集団的自衛権 沖縄の社説
12、13日で改憲手続き法案の採決という大きな山場を迎えている。民主党が修正案を提出したが、与党は採決強行の姿勢をくずしていない。この法案自体のもつ問題点について改憲国民投票法情報センターのHPが「改憲手続き法案・9つの問題点」という論説を掲載している。
さて、その一方で集団的自衛権の見直しである。今日、沖縄タイムスが「[集団的自衛権]二度と戦争しない国に」という社説をかかげた。大事な社説である。
見直しの内容は、(1)日本のミサイル防衛(MD)で同盟国を狙った弾道ミサイルの撃破(2)公海上で自衛隊艦船と並走する艦船が攻撃された場合の反撃(3)一つの目的で活動する多国籍軍で他国軍が攻撃された場合の反撃(4)国連平和維持活動(PKO)で任務遂行への妨害を排除するための武器使用―の四つの具体例について、今月中に有識者会議を立ち上げ検討するという。 自衛隊に海外で「反撃」や「武器使用」が許されることになれば、戦後六十年間、一度も改正されなかった「平和憲法」の根幹部分(九条)が完全に見直されることになりかねない。 これは、「(集団的自衛権行使の)一部容認」どころか、専守防衛の枠を取り払い、同盟国・米国の戦争に日本が参加するという憲法解釈上の大転換を意味する。 戦争放棄、戦力不保持を掲げた憲法九条をほごにし、日本国家の「交戦権」を復活させることにほかならない。
PAC3の配備など、ミサイル防衛の問題、東京・横田基地への「日米共同統合作戦センター」を運用する計画をあげながら、「集団的自衛権の行使を禁じる憲法九条との両立が困難になりつつある」と指摘する。防衛庁が「省」に昇格し、自衛隊の海外派遣が本来任務となり、「海外活動で米軍と自衛隊の一体化がより進めば、集団的自衛権の行使と武器使用の議論はますます避けられず、集団的自衛権の行使に突き進むことが十分予想される」と。
「安倍首相は、自身の宿願たる『改憲』にこだわっており、このままいけば日本の平和憲法は米国好みの憲法に仕立て直されかねない。自衛隊を「戦争のできる軍隊」にしてはならず、日本を二度と「戦争をする国」にしてはならない」――これが沖縄の主張である。
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