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2007/02/25

教員免許更新制を考える

 今日、ある場所で、国際基督教大学の藤田英典さんのお話をお聞きする機会がありました。教育再生会議の第一次報告のどこか問題かというような話でしたが、そこで、とくに強調されていたの問題(後戻りが困難になる問題)として、①教育が市場主義にさらされるということと、②第三者評価機関の設置で、一面的な評価にさらされるという問題を指摘されていました。関連して、教員免許の更新の問題についてお話をされていました。

 今度の国会での、後半の大きなテーマに教員免許の更新制の導入の問題があります。藤田先生のお話を聞きながら、先日(たしか23日)、「朝日」に掲載されていた、佐久間亜紀さんの論考を思い出しました。
 佐久間さんは、教員免許更新制の導入で、良質な教員の確保が困難になるということを主張されていました。
佐久間さんは、2月号の『世界』にも書かれていますし、昨年の2月にも朝日で 「教員免許 更新制導入は再考を」という論考を発表されています。昨年2月の論考では、「教員免許の更新制は極めて珍しく、先進国では米国にしかない」「むしろ逆効果をもたらす可能性が高い」と指摘し、問題点として、①心ある多くの教員を萎縮させてしまう、②更新するかどうかの基準設定が困難である。③教員の人材確保が難しくなる可能性が高い。と指摘します。そして

 身分の安定は優秀な人材を確保する上で欠かせない。だからこそ、ほとんどの主要国は採用時から終身在職権を与えてきたのだ。また免許が期限付きになれば、とりあえず免許だけを取得しておこうという「ペーパー・ティーチャー」の数が減り、教員需要の増減に柔軟に対応するための層を失うことになる。
 教員の資質向上は、研修の充実や、教員の意欲を喚起する環境づくりによってこそ図られる。更新制の導入に再考を促したい。

 と言っています。全文は、http://homepage3.nifty.com/sakumalabo/html/shiten.htm

 今日の藤田先生の話でも、日本の教育水準は決して、低くはなく(たしかに、PISAでもトップクラスです)、その理由として、教員研修制度の整備や授業研究の豊かさがあるということを言われていましたが、佐久間さんも同じ視点に立っています。日本の今後もいかすべき教師の優位性として、「専門性、総合性、協働性、献身性」を藤田先生は挙げられていますが、それが免許更新制をはじめ、この間の教育「改革」で、危機にさらされているといえるのです。
 フィンランドの番組を見ても、そうですが、教員の問題は、教育をかたるうえで中心問題だとも言えます。もう1度、事実をふまえて、考えていくべき問題です。
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font size=3 平成19年2月23日の朝日新聞「「教員の質」落ちてるの」(オピニオン欄)に気になる主張が掲載されていた。佐久間亜紀・上越教育大学助教授のインタヴュー記事font color=red「感情ではなくデータで語ろう」/fontだ。この佐久間談話は、故意とすれば狡猾な日教組・全教の擁護にして現下の教育改革批判、過失とすれば「新潟がいくら酒所とはいえ、飲みながらインタヴューに答えたのですか」という粗雑なもの。そう私には思われた。 ..... [続きを読む]

受信: 2007/03/04 16:28

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