大事なことは隠される
沖縄では、こんなことが起こっている。
米公文書によって、一九九六年十二月の日米特別行動委員会(SACO)最終報告草案で、日米両政府が米海兵隊の垂直離着陸機MV22オスプレイの米軍普天間飛行場代替施設への配備を明記していたことが分かったというのだ。最終的に日本政府の反対で削除されたが、オスプレイの沖縄配備は九六年当時から「既定路線」だったというわけだ。そもそも、米国防総省は昨年、海兵隊の次期主力機であるオスプレイの沖縄配備計画を明らかにしているが、いずれにしても「配備計画は聞いていない」と繰り返してきた政府説明がうそだったことがはっきりした。結局、普天間移設は、当初からオスプレイの配備を前提にした計画だったということにほかならない。
周知のようにオスプレイは、事故が続き安全性が疑問視されている。しかし、垂直離着陸と固定翼機の利点である長い航続距離や高速が両立されるというものだけに、開発の計画は決して中止されることがなく、現在もすすめられている。そんな、高性能で、攻撃型の、兵器でもある。
一九九九年には、河野洋平外相(当時)が「具体的な(配備)予定はないとの回答を(米側から)受けている」とまでいっていたのだ。
米軍再編が、沖縄の負担軽減であるという口実のウソが、F22の配備につづきまた明らかになったといえる。大事なことは、隠される。だからこそ、常に監視の目を緩めてはいけないのだ。
« 改憲派が「9条の会」に対抗した動き | トップページ | 労働ビッグバンの続報です »
「平和」カテゴリの記事
- 「大軍拡阻止と歴史の教訓、憲法の原点と平和外交を進めるために」(2023.05.27)
- 「フェミ科研費裁判が問うてきたもの」(2023.05.26)
- 「独ソ戦 地獄の戦場」(2023.05.25)
- 君はヒロシマを見たのか(2023.05.24)
- 「望みを打ち砕かれた」 G7広島サミット、被爆者から批判の声も(2023.05.22)
「政治」カテゴリの記事
- 「大軍拡阻止と歴史の教訓、憲法の原点と平和外交を進めるために」(2023.05.27)
- 「フェミ科研費裁判が問うてきたもの」(2023.05.26)
- 「独ソ戦 地獄の戦場」(2023.05.25)
- 君はヒロシマを見たのか(2023.05.24)
- 「望みを打ち砕かれた」 G7広島サミット、被爆者から批判の声も(2023.05.22)
「沖縄」カテゴリの記事
- 日豪・日英版「地位協定」 それから フランケンシュタインの誘惑「超人類 ヒトか? 機械か?」(2023.04.27)
- 「辺野古裁判と誇りある沖縄の自治─裁判の今とこれから─」(2023.04.22)
- 基地目視調査 公表を制限 航空機の離着陸時刻 防衛局「米側から要望」 普天間返還合意あす27年(2023.04.12)
- 「お笑い米軍基地」とフェンス3,4(2023.04.08)
- 国際法の視点から植民地支配責任を考える――「徴用工」問題に私たちはどう向き合うのか(2023.03.26)
コメント