激流中国 富人と農民工
先日、NHKスペシャルで放映されていたもの。当日は、ちゃんと見ることができなかったので、今日、BSでやっていたアンコールを見た。何とも言えない格差の実態である。
個人資産300億円以上、巨万の富をたった一代で築き上げた会社社長。改革開放の波に乗って、不動産投資などで成功を収め、今も1回に何億もの金を株などの投資につぎ込む。富がさらなる富を生み、笑いが止まらない。かたや日雇い労働で手にする日当はわずか600円ほどの農民。家族を養うために農村から都会に出てきたものの、ようやく見つけることができた仕事は建設現場の厳しい肉体労働。毎日、自分が暮らしていくのが精一杯で、そこからはい上がることはできない。中国では、今、こうした光景は決して珍しくない。社会の中で格差が広がり、勝ち組と負け組の差が鮮明になっている。中国政府は、今、経済成長を最優先してきた結果、生まれた歪みの是正を最優先課題に位置づけ、「調和の取れた社会」「みなが豊かになる社会」建設をスローガンに掲げている。 なぜ格差は拡大し続けるのか、貧しい人々がはい上がるのが困難な理由は何か。 貧・富それぞれの現場に徹底的に密着し、中国政府が今、最大の課題とするこの問題に迫る。
格差のなかで、必死になってはい上がろうという層の姿は、それはそれで一方で、悲しいぐらい切ない話でもあるけれど、そのなかに力づよさも感じる。世界の工場と言われながら、マネーのちからが経済を覆う姿は何とも言えない。
中国政府は、調和社会へ大きく舵取りを変える。医者にもかかれない実態。試行錯誤の課題はとてつもなく大きそうだ。そのことをあえてさらけ出すことろに、いま中国が向かおうとしている意味があるということも垣間見える。中国という国からは目が離せない。
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