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2007/04/15

歴史認識と隣国との緊張感ということ

 何度も書いていることかもしれませんけれど、新聞を読んでいるとおやっと思う記事に出会います。たとえば、昨日の新聞には次のような記事がありました。

ホロコースト「虐殺を黙認」展示に法王庁反発、式典欠席へ(読売新聞)

 エルサレムにあるホロコースト記念館「ヤドバシェム」に、第2次大戦中にローマ法王がユダヤ人虐殺を“黙認”したとする展示があることに法王庁が反発、虐殺犠牲者の追悼式典ボイコットを記念館に通告した。
 問題の法王は、ピウス12世(在位1939~58年)。記念館はピウス12世について、「(ホロコーストに)沈黙を続け、何の方針も示さなかったことが、欧州の教会関係者の態度を決定づけた」「ユダヤ人虐殺が報じられても抗議しなかった」との写真展示を2年前から行っている。法王庁のフランコ大使は「カトリック教会が多くのユダヤ人を助けたという記録もある。展示は一方的過ぎる」と主張。展示変更の要求が受け入れられなかったとして、15日に行われる追悼式典に参加しないとの書簡を同館に送った。これに対し、同館は「説明が誤りと言うなら、法王庁の文書を公開して欲しい」と反論したが、法王庁はこれまで公開要求に応じていない。
 …

 日本の政府も同じように、歴史認識にかかわって、外国政府との間で対立がある。でも、冷静に考えると、こうした対立や緊張が、国際関係をより豊かにする契機になるかもしれないと思う。戦後、ドイツの「過去の克服」という問題も、単純に、国内だけですすんだのではな決してなく、隣国やイスラエルをふくめ長い時間をかけての緊張とその克服をとおしてすすめられたと思うからだ。
 日本の場合、対米関係がよくなれば、アジアとの関係もよくなるというような発言をした首相がいたけれど、残念ながら、外交とはアメリカ相手のことであったために、この緊張はふさわしい機能を発揮せず、解決にいたらなかったということだろう。

 今朝の番組で、中川昭一自民党政調会長は、対中関係を論じていた。「歴史認識の問題を解決すべきだ」という他の参加者の発言に、「中国に従えというのか」と、毒づいていた。「従軍慰安婦」問題など、ここにきて、新しい資料や証言なども提示されているにもかかわらず、「強制はなかった」ということについて、反省の弁もない。こうした発言を聞いていると、アメリカの方を向くというのと同時に、その劣等感の裏返しともいえるのかもしれないけれど、日本では、俺達が仕切っているのだから、俺の言うことを聞けというような傲慢さを感じる。寂しい限りである。

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