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2007/05/24

これで教育再生を語る資格があるのか

 先日の新聞にこんあ記事があった。

35人学級実現、教員給与3千億円増 中央教審特別部会(朝日新聞)

 中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の「教育振興基本計画特別部会」が10日、都内で開かれ、委員の小川正人・東京大教授が全国の公立小中学校すべてで35人学級を実現するには、教職員を約4万5000人増やす必要があり、給与支払額は年間約3000億円増えるとの試算を発表した。小川教授は「教職員の多忙な状況を改善するためには、こういう支出を検討する必要がある」と述べ、多くの委員も賛同した。 …

 OECDの加盟国は、どこも学級の編成基準は35人以下である(日本は40人)。日本は世界基準に遅れており、その基準に追いつくための試算である。
 問題は、中教審は公開が原則なのに、今後こうした問題を審議する小委員会は非公開にするというのだ。なぜか。

 どうも、官邸がこれに消極的であるようなのだ。

教育予算『聖域化せず』 首相、財政再建路線を堅持(東京新聞)

 安倍首相は二十二日午後の参院文教科学委員会で、来年度の教育予算に関連して「国が大きな借金を抱える中、国民に責任を果たしていくには財政再建を進め、行政改革を聖域なく進めていかないといけない」と述べた。
 教育予算をめぐっては、安倍内閣が教育再生を最重要課題に掲げていることから、与党内にも大幅な財政支出を求める声があった。首相の発言は、こうした要望を否定し、財政再建路線を維持する姿勢を明確にしたものだ。
…首相は「すべての行政分野で改革を行っている中、たとえ教育分野であっても直ちに(方針を)変更するというわけにはいかない」と述べ、予算配分で教育分野を特別扱いしない考えを表明。その上で「行革を進めていく中で、効率化を図りながらメリハリをつけ、真に必要な財源は確保していきたい」と述べた。

 教育にさまざまな議論があるが、少人数学級の効果は、これまでの調査でも、共通してはっきりしている点である。これに背を向ける安倍内閣に、果たして教育再生を語る資格があるのだろうか。

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コメント

「教育にさまざまな議論があるが、少人数学級の効果は、これまでの調査でも、共通してはっきりしている点である。これに背を向ける安倍内閣に、果たして教育再生を語る資格があるのだろうか。」
財政再建のために政府は,行政改革を進めています。行政改革により予算の削減があればいままでその公共事業に携わっていた人の職が無くなるということです。失業するということです。
 若い人であれば再就職の機会が多くありますが,失業者の大多数は,40歳過ぎの方でしょう。失業を避けるためには,常に新しい仕事にチャレンジすることが必要です。
 仕事がある分教師の方は幸せですね。頑張ってください。

 誤解されているようですが私は教員ではありません。私が、ここで言っているのは、「教育再生」を主張しながら、国が教育予算から後退させていることの不当性です。これが教育を困難にしているし、ここには欺瞞があります。
 
 そのこととは別の次元の話ではありますが、教員に仕事があるという問題もちゃんと実態をみる必要もあります。学校の現場でも、異様はほどに非正規雇用が拡大しているのは、事実です。ここの教育現場をみれば、すでに過半が非正規雇用という実態もあるのですよ。
 もう1点。失業者に求められるのはセイフティネットです。再チャレンジの機会の前に、その生活を保障すること不可欠です。それが、憲法25条が想定した前提であるはずですよね。

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