読売の調査で、憲法「改正」3年連続減少
読売新聞が、憲法意識の世論調査の結果を発表した。この調査については、昨年も、一昨年も、書きました。
http://ono-blog.cocolog-nifty.com/sikou/2005/04/post_c652.html
http://ono-blog.cocolog-nifty.com/sikou/2006/04/post_c4ad.html
改憲を掲げる新聞の世論調査ですから、慎重な検討が必要です。まず、WEB版の記事から。
憲法「改正」賛成46%、3年連続で減少…読売調査(読売新聞)読売新聞社が3月17、18の両日に実施した憲法に関する全国世論調査(面接方式)によると、憲法を「改正する方がよい」は46%で、「改正しない方がよい」は39%だった。
1993年以来15年連続で、改正派が非改正派を上回った。
ただ、改正派は昨年調査に比べて9ポイント減り、3年連続で減少した。非改正派は昨年比7ポイント増えた。
憲法改正については、安倍首相が強い意欲を示し、改正手続きを定めた国民投票法案が今国会で審議されている。憲法改正が現実味を帯びてきたことで、これまでの改正賛成派の中に改正の動きを慎重に見守りたいとする人が出てきていると見られる。……
これだけでも、重要な内容だ。しかし、さらに詳しく見てみると
憲法9条についての質問では、「解釈や運用で対応するのは限界なので、改正する」「これまで通り、解釈や運用で対応する」がともに36%、「9条を厳密に守り、解釈や運用では対応しない」は20%で、9条を「改正」しないという意見が、56%になる。昨年が53・5%、一昨年の45・7%なのでより増加していることになる。
9条のうち、戦争放棄をうたった第1項については、改正の必要が「ない」が80%。戦力不保持をうたった第2項は、改正の必要が「ない」が54%。これも、昨年が1、2項もと「改正」の必要なしが、41%に比して、大幅に増加している。
「集団的自衛権」に関しては、「これまで通り、使えなくてよい」が50%。「憲法を改正して、使えるようにする」「憲法の解釈を変更して、使えるようにする」は各21%。
施行60年を迎える憲法のこれまでの役割を「評価している」は、「大いに」「多少は」を合わせて85%、「評価していない」は計10%。
きわめて、貴重な内容になっている。その意識を無視してまで改憲に踏み込むのが安倍内閣である。そのことをしっかり議論されなければならないと思う。
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