華麗なる一族
山本薩夫による映画版である。つれ合いからのリクエストもあり、借りてきて見た。なにしろ3時間を超える大作であり、一日では見る時間はなかったけど、何日かにわけで、見た。けれど、飽きさせない面白さがある。
オールキャストの、豪華な俳優陣だけど、それがうまく配置されている。役者の一つの言葉が、印象に残る。テレビのヴァージョンとちがって、登場人物の葛藤や考えが、一言の言葉で表現され、見るものに伝わってくる、そんな緊張感が心地よい。
テレビの作品の最大の失敗は、主人公を、長男の鉄平にしたことにあると思う。それが、主題を隠し、何か人間関係を軸としたドラマにしてしまった。一方、映画は、大作を軸に、政界までも配置して、この「一族」の物語に奥行きをつくっている。主人公の圧倒的な存在感、政界もふくめ、闇の深さ、そして、登場人物の葛藤――たとえば銀平の台詞はすくないが、終盤の「僕がかわりに死ねば良かった」の一言で表現されている(テレビではあれだけ長く登場させたのに)。
キムタクファンのつれ合いもずいぶん満足していました。おもしろかったです。
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