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2007/04/13

田中先生の問題提起

 体調が最悪の一日。仕事の合間に読んだのか、この文章。
 「今、子どもの生きている世界とどう向き合うか」――教育科学研究会の3月集会での基調報告の内容。

 田中先生は、まず「日本の社会が、『負け組』にも『勝ち組』にも、複合的な『心的外傷』とでも呼ぶべき傷を負わせる社会となっていることを示している」と問題提起。「支配的な『教育改革』論が強調する『競争』『秩序』『厳しさ』は、こうした子どもたちの生活感情や問いや要求と明らかにすれ違っている」とも指摘する。学童保育の指導員の亀掛川さんの実践と、神戸で「児童連続殺傷事件」(1997年)を起こした少年Aの審判を担当した裁判官の井垣康弘さんの取り組みを紹介し、こうした社会のなかでの援助者・教育者の実践の模索と展開に注目する。ここで、田中先生は、ハーマン『心的外傷と回復』に注目する。「社会的な偏見による「心的外傷」を全体的に理解し、彼・彼女らの「自己」の発達を全体的に支える共同の実践の必要が強く意識されるようになっている」というのだ。
 こうした取り組みのなかで、「47年教育基本法第二条」の読み直しにも注目している。ここから、「政府による『教育目標』の設定、それに基づく競争の組織と管理へ」の動き、「教師が教育の計画・目標を描く」ことに対し、一方で、「教師たちによる『子ども理解のカンファレンス』の試みの重要性」。政府による上からの「教育改革」の対抗軸を、先の実践の取り組みからとき起こそうとしている。その際に、とりくみとして、恵那の石田和男が提起する「教師が三人でも集まって『自主塾』を」に注目する。こうして実定法に即した子どもの権利と教育の自由・共同の論理の再構築を呼びかける。

 短くすると素っ気ない、勉強になった点がいくつもあった。とりあえず井垣さんの本やハーマンの本は読まなくっちゃと思った次第。さて、われわれ政治ジャーナリズムの人間は、田中先生の問題提起をどう引き取ることが必要なのか。ちょっと、自分なりの意見もふくらませながら、いろいろ考えた文章だった。

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