっこうに明らかにしないで、政治資金規正法の「改正」なるもので決着をはかろうとされている。

 自民、「領収書」受け入れ 政治資金規正法案を提出へ(朝日新聞)  自民党は7日、政治資金管理団体の5万円以上の経常経費について、領収書の写しの添付を義務づける政治資金規正法改正案を今国会に提出する方針を決めた。同党内では領収書添付に異論が根強かったが、法改正に前向きな安倍首相の意向を受けた石原伸晃党改革実行本部長が同日、首相に添付を受け入れる方針を報告し、了承された。…

 しかし、だいたいここで規制する対象とされているのは、政治資金管理団体のみである。政治家の政治資金は、政党支部もあれば、後援会などその他の政治団体もある。ここに付け替えればすむだけの話であり、何の規制にもならないのではないのか。だいたい、領収書添付がうんぬんと言われるが、政治家は政治資金規正法を一度でも読んだことがあるのだろうか?現行の法律では、政治団体の会計責任者は、帳簿をつけ、明細および領収書を徴取することが義務づけられている。資金管理団体が、選管に報告するさいに、免除されているにすぎない。現行法でも、領収書はなければならないのだ!
 この点で、疑惑をもたれているというのに、上記のような「改正」案では、問題のすり替え以外の何ものでもない。

 そんなことに怒りを持っていると、今度は夕刊で、次のようなニュースだ。

自民、業界団体の選挙貢献度を査定へ 要望の扱いに差(朝日新聞)  自民党は、参院選に向けた業界団体の引き締め策として、同党への支援を数値化し、貢献度に応じて団体側の要望を政策に反映させる仕組みを導入することを決めた。執行部はすでに、党所属衆院議員らの貢献度を査定して人事に反映させる新たな党運営方針を決めているが、参院選対策での「成果主義」をより鮮明にすることで、票の上積みを図る。  執行部が検討している指標は(1)候補者への推薦の有無(2)団体役員による関連団体回りの実施(3)名簿や人員の提供(4)集会の実施数(5)党員獲得数――など。計約20項目を数値化し、貢献度をはかる。  対象となるのは運輸や食品といった約500の業界団体。医師会や漁連など比例区に組織内候補を出している団体についても「選挙区の候補者に対し、きちんと支援態勢をとっているか」などを材料に評価する。 …

 もちろん自民党の側からすれば、「構造改革」の推進による支持基盤の崩れという深刻な問題があろう。しかし、財界が政党を評価するというのなら、評価をする政党に、企業の側はもっと貢献しろと言っているともいえる。なんとも際限のない癒着の関係である。ここには、国民生活の改善などの視点は入ってこない。財界と自民党が一体となって、戦争する国に突き進み、格差を広げ、貧困を拡大する…。国民は、みずからが主権者であることを、選挙で、彼らに知らしめなければならない。

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