学校が学習塾にのみこまれる日
学力の問題をふくめ、教育改革がいろいろ論じられる。その焦点は、学校はどうあるべきかであることはいうまでもない。「改革」に反対する人のいろいろな正論もある、が、どうしても腑に落ちないという思いが消えない。その核にひっかかっているのが、親は結局、どう考えているのか。その反映としての中学受験の問題。そして塾の存在。
自分の子どもは、中学の時、いわゆる補習塾に行っていた。下の子は高校になった今でも行っている。まあ、家では勉強しないしという思いもないではない。どのぐらい、塾が、教育という世界にのなかで影響力をもっているのかをリポートしたのが本書。たまたま、昨日、12chで、ベネッセが学校にどう影響力をもっているかの番組をやっていた。残念ながら、塾や学習産業の影響は現在とてつもなく大きそうだ。
たしかに、現在の教育政策は、学力の問題で揺りもどしの状況にある。文部科学省が、ゆとりの問題でも、学力の問題での自分たちの提起する方向で解決できると考えたから混乱した、それが本書のいうところでもあるんだろうけど、本音は、やはりエリート教育であり、競争主義のあらたな展開であろう。
悪い本ではないが、この本を読んでも、展望がでない。むしろ、学校が自信をなくしている現状は、リアルであり、そこがいまいちばん大変なことなんだと思う。解決は、容易でない。ただ、だからこそ、結構、根源から議論しないと、どうにもならないという感じがする。教育のあり方について、教育とは何かという問いかけからはじめるのが、案外だいじなのかもしれない。
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