アジア女性基金が解散へ
いわゆる「慰安婦」の問題での安倍首相の発言が、世界の中で孤立を深めるなか、3月末で、アジア女性基金が解散する。今日の朝日には、そのことについての記事が掲載されていたが、基金のホームページには、この基金は、「アジア女性基金は1995年、政府の決定により設立されました。「慰安婦」とされた方々への道義的な責任を痛感した日本政府が、国民と協力して、償い事業など以下の各事業を行うために発足させたものです」とある。
しかし、周知のように、この基金による「つぐない金」なるものが、政府としての措置ではないことに、被害者のあいだでも、反感が強まり、韓国政府も、この基金には最後まで協力しない態度をつらぬいてきた。
この基金には、こうした本質的な問題があるにしても、「慰安婦」問題での資料の作成やなど、、「慰安婦」問題を歴史の教訓として未来に引き継いでいくとりくみをおこなってはきた。ただ、こうした取り組みも、河野談話の内容を国民的なとりくみにしていくうえでの役割を果たすことはできず、右派による言いたい放題のキャンペーンに対する歯止めにもならなかった。
河野談話には、「われわれはこのような歴史の真実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直視していきたい。われわれは、歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する」とある。
残念であり、不思議なのは、記念館的な、歴史を学ぶ拠点になるような施設などの建設になぜつながらなかったのかということだ。民間のとりくみでは、「女たちの戦争と平和資料館」がつくられ、困難な中でも維持運営されているのだが。
日本人に残されている歴史的な課題でもあるのだろうと思う。
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