フラガール
昨年の邦画NO1とされる作品。たしかに、この映画が、NO1ということには異論の余地はない。ひたすら、まじめに丁寧につくられている。俳優も、松雪がいい。蒼井もいい。トヨエツは、こういう役が抜群だ。炭坑がつぶされていく政策に、強い批判の視点があるわけではないが、働くものへの共感も満ちている。優しく、すてきな作品だ。
プロダクションの映画は、こうしたテーマにも挑んでいて、企画の点でも、大手を凌駕する。邦画の復活といっても、大手の映画は見るべきものはほとんどない。こうした映画が邦画でつくられたということを喜ぶべきなのか、この映画がNO1だということを、きびしく見るべきなのか。そこはよく分からない。でも、作品としてはほんとうにいい作品。すなおに評価したい。
昭和40年、福島県いわき市の炭鉱町。“求む、ハワイアンダンサー”の貼り紙を見せながらここから抜け出す最初で最後のチャンスだと、 早苗(徳永えり)は紀美子(蒼井優)を誘う。男たちは、数世代前から炭坑夫として、女たちも選炭婦として、働いてきた。だが今や石炭から石油へとエネルギー革命が押し寄せ、閉山が相次いでいる。この危機を救うために炭鉱会社が構想したのが、レジャー施設「常磐ハワイアンセンター」だった。 紀美子の母・千代(富司純子)も兄・洋二朗(豊川悦司)も炭鉱で働いている。父は落盤事故で亡くなった。母は「百年も続いたウヂの炭鉱は天皇陛下までご視察にいらしたヤマだぞ」と自慢し、炭鉱を閉じて“ハワイ”を作る話に大反対。それでも紀美子と早苗はフラダンサーの説明会に出かけるが、ほかの娘たちは、初めて見るフラダンスの映像に、「ケツ振れねえ」「ヘソ丸見えでねえか」と、逃げ出してしまう。残ったのは、紀美子と早苗、それに会社の庶務係で子持ちの初子(池津祥子)、そして父親に連れてこられた一際大柄な女の子、小百合(山崎静代~南海キャンディーズ・しずちゃん)だけだった。 そんな中、娘たちにフラダンスを仕込むために、ハワイアンセンターの吉本部長(岸部一徳)は東京から平山まどか先生(松雪泰子)を招く。本場ハワイでフラダンスを習い、SKD(松竹歌劇団)で踊っていたダンサーだ。最初は田舎町を軽蔑し、ど素人の娘たちに踊りを教える意欲もないまどか先生だったが、紀美子たちの熱心さに次第に真剣になっていく。 実はまどか自身が母親の借金を背負い、半ば自暴自棄になっていたが、ひたむきな娘たちと接するうちに夢を持つ大切さを思い出していた。そんな彼女の教えは、どんなに辛い時でも「スマイル」、笑顔をなくさないこと。 しかし、世間の風当たりは依然強く、さらに予期せぬ出来事が起こり・・・。 果たして常夏の楽園は誕生するのか?無事に笑顔でオープンの日は迎えられるのか?
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こんにちは。『フラガール』最高です。涙が止まらなくって困りました。映画館のなかでこんなにズルズル泣いているのは少数派だったようですが。炭鉱労働のこと,女性のパワフルさ,久しぶりに元気でがんばろうって気になりました。わたしも銭湯の男風呂にはいっていって,相手を殴りつけるくらいのパワーがほしいです。
投稿: KATEK | 2007/03/22 16:33
あのシーンかっこよかったですね。松雪泰子をいっぺんで好きになってしまいます。いつまでも、まっすくに発揮されるパワーは、もっていたいですよね。
投稿: YOU→KATEK | 2007/03/25 23:18