「自衛官は、人殺しの練習をしている」
今日、埼玉ではこんな一幕があった。
「自衛官は、人殺しの練習をしている」 上田・埼玉知事(朝日新聞) 2日行われた埼玉県の新規採用職員の就任式で上田清司知事が「自衛官は人殺しの練習をしている」と発言し、後に「適切ではなかった」と釈明する一幕があった。 発言は県庁職員としてのやりがいなど、使命感について触れた場面であった。「自衛官の人は、平和を守るために人殺しの練習をしている。警察官も、県民の生命や財産を守るために、人を痛めつける練習をする。だから我々は『偉い』と言って褒めたたえなければならない」と話した。 ……
上田知事は式の後で、「適切ではなかった」と言っているそうですが。
さて、この発言の問題は何かです。 「自衛官は、人殺しの練習をしている」というのは、一面として(実態として)は、当たっているということができるでしょう。しかし、自衛隊という組織が、「人殺しの練習」をするということは、法律のうえからがありえない話でもあるのです。なぜなら、日本は憲法上、交戦権がありません。したがって、自衛隊員による武器の使用ということも、自身の身を守るということに限定することを含め、2重3重の規制がこれまでかけられてきたわけです。それは、イラクにおける自衛隊の活動を見てもわかることですし、ましてや、イラク以外の自衛隊の海外での活動は多くの場合は丸腰です。それが、近年、アメリカ軍と一体となった活動が広がるなかで、武器使用の基準の緩和がおしすすめられようとしているのです。昨年、自衛隊法が「改正」されましたが、この時期に、部隊行動基準(ROE=海外では交戦基準という)の改定をしています。この流れの裏には、憲法「改正」で、自衛隊を「軍隊」にしようということがあるのは言うまでもありません。
つまり、「人殺しの練習をしている」というのは、自衛隊が「軍隊」であるということを認めよと言うことでもあるのです。あからさまに、改憲を主張するに等しい発言として、批判されなければならないと、私は思います。
« 華麗なる一族 | トップページ | 外交激変(読み始め) »
「平和」カテゴリの記事
- 「北海道内4港、日米演習で使用 10月23日から 釧路は米部隊輸送」「着眼点と調査力 本領発揮 JCJ賞贈賞式 「赤旗」日曜版に大賞」(2024.10.06)
- 石破首相、裏金問題を陳謝 「信頼取り戻す」所信表明演説(2024.10.04)
- 石破さんのインタビュー本『保守政治家 石破茂』を読み始める(2024.10.02)
- 幌加内町の歴史資料館「笹の墓標展示館」引き継ぐ新施設完成(2024.09.30)
- 自民 石破新総裁 党幹事長に森山氏 官房長官に林氏 意向固める(2024.09.28)
「政治」カテゴリの記事
- 衆院本会議 石破首相 初の代表質問 公認方針などで論戦(2024.10.07)
- 「北海道内4港、日米演習で使用 10月23日から 釧路は米部隊輸送」「着眼点と調査力 本領発揮 JCJ賞贈賞式 「赤旗」日曜版に大賞」(2024.10.06)
- 「8番目の男」、教育機関への公的支出割合、日本はワースト2位…OECDが発表(2024.10.05)
- 石破首相、裏金問題を陳謝 「信頼取り戻す」所信表明演説(2024.10.04)
- 石破茂新首相が会長だった石破派(水月会、9月解散)が、政治資金パーティー収入を6年間で計140万円分、収支報告書に過少記載した疑いが判明(2024.10.03)
コメント