集団的自衛権とミサイル防衛
安倍首相のもとで、改憲は重大な局面を迎えている。同時に、改憲を待たず、集団的自衛権の見直しという形で、解釈改憲をすすめようというのが安倍内閣の大きな特徴でもある。見直しを急ぐ理由にあげられるのが、ミサイル防衛だ。
この問題で、雑誌『世界』に掲載されている、梅林宏道さんの「ミサイル防衛――『集団的自衛権』行使への仕掛け」という論文が非常に面白かった。
改憲を掲げる安倍総理が、改憲を待たずに急ごうとしているのが、「集団的自衛権」行使の布石であり、急がれる理由はどうやら「ミサイル防衛」にある。ミサイル防衛は、いまや日米同盟の最優先課題となっている。それはどのようなものか。米軍再編の中でどのように動いているか。あくまで米本土の防衛を重視する米軍が、なぜ自衛隊との連携に血道をあげるのか。米軍の資料に基づき、ミサイル防衛という仕掛けの真相に迫る。
米軍再編のもとで、ミサイル防衛が大きな課題になっている。いまPAC3が嘉手納をはじめ日本に配備されはじめているが、ここで注目しているのが横須賀を母港とする艦船のほとんどがイージス艦となっていて、そこにSM3の配備がはじまっていること。これは、MDのなかでも、中間段階で相手の大陸間弾道弾などを打ち落とすというもの。そこに、日本のイージス艦も組み込まれている。
そのことを、はっきり証明したのが、昨年の北朝鮮のミサイル発射のさいの、米と自衛隊のイージス艦の動き。米のイージス艦は、北朝鮮の動向をうかんで、太平洋での演習から離脱し、調査対象の海域、対馬海峡の東と西に向かう。そのとき、日本のイージス艦には、アメリカの将校が乗艦し、連携を指導していたというのだ。
『世界』の記事より詳しい内容が、ピースデポのHPに掲載されている。裏づける米艦船の航海日記つきで。
http://www.peacedepot.org/media/pcr/mediarelease2/MD.htm
これは結構、必読の文献なのかもしれない。
米軍再編の正体とは何なのかをしてしている。そして日米の軍事的一体化は、ここまできている。
« 女たちが戦争に向き合うとき | トップページ | 廬溝橋事件 »
「平和」カテゴリの記事
- 「日米軍事同盟・「戦争する国」づくりの新段階」 日米の統制の一体化などなど(2024.09.14)
- PFAS 公害裁判 そしてトラツバ(2024.09.12)
- 「エイジアン・ブルー 浮島丸サコン」(2024.09.10)
- 沖縄県の原告適格性、二審でも認めず 県は上告を検討 高裁那覇支部 新基地建設を巡る県と国の14訴訟で最後の係争案件 玉城デニー知事「残念」(2024.09.03)
- 自衛隊、宮古・八重山や奄美に新拠点検討 2025年度の概算要求 訓練場や補給の適地有無を調査 2027年度には那覇に対空電子戦部隊(2024.08.31)
「政治」カテゴリの記事
- 「日米軍事同盟・「戦争する国」づくりの新段階」 日米の統制の一体化などなど(2024.09.14)
- PFAS 公害裁判 そしてトラツバ(2024.09.12)
- 10月号ができました(2024.09.11)
- 「エイジアン・ブルー 浮島丸サコン」(2024.09.10)
- 赤旗日曜版にJCJ大賞 自民派閥の政治資金不記載(2024.09.09)
安倍首相は「わたしの政策は漢方薬のようにじわじわきいてくる」などと発言していましたが,わたしたちの知らないところで物事を進めているに過ぎないと改めて思います。今,何をすればいいのか,何ができるのか考えるたびに焦ってしまいます。
投稿: KATEK | 2007/03/11 08:56
「わたしたちの知らないところで物事を進めているに過ぎない」というのは、本当にそうですね。かつて、貧困に対しての「感度」ということを書きましたが、平和に対しての「感度」ということも、いまは大事になっているのではないかとも思えるのです。
投稿: you→KATEK | 2007/03/11 21:40