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2007/03/10

集団的自衛権とミサイル防衛

 安倍首相のもとで、改憲は重大な局面を迎えている。同時に、改憲を待たず、集団的自衛権の見直しという形で、解釈改憲をすすめようというのが安倍内閣の大きな特徴でもある。見直しを急ぐ理由にあげられるのが、ミサイル防衛だ。
 この問題で、雑誌『世界』に掲載されている、梅林宏道さんの「ミサイル防衛――『集団的自衛権』行使への仕掛け」という論文が非常に面白かった。

 改憲を掲げる安倍総理が、改憲を待たずに急ごうとしているのが、「集団的自衛権」行使の布石であり、急がれる理由はどうやら「ミサイル防衛」にある。ミサイル防衛は、いまや日米同盟の最優先課題となっている。それはどのようなものか。米軍再編の中でどのように動いているか。あくまで米本土の防衛を重視する米軍が、なぜ自衛隊との連携に血道をあげるのか。米軍の資料に基づき、ミサイル防衛という仕掛けの真相に迫る。

 米軍再編のもとで、ミサイル防衛が大きな課題になっている。いまPAC3が嘉手納をはじめ日本に配備されはじめているが、ここで注目しているのが横須賀を母港とする艦船のほとんどがイージス艦となっていて、そこにSM3の配備がはじまっていること。これは、MDのなかでも、中間段階で相手の大陸間弾道弾などを打ち落とすというもの。そこに、日本のイージス艦も組み込まれている。
 そのことを、はっきり証明したのが、昨年の北朝鮮のミサイル発射のさいの、米と自衛隊のイージス艦の動き。米のイージス艦は、北朝鮮の動向をうかんで、太平洋での演習から離脱し、調査対象の海域、対馬海峡の東と西に向かう。そのとき、日本のイージス艦には、アメリカの将校が乗艦し、連携を指導していたというのだ。

 『世界』の記事より詳しい内容が、ピースデポのHPに掲載されている。裏づける米艦船の航海日記つきで。
http://www.peacedepot.org/media/pcr/mediarelease2/MD.htm
 これは結構、必読の文献なのかもしれない。
 米軍再編の正体とは何なのかをしてしている。そして日米の軍事的一体化は、ここまできている。

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コメント

安倍首相は「わたしの政策は漢方薬のようにじわじわきいてくる」などと発言していましたが,わたしたちの知らないところで物事を進めているに過ぎないと改めて思います。今,何をすればいいのか,何ができるのか考えるたびに焦ってしまいます。

 「わたしたちの知らないところで物事を進めているに過ぎない」というのは、本当にそうですね。かつて、貧困に対しての「感度」ということを書きましたが、平和に対しての「感度」ということも、いまは大事になっているのではないかとも思えるのです。

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