この人の歴史観は問われなければならない
今日、ネットでは首相が謝罪というニュースが流れた。たとえば、
首相「慰安婦問題は人権侵害」、責任認め改めて米誌で謝罪(読売新聞)安倍首相は、26日からの訪米に先立ち米ニューズウィーク誌のインタビューに応じ、いわゆる従軍慰安婦問題について「慰安婦の方々に人間として心から同情する。日本の首相として大変申し訳ないと思っている」と改めて謝罪した。
さらに、「20世紀は人権が世界各地で侵害された世紀で、日本にもその責任があり、例外ではない」と述べ、慰安婦問題を人権問題と位置づけ、日本の責任を明確に認めた。
また、「我々は歴史に常に謙虚でなければならない。彼女たちが慰安婦として存在しなければならなかった状況に我々は責任がある」と語ったうえ、1993年の河野洋平官房長官談話を継承する考えを重ねて表明した。訪米を前に、米メディアの批判の鎮静化を図ったものだ。…
アーミテージ報告Ⅱでも、名指して批判されたこの問題。対米関係で、この問題を解決することが緊急課題であることは、今日の朝日新聞での、日米同盟論者で有名な、知日派のグリーンのインタビューでもよくわかる。
ところが、そう簡単にいかないほど、実は、安倍首相の歴史認識は「強固」だ(笑い)。
安倍首相のホームページをたどっていくと、次のページにぶち当たる。
http://newtop.s-abe.or.jp/
ここには、発言録のページがあって、次のような発言録が掲載されている。
「狭義の強制性」が「広義の強制性」の議論に変わっていった
歴史はあくまでも歴史家に任せるべき
歴史は連続性の中で緻密な議論をすべき
「狭義の強制性」を裏づける証拠はなかった
いわゆるA級戦犯は国内法的な意昧での犯罪者ではない
平和条約第十一条はいわゆる戦犯の犯罪者扱いを約束したものではない
いわゆるA級戦犯として処刑された七名の方々は命をもってある意味責任を果たしている
いわゆる侵略戦争は国際的な定義として確立されていない
たとえば、次のような発言がわざわざ今年2月にアップされている。
当時、私が質問をいたしましたのは、中学生の教科書に、まず、いわゆる従軍慰安婦という記述を載せるべきかどうか。これは、例えば子供の発達状況をまず見なければならないのではないだろうか、そしてまた、この事実について、いわゆる強制性、狭義の意昧での強制性があったかなかったかということは重要ではないかということの事実の確認について、議論があるのであれば、それは教科書に載せるということについては考えるべきではないかということを申し上げたわけであります。これは、今に至っても、この狭義の強制性については事実を裏づけるものは出てきていなかったのではないか。
また、私が議論をいたしましたときには、吉田清治という人だったでしょうか、いわゆる慰安婦狩りをしたという人物がいて、この人がいろいろなところに話を書いていたのでありますが、この人は実は全く関係ない人物だったということが後日わかったということもあったわけでありまして、そういう点等を私は指摘したのでございます。
なんのことはない、慰安婦の「狭義」の強制性は認めない。たんじゅんに侵略戦争だったとは言えないとくり返しているのである。
もともと、彼のホームページの一部には、いまだに、
慰安所の設置につき、軍の「関与」があったのは事実であるが、それは大部分、慰安婦や兵隊にたいする、むしろ「保護的見地からの関与」であったという重大な指摘が複数の講師からなされた。
官房長官談話の評価については、その背景に高度な外交的配慮が必要であった事情は認めるとしても、やはり確かたる根拠もなく「強制性」を先方に求められるままに認めたことは浅慮であり、同談話の早急なる撤回、あるいは修正が必要である、との指摘が多数の講師からなされた。
という「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」(当時)の報告が、掲載されているのである。http://www.s-abe.or.jp/index2.htm
そうである以上、安倍氏の歴史認識は、現在も問われる問題である。
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