女たちが戦争に向き合うとき
女性史研究者の米田佐代子さんの『女たちが戦争に向き合うとき』というブックレットを読みました。文章がやや感情に流されている感はあるけど、とても面白い本でした。
子どもは戦争の「加害者」か――著者は冒頭、ドキリとする問題提起をします。もちろん「加害」か「被害」かの二分法でとらえようとしているわけではありません。反戦の立場にあった与謝野晶子や平塚らいてふがなぜ戦争に「加担」したのかを問い、息子を少年兵として戦死させた母親の苦しみ、官吏として侵略の現地に赴いた父親の体験、小国民だった自身の少女時代と重ね合わせ、戦争動員を強いられた「被害者」であったと同時に「加害者」の側にあった自己をみつめます。こうした認識の発展は、女性が「個」として権利の主体となってきたことと一体と言います。著者自身の、研究者としての差別とのたたかいのなかで、戦争責任に対する認識も大きな発展があったのです。
自身が、加害の体験を語り伝えことが、誤ちをくり返さないという戦後世代の「戦争責任」へと継承されていくというのが著者の思いです。
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