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2007年2月

2007/02/28

新聞と権力

 県警の裏金問題を徹底して、調査報道した新聞に高知新聞があります。北海道新聞が、一時期がんばったものの、その後、権力との妥協に走ったのに対し、高知は徹底していました。その高知新聞で、先日、次のような催しがありました。

表現弾圧続発に危機感 高知市でメディアシンポ(高知新聞)
 表現活動の規制を強めている国に対し、メディアの果たすべき役割を考えるシンポジウム「危機に立つ『市民的自由とメディア』」が24日、高知市本町3丁目の高新文化ホールで開かれ、大学教授や本紙記者が近年の裁判事例や県警捜査費問題を題材に活発に意見を交わした。
 法政大現代法研究所の主催。大妻女子大非常勤講師の阿部裕さんが司会し、石坂悦男・法政大教授と丸山重威・関東学院大教授、今給黎(いまぎれ)泰弘弁護士、本紙の中平雅彦・報道センター長、竹内誠・政治部記者がそれぞれの立場から報告、議論した。…

 具体的な議論の内容は、Continue reading で

 この高知新聞は、一方で、橋本県政とは緊張関係にあるようです。橋本知事を支持する市民運動とも緊張関係はあるようです。こうした意見がなぜ生まれるのかも知りたいものです。
 高知新聞は、県内の購読率が82%にのぼります。そのことが経営の安定感につながり、権力との関係で独立した姿勢が保てるのでしょう。同時に、この82%が、ふさわしいあり方なのかもよく考える必要があるようにも思います。報道の多様性は確保されなければなりません。地方メディアのありようも、大いに研究対象だと思います。

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3.1独立運動の鎮圧を詳述 朝鮮軍司令官の史料発見(朝日新聞)

今日の朝日の一面トップです。

3.1独立運動の鎮圧を詳述 朝鮮軍司令官の史料発見(朝日新聞)
 日本統治下の朝鮮で1919年に起こった3.1独立運動の際に朝鮮軍司令官だった宇都宮太郎大将(1861~1922)の15年分の日記など、大量の史料が見つかった。独立運動への鎮圧の実態や、民族運動家らに対する懐柔などが詳細に記されている。宇都宮は主に情報収集を任務とし、日露戦争前後に英国で世論工作に携わったほか、辛亥革命では三菱財閥から活動費10万円を提供させ、中国での情報工作費にあてた。旧軍の対外情報活動をはじめ、日本のアジア政策の裏面史を含む貴重な記録といえそうだ。…

 日本の残虐な植民地支配をめぐる葛藤というか相克というか。実際がよくわかります。おそらく、これ以降、より、日本軍の残虐さは、国際法の流れも無視し、残虐になっていったのでしょう。こうした葛藤の側面を見ることで、歴史の流れの中で、ものごとを見られるようにも思います。日本における歴史認識を豊かにしていく上でも大事な、資料だと思います。
 同時に、注目すべきは、戦前の情報活動なるもの。
 機会があれば、読んでみたいものですね。

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2007/02/27

日本版NSC報告書

首相と3閣僚で構成 日本版NSC報告書(共同通信)  日本版「国家安全保障会議」(NSC)創設に向けた有識者会議「国家安全保障に関する官邸機能強化会議」(議長・安倍首相)は27日夕、首相官邸で最終会合を開き、NSCのメンバーを首相、官房長官、外相、防衛相の4人とする報告書を正式決定、首相に提出した。来年4月発足を念頭に今国会での安全保障会議設置法の改正を要請。秘密保護の強化に向け、情報漏えいを厳罰化する新規立法の必要性も提起した。…

 報告本文は、
「070227houkoku.pdf」をダウンロード
 とりあえず、どう読んでも、一部への権力の集中と、外交の軍事化です。情報ということが過剰に意識されているのも気になりますね。とりあえず。このテーマは、後日、じっくり議論したいと思います。

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吉田首相暗殺を計画(追加あり)

ちょっと興味深いニュースです。

吉田首相暗殺を計画 旧軍幹部ら、CIA文書(共同通信)  【ワシントン26日共同】旧日本軍参謀本部の作戦課長だった服部卓四郎氏(故人)ら旧日本軍幹部らが1952年7月、当時の吉田茂首相の暗殺計画を立てていたことが、26日までに解禁された米中央情報局(CIA)の文書で分かった。  同年10月31日付の文書によると、服部氏ら6人のグループは、吉田首相が国家主義者らに敵対的な姿勢をとっているとして、同首相を暗殺し、首相を鳩山一郎氏に代えるクーデター計画を立てていた。…

 「しかし、服部氏の友人で元陸軍参謀の辻政信氏が「クーデターを起こす時ではない」などと説得。グループは計画実行を思いとどまったが、政府高官の暗殺を検討したという」と言うのです。
 服部卓四郎と言えば、占領軍のG2のウイロビーのもとで、日本再軍備の準備をした人として有名です。戦前の南進を、辻などとともに立案した張本人ですよね。旧陸軍の幹部によって、再軍備をすすめようとした服部と、もう少し、マイルドに再軍備をさぐった吉田。戦前につらなる戦後保守政治の内側であった、ある種の葛藤のあらわれでしょうか? 最終的には、吉田型の、表面上は軽武装のかっこつき「平和主義」的な保守が本流になっていったということなんでしょうね。これ、ちょっと中身を詳しく知りたいですね。

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2007/02/26

なぜ急ぐ、中教審

 教育3法の国会提出にむけて、中教審が異例の審議です。パブコメが1週間というのは、書きましたが。週に2度も3度も、それも丸一日の会議をもうけるなど、おどろく展開です。国民的な議論はすすめず、なぜ、そんなに急ぐのかは、どう考えても、理解に苦しみますが、法案の国会提出に執念をもっているようです(政治の側がですよね)。昨日25日は、総会、法案にかかわる教育制度分科会、初等中等教育分科会が一日ぶっとうしておこなわれました。28日にはヒヤリングもおこなわれるそうなのですが、通常、1日から2日かけておこなわれるものが、わずか半日ですまされるようなのです。出口を決めての審議は、中教審そのもののあり方が問われるといわなければなりません。
 会議の配布資料などは、文部科学省のHPでは、掲載が滞っていてわからないようになっていますが、全国都道府県教育委員会連合会のホームページにある程度、アップされているのを発見しました。
http://www.kyoi-ren.gr.jp/siryou/newpage1.html
 参考にはなると思います・

 しかし、一方、規制改革会議から、ふたたぶ強烈な意見が出されています。

「首長責任で教育行政」強調の文書 規制改革会議(朝日新聞)

 政府の規制改革会議(首相の諮問機関、議長・草刈隆郎日本郵船会長)が、教育再生会議の教育委員会改革案について「首長の下で教育行政を行うこと等について、積極的に検討を進めることが必要」などとする文書を新たにまとめた。同改革案が文部科学相の教委に対する「是正の指示」を認めるなど文科省の関与を強める方向を打ち出していることに対し、改めて異論を唱えたものだ。
 関係者によると、規制改革会議は23日の会合でこの文書を了承。改革案を審議している中央教育審議会や文科省に伝えたという。

 なお、全文は、http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/publication/2007/0226/item070226_01.pdf

 中身的には、こちらのほうもきわめて問題のある内容ですが、教育の根幹にかかわる制度設計なのですから、国民的な議論をまずおこなうべきではないでしょうか。

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伊吹文科相の本音

 教育基本法「改正」をリードした、伊吹文科相。彼の本音とも言える発言でしょうか?

「日本は同質的な国」「人権メタボ」と文科相発言(朝日新聞)
 伊吹文部科学相は25日、長崎県長与町で開かれた自民党長与支部大会で、「大和民族が日本の国を統治してきたことは歴史的に間違いない事実。極めて同質的な国」と発言した。「教育再生の現状と展望」と題して約600人を前に講演し、昨年12月に改正された教育基本法に触れて「悠久の歴史の中で、日本は日本人がずっと治めてきた」とも語った。
 同法の前文に「公共の精神を尊び」という文言が加わったことについては、「日本がこれまで個人の立場を重視しすぎたため」と説明。人権をバターに例えて「栄養がある大切な食べ物だが、食べ過ぎれば日本社会は『人権メタボリック症候群』になる」と述べた。
 86年には、当時の中曽根首相が「日本は単一民族」と発言し、アイヌ民族から抗議を受けた。

 いよいよ、「改正」教育基本法の具体化と言える、学校教育法などの「改正」審議がはじまろうとしています。さて、こんなことを考えている人に、その資格があるのかが問われていますよね。

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2007/02/25

米下院の日本軍「慰安婦」決議案

 米下院での、日本軍「慰安婦」決議案が注目されています。すでに公聴会なども開かれ、「慰安婦」の証言なども行われていることはご存じの方も多いと思います。そして、日本の政府の、恥ずべき、ロビー活動も報じられています。そのことについて、書き込もうと思ったんですが、ちょうど、先日、「日本の戦争責任資料センター」が、「日本軍『慰安婦』問題に関する声明」を発表しましたので、紹介します。

 現在、アメリカ議会下院において、日本軍「慰安婦」問題に関する決議案(H.Res.121)の審議が行なわれている。これに関連し日本国内で、麻生太郎外務大臣をはじめ政府・自民党の関係者から、日本軍「慰安婦」問題に関する基礎的な事実を否認しようとする発言が続いている。また、これまで日本政府が、1ヵ月当たり6万ドルもの巨費でロビイストを雇い、日本軍「慰安婦」決議をめぐるアメリカ議会の審議に影響を与えようとしてきた事実なども、各種報道機関によって伝えられてきた。  こうした事態を放置しておくと、歴史的事実が歪曲されるだけでなく、日本社会の国際的な信用を大きく失墜させることになりかねない。決議案の提案議員たちが強調するのも、決議の採択が日米関係の強固な結びつきをそこなうどころか、むしろ日本軍「慰安婦」決議による「慰安婦」問題の解決促進が、東アジアの平和にとってよい影響をおよぼすだろうという期待である。  上記のような日本政府・与党の動きを憂慮し、私たちは、すでに明らかになっている以下の事実を改めて確認し、日本政府および関係者が適切な行動をとるよう要請する。……

 声明全文は、Continue reading で。

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教員免許更新制を考える

 今日、ある場所で、国際基督教大学の藤田英典さんのお話をお聞きする機会がありました。教育再生会議の第一次報告のどこか問題かというような話でしたが、そこで、とくに強調されていたの問題(後戻りが困難になる問題)として、①教育が市場主義にさらされるということと、②第三者評価機関の設置で、一面的な評価にさらされるという問題を指摘されていました。関連して、教員免許の更新の問題についてお話をされていました。

 今度の国会での、後半の大きなテーマに教員免許の更新制の導入の問題があります。藤田先生のお話を聞きながら、先日(たしか23日)、「朝日」に掲載されていた、佐久間亜紀さんの論考を思い出しました。
 佐久間さんは、教員免許更新制の導入で、良質な教員の確保が困難になるということを主張されていました。
佐久間さんは、2月号の『世界』にも書かれていますし、昨年の2月にも朝日で 「教員免許 更新制導入は再考を」という論考を発表されています。昨年2月の論考では、「教員免許の更新制は極めて珍しく、先進国では米国にしかない」「むしろ逆効果をもたらす可能性が高い」と指摘し、問題点として、①心ある多くの教員を萎縮させてしまう、②更新するかどうかの基準設定が困難である。③教員の人材確保が難しくなる可能性が高い。と指摘します。そして

 身分の安定は優秀な人材を確保する上で欠かせない。だからこそ、ほとんどの主要国は採用時から終身在職権を与えてきたのだ。また免許が期限付きになれば、とりあえず免許だけを取得しておこうという「ペーパー・ティーチャー」の数が減り、教員需要の増減に柔軟に対応するための層を失うことになる。
 教員の資質向上は、研修の充実や、教員の意欲を喚起する環境づくりによってこそ図られる。更新制の導入に再考を促したい。

 と言っています。全文は、http://homepage3.nifty.com/sakumalabo/html/shiten.htm

 今日の藤田先生の話でも、日本の教育水準は決して、低くはなく(たしかに、PISAでもトップクラスです)、その理由として、教員研修制度の整備や授業研究の豊かさがあるということを言われていましたが、佐久間さんも同じ視点に立っています。日本の今後もいかすべき教師の優位性として、「専門性、総合性、協働性、献身性」を藤田先生は挙げられていますが、それが免許更新制をはじめ、この間の教育「改革」で、危機にさらされているといえるのです。
 フィンランドの番組を見ても、そうですが、教員の問題は、教育をかたるうえで中心問題だとも言えます。もう1度、事実をふまえて、考えていくべき問題です。
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フィンランド学力世界一の秘密

001 12日にNHKBS1で放送された、「『未来への提言』 元教育大臣 オッリペッカ・ヘイノネン ~フィンランド学力世界一の秘密~ 」という番組の再放送が今日ありました。私は、12日には見ることができず、今日も、外に出ていたので、ビデオで番組をみました。フィンランドの教育は、このブログでも、かつてとりあげたことがあります。
http://ono-blog.cocolog-nifty.com/sikou/2006/01/post_99cd.html
http://ono-blog.cocolog-nifty.com/sikou/2007/02/post_fdca.html
 この番組は、どこが大切なのかがよく分かるようにつくられていて、勉強になりました。

 人口526万人の北欧の小国フィンランドは、いま、学力世界一の国として注目を集めている。OECDの学習到達度調査の成績では、読解力などの項目でトップ。教育力の高さは、情報化時代の経済にも強みを発揮し、IT企業の成長も著しく、国際競争力を示す指標でも世界のトップランクにある。なぜ、フィンランドの教育は成功したのか。へイノネンさんは、90年代、29歳の若さで教育大臣に就任し、フィンランドの教育のグランドデザインを描き、実現してきた中心人物だ。フィンランドは90年代に経済危機に陥り、失業率は20%にも達した。不況を脱するには、人という資源に投資する「教育」が最も大切だと、大胆な教育改革に踏み切った。

 ヘイノネンさんのインタビューなどを通して、強調されていたことは。1つは、教育現場の裁量が大きいということ。「教育には自由が必要」という言葉が印象的でした。2つめには、教員の労働条件や教員養成について、たいへんな配慮が行き届いていること。専門性と使命感の発揮のための方策です。教員はうえを向いて仕事をする必要はないが、子どもの保護者に対しての説明責任は徹底しているようです。3つめに、機会の平等ということが強調されていますが、その平等に対する捉え方です。機械的な平等論ではなく、一人ひとりの、その個別の違いのうえにたって、学び、能力をつちかうかということが考慮されているということです。そして、なによりも、学力、能力ということへの、柔軟なとらえかたです。いまの日本の「学力重視」とは決定的にちがいます。

 見終わって、日本との違いを痛烈に感じましたが、ここで提示されている論点について、しっかり考えていかなければならないと思いました。

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2007/02/22

学力テストの正体

 昨日の国会での、共産党の石井議員の質問が話題です。学力テストでいったい何がおこなわれるのか?

 四月二十四日に小学六年と中学三年を対象に行われる全国一斉学力テストについて、委託先のベネッセコーポレーションとNTTデータが採点・集計を行い、こうした企業に個人情報が流れる危険性が明らかになりました。二十一日の衆院文部科学委員会で石井郁子議員は「個人情報を受験産業と国が握ることになり重大な問題だ」と指摘し、学力テストの中止を求めました。  学力テストには国語と算数・数学の学力調査のほかに「児童・生徒質問」があり、「一週間に何日学習塾に通っていますか」「学習塾でどのような内容の勉強をしていますか」などを学校名、個人名を明記して答えさせます。石井氏は、ベネッセは「進研ゼミ」を事業の一つにした受験産業、NTTデータは旺文社と一緒になってテスト開発を行っている企業と連携していると指摘し、「受験産業がさらに拡大する」と追及しました。…

 学力テストは、すでに、公立学校では、愛知県の犬山市以外はすべての自治体が参加することが明らかになっています。この学力テスト。悉皆調査の問題についてはこれまでも、のべてきましたし、今後もふれたいと思います。実務的には、すべてベネッセとNTTデータにまるなげされることも重大です。
 今日、注目したいのが、学力調査のほかにおこなわれる「質問」なるもの。去年11月におこなわれた、予備調査(予行演習みたいなもの)の問題が文部科学省のホームページにアップされています。
 その内容は
 「002.pdf」をダウンロード
 これって、プライバシーにかかわる個人情報以外なにものでもありません。それを民間企業が扱うのです。どう考えても、個人情報保護の観点からも重大でしょう。
 ちなみに小学生は記名です。中学生は、出席番号を記入させたのですから。

 犬山の決断は教育に過度の競争は必要はないというものでした。
 いずれにしても、犬山を孤立させない取り組みが求められています。

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教育再生のゆくえ

 安倍内閣の目玉政策である、教育再生をめぐっては急ピッチで特徴的な展開をしています。ここにきて注目されるのが、教育再生会議の動向。秘密主義で閉鎖的だという批判に対して、分科会については、報道機関への公開を決めたようです。議事次第についても、今日の会議がすでにその日のうちにアップされています。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouiku/1bunka/dai7/7gijisidai.html
 ひとつの流れをつくったという判断でしょうか? 第一次報告で打ち出した方向をすすめる決意は伺える内容です。

 一方で、注目されるのは中教審の動きです。第一次報告で、提起された3つの法案にかかわる諮問の結論をだすべく、パブリックコメントの募集が今日からおこなわれています。
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?OBJCD=100185
 に要項がアップされています。
 教育委員会の「改革」にかかわる地教行法の「改正」については、教育再生会議と中教審のいい方の違いは、興味深いのですが、
 教育再生会議は、「siryou1.pdf」をダウンロード
 中教審は、「s185000247021.pdf」をダウンロード

 おどろいたのが、パブリックコメントの期間が、わずか1週間ということです(28日が〆切)。行政手続法にもとづく制度ですが、一般的には、30日ぐらいの期間がもうけられます。1週間というのは異例中の異例です。3月上旬には、中教審が諮問に対する報告を完了して、ただちに法案作成ということでしょうか。たしかに、教育再生会議と中教審のあいだには、ズレや矛盾はあるようですが、法案提出については足並みをそろえていると言えると思います。
 重大な局面であることはたしかです。

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2007/02/21

今日は、寝ます

 やっと帰ってきました。ちょっとオーバーワークですね。
 体調も悪いので、今日は寝ます。

2007/02/20

学校が学習塾にのみこまれる日

027191920000 学力の問題をふくめ、教育改革がいろいろ論じられる。その焦点は、学校はどうあるべきかであることはいうまでもない。「改革」に反対する人のいろいろな正論もある、が、どうしても腑に落ちないという思いが消えない。その核にひっかかっているのが、親は結局、どう考えているのか。その反映としての中学受験の問題。そして塾の存在。
 自分の子どもは、中学の時、いわゆる補習塾に行っていた。下の子は高校になった今でも行っている。まあ、家では勉強しないしという思いもないではない。どのぐらい、塾が、教育という世界にのなかで影響力をもっているのかをリポートしたのが本書。たまたま、昨日、12chで、ベネッセが学校にどう影響力をもっているかの番組をやっていた。残念ながら、塾や学習産業の影響は現在とてつもなく大きそうだ。
 たしかに、現在の教育政策は、学力の問題で揺りもどしの状況にある。文部科学省が、ゆとりの問題でも、学力の問題での自分たちの提起する方向で解決できると考えたから混乱した、それが本書のいうところでもあるんだろうけど、本音は、やはりエリート教育であり、競争主義のあらたな展開であろう。
 悪い本ではないが、この本を読んでも、展望がでない。むしろ、学校が自信をなくしている現状は、リアルであり、そこがいまいちばん大変なことなんだと思う。解決は、容易でない。ただ、だからこそ、結構、根源から議論しないと、どうにもならないという感じがする。教育のあり方について、教育とは何かという問いかけからはじめるのが、案外だいじなのかもしれない。

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嘉手納 基地被害の実態鮮明

07022005_r F22の配備にゆれる、沖縄・嘉手納。そこで基地被害の調査が行われました。久々の琉球朝日の映像です。
http://www.qab.co.jp/
から見てください。

 嘉手納町が町民を対象に行った基地被害に関する聞き取り調査の結果、基地から比較的離れた地域に住んでいる人でさえその多くが夜眠れないなどと訴えていることが分かりました。  調査は2006年5月から嘉手納町の職員や沖縄国際大学の学生が町内の6地区300世帯を対象に聞き取り方式で実施しました。その結果、町内で最も騒音が大きい屋良地区では『電話の音が聞き取りにくい』と回答した人が86%で『精神的にイライラする』『腹が立つ』と答えた人も70%に上りました。……

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デモクラシー検定

027306880000 もう1カ月前に読んだ本なんで、少し内容を忘れたんですけど、感想はこんな感じかな。

 著者は、デモクラシーとは安心した「人間交際」でききることと定義します。そのうえで、著者は、「多数決で決めるのが民主主義?」「主権は国民にある?」「議員は国民の代表?」「公共の利益は個人の利害より大切?」「憲法は最高法規?」と問いかけます。しかし、著者は、決まり切った正解を求めているのではありません。こうした問いをとおして読者とともにデモクラシーを考えようという趣向です。
 新自由主義的な「構造改革」や監視社会、米軍基地の存在などをとおして、この日本の社会をデモクラシーという点で検定すれば合格しているのかと問いかけます。そうした日本に住む私たちが、安心した「人間交際」を送っていくための知恵とスキルを考えさせてくれる一冊です。

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2007/02/19

「貧困の罠」

H20070224 最近、なかなかインパクトのある特集を連発する『週刊東洋経済』の今週の特集は、「貧困の罠」。

 「貧困」が日本を徘徊している。統計を見ても日本は屈指の「貧困大国」だ。1000万人ともそれ以上ともいわれる貧困層はどのように生まれたのか。そしてどこまで拡大するのか。政策に誤りはないのか。全国縦断取材で検証した。

 50ページをこえる、なかなか見事な特集である。その目次は、Continue reading で。

  「自立」の名のもとで、より貧困の困難においやられていく「貧困の罠」を告発している。生活保護→自立支援→就労→保護打ち切り→病気で退職…。孤立、自殺、不安、統計の資料も豊富。現場のリポートも、教育、医療、中小企業、生活保護、母子家庭、障害者「自立支援」法、ホームレス、若者、豊田市、地方などなど。
 注文は、相変わらず、特殊な議論の垂れ流し。消費税増税こそが安心の道(橘木)だとか、構造改革で格差が縮小だとか(竹中)。
 1つは、貧困を論じるとき、その問題の所在にどこまで迫れるかが、大事な問題だと思う。「人間の尊厳」を政治や経済が踏みにじっていることへの踏み込みがほしい。2つは、貧困を覆い尽くそうというイデオロギーや、あきらめ、しかたがないなどの気分を生み出すものへの批判、そして3つは、この問題は、解決できる、また解決しなければならないという視点。あいかわらず、たたかいの紹介はない。

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2007/02/18

市場が子どもをむき出して襲う…

20070218141836 「今日は、国連に障害児の声をとどけよう 全国集会」という集会に行ってきました。
 以下のような呼びかけでおこなわれた集会です。

 乳幼児期にある子どもの療育はどこを切り取っても応益負担はなじみません。出来高払い制度は療育施設の実践を危うくします―私たち「持ち込ませない会」はこう訴えてきました。
 この間、自立支援法は、乳幼児期ばかりでなく18歳までのすべての障害児の生活と発達にとって逆行するものであることが明らかになってきました。やっと広がりはじめた放課後の活動の制度的裏づけであった「児童デイサービス」は10月からの大幅単価切り下げ。活動を縮小したり中止を検討している施設もあります。障害児施設(入所)では利用料・食費はもちろん、教育費や医療費などが実費負担となり、何倍もの費用が保護者にのしかかっています。短期入所の費用が10倍になり利用をあきらめざるを得ないという重度障害児の保護者の声…。こうした事態は、障害をもつ子どもの「特別なケアへの権利」「社会への統合と発達の保障」をうたった子どもの権利条約に違反します。
 しかし、私たちの運動や国民世論の高まりの中で、法律を強行成立させた与党さえも、補正予算で「特別対策」をよぎなくさせています。
 全国のみなさん、障害者自立支援法による権利侵害の実態を出しあい、国連への民間(NGO)からのレポートにまとめて、国連にとどけましょう。

 かつて外務省の官僚で、現在、広島平和研究所所長の浅井基文さんの講演です。核問題や、国際政治が専門の浅井さんが、子どもの権利について話をするんだから、これは聞きにいかなくては、と思い、行ってきました。
20数ページにおよびレジュメを準備しておられた、浅井先生の話は、とても納得できるものでした。国連の人権法規の根底にある、「人間の尊厳」という問題を、先生自身が、どのように「観念」的な理解から、血肉化していったかということを話され、なるほど、その視点から、子どもの権利条約の構造や条文をつかもうとすると、よくわかるのです。「権利の主体にならなければならない」そう、浅井先生は教えてくれています。
 後半は、保護者の思い、通園施設の実態、放課後活動から、入所施設の実態などの交流です。自立支援法で、応益負担が導入され、子どもの通う施設でも、日割りの負担が導入され、通えない子どもたちが生まれた。発達が保障されるような場が、誰にもまして必要な子どもたちです。市場が子どもをむき出して襲っている――そんな思いがしました。
 今回の「見直し」で、負担の軽減が大幅に図られることにはなりました。しかし、応益負担が撤回されたわけではありません。子どもの権利擁護の立場にたったいっそうのとりくみが必要だと、痛感した集会でした。

 会場では、学生時代の知人に25年ぶりぐらいに再開したり、いろいろな人と話もしました。

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2007/02/17

「読売新聞に情報」 自衛隊警務隊が1佐を聴取

 こんな問題がおこっています。

 「読売新聞に情報」 自衛隊警務隊が1佐を聴取(朝日新聞)
 中国海軍の潜水艦が南シナ海で事故のため航行不能になっていると報じた05年5月の読売新聞記事をめぐり、自衛隊内の警察組織である警務隊が、読売新聞側にこの情報を伝えたのが防衛省情報本部の1等空佐(49)だったとみて、自衛隊法違反(秘密漏洩)の容疑で事情聴取や自宅の捜索をしていることが分かった。警務隊による捜査は「秘密保持の徹底」を自衛隊員に強く意識させる狙いがあるとみられ、現時点では読売新聞側は捜査対象とされていない模様だ。ただ、報道機関側への情報提供者をめぐる捜査は極めて異例で、国民の「知る権利」や報道の自由との兼ね合いで議論を呼びそうだ。 …

 この問題、新聞では、報道の自由、国民の知る権利の問題として論じられています。たしかの、この観点は大事です。同時に、注目していいのが、

 01年10月の自衛隊法改正で、防衛庁長官(現・防衛相)が指定する「防衛秘密」を漏らす罪が新設された。隊員だけでなく、防衛省と契約関係がある防衛産業などの民間企業にも守秘義務が課せられた(違反した場合は5年以下の懲役)。防衛秘密は電波情報、画像情報など10項目が列挙され広範囲に及ぶが、防衛相の指定を厳格に制限する規定がなく、指定が乱発されて防衛情報が広く国民の目から隠される可能性がある。
 さらに、防衛秘密漏洩を「教唆」する罪も新設され(違反した場合は3年以下の懲役)、防衛庁(当時)側の説明では、防衛情報を取材・調査する記者や研究者の活動も、脅迫や贈賄、男女関係など情を通じた実態があれば「教唆」と認定されるとされた。

 このように軍事機密が、いつのまにか、つくられているということ。9条のもつ国が、戦争のための機密を、自由に優先するようになっているのです。
 おりしも、アメリカは、「軍事情報保護一般協定」(GSOMIA)の締結を強く日本に求めてきています。そして、いままた、アーミテージ・レポート2です。
 戦争する国はそこまできているのです。

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ガイサンシーとその姉妹たち

Image_top 「ガイサンシーとその姉妹たち」というドキュメンタリー映画と、シンポジウムに行ってきました。激しく心が揺さぶれる映画でした。

 原作本の紹介は以下のようなもの

●「ガイサンシーって,何のこと?」私はたずねた。
  「ガイサンシーさえ知らないの? あなたがこのことを調べるなら、まずガイサンシーのことを知るべきだ。彼女は日本軍に一番ひどい仕打ちを受けた人で、最初に日本軍のトーチカに連れて行かれた一人なのだから」――1995年、こうして、中国山西省における中国人女性に対する、日本軍の性暴力に迫る著者の長い旅が始まった。
 ガイサンシー《蓋山西》とよばれた女性と数知れないその姉妹たちが、日本軍からうけた性暴力の事実と背景を9年の歳月をかけて追う。

 そして、映画の紹介は
 山西省一の美人を意味する「蓋山西(ガイサンシー)」と呼ばれた、侯冬娥(コウトウガ)。
 その呼び名は、彼女の容姿のことだけでなく、同じ境遇に置かれた幼い“姉妹たち”を、自らの身を挺してまで守ろうとした、彼女の優しい心根に対してつけられたものであり、その後の彼女の人生の悲惨を想ってのものだった。「蓋山西(ガイサンシー)」という名は、やがて山西省の人びとの間で、人間の尊厳を表す言葉となる。
 この映画は、班忠義監督が9年の歳月をかけ、中国の大地に侯冬娥(コウトウガ)と、運命を同じくした女性たちの姿を追い続けたドキュメンタリーである。幼くして人生の全てを奪われた女性たちの現在の記録であり、同時に、私たちの明日に向けて語られる物語である。

 中国に生まれ、育ち、そして日本での留学生活をおくってきた著者・監督だから生まれた作品だと思う。冷静に、中国の人々の戦争の記憶を追う。これが、中国の人たちの、日本の野蛮な侵略の事実の記憶なのか。私たち日本人は、その事実にどれだけ向き合い、記憶として継承しようとしているのか?
 シンポジウムでの、元兵士の近藤一さん(中国山西省で侵略、そして沖縄戦を経験している)の発言――中国侵略での蛮行への後悔、中国への謝罪の念と、平和への思いにふれ、そして、班監督の発言した、日本での裁判後の中国の被害者の思い――直接の被害で追いつめられ、そして正義が回復されなかったことで再び追いつめられ。
 60年、70年たっているからこそ、風化させてはならないし、必ず回復しなければならない正義がある。あまりにも知らないことが多い。しっかり学ばなければ。

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2007/02/16

成長力底上げ戦略(基本構想)

 もう1つは、昨日、発表になった「成長力底上げ戦略(基本構想)」です。「成長を下支えする基盤(人材能力、就労機会、中小企業等)の向上を図り、働く人全体の所得や生活水準を引き上げつつ、格差の固定化を防ぐことを目標に」つくられたチームの報告です。
 たとえば、朝日新聞では、次のような報道です。

 職業訓練に証明カード 成長力底上げへ政府基本構想(朝日新聞)
 格差問題対策を検討する政府の「成長力底上げ戦略構想チーム」(主査=塩崎官房長官)は15日、基本構想をまとめた。フリーターらに企業での職業訓練機会を与え、履修実績などを証明する「ジョブ・カード」交付など職業能力形成の支援強化に力点を置き、母子家庭の就職率向上や障害者の工賃倍増などの目標も掲げた。ただ、発足当初に「正面から取り組む」としていたワーキングプア(働く貧困層)への言及が消え、具体性には課題が残った。 底上げチームは16日の経済財政諮問会議に基本構想を報告する。 …

 構想の全文は、以下にあります。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/seichou/index.html
 このチームの議論を見てみると、いま社会で問題になっている「格差」ということを、強く意識しているなということです。若者や母子家庭の問題など、さまざまな資料を出して議論していることは事実です。
 ただ「ジョブ・カード」なども、これまで、さまざまな場で議論されてきたことです。目新しくはありません。こうした施策は、ないよりあったほうがいいとは思いますが、何よりも問題なのは、結局、自立支援という名で、自立できそうな人を、競争によって選別し、もっとも困難な状態にある人たちを切り捨てていることです。たとえば、若者でも、職業訓練に参加できる人だけが対象にされているのです。
 もう一つは、もっとも大きな問題と言っていいかもしれない、大企業によるきわめて劣悪な働かせ方については、まったくといっていいほど言及しないということです。大きな限界を感じざるをえません。

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フィンランドと学力テスト

 今日は、午前様です。仕事がなかなか終わりません。今週は働きすぎです。疲れたあ。
 それで、今日は、ブログをパスするつもりだったのですが、腹立つことが2つあったので、そのことを書いておきます。もう日が変わってるのですが、16日付でアップしておきます(笑い)。
 1つは、朝のNTVのワイドショーです。辛坊なるジャーナリストが、最近、フィンランドの教育が注目されていると紹介したその内容です。
 教員が大学院卒だという紹介はいいのですが、教員になるのは狭い門だと言ったくだり、あたかも教員になるための激しい競争、教員の激しい競争があると言っているように聞こえたのです。まるで、現在政府がすすめる、教師への競争原理の導入政策を肯定しているように。しかし、フィンランドの核心の1つは、教育活動の自由ということにあります。そんなことは何もふれない。
 もう1つは、フィンランドでは、学力テストの結果で、悪かった学校には対策が求められ、そのために予算も支出されるといったくだりです。学力テストの公開が大事だと。日本で同じことをやれば組合が反対するといって、あたかも、今度、日本でおこなわれる学力テストを公開することが大事だと。ここには、2重にも3重にも、ウソがあります。1つは、フィンランドの学力テストと日本のそれとは、まったく性格を異にします。なによりもフィンランドのテストは、生徒の5~10%の抽出調査です。が、日本のそれは悉皆(全員)テストです。全員おこなうテストは、競争以外の性格はありません。2つは、公表の仕方です。あくまでも、学校や教員が、教育活動の改善をおこなうためにしか、公表はされません。個々の学校や生徒の競争を促進するような公表のされ方はされていないのです。
 そんなことは、文部科学省のHPを見れば、すぐにわかります。全国的な学力調査の実施方法等に関する専門家検討会議には、事務方のつくった「諸外国における学力調査について」という資料が出されています。そこでも、フィンランドのテストについては、

5.フィンランド
<対象学年・児童生徒>
・ 対象学年は、第9学年(義務教育は7歳から16歳までの9年間)
・ 抽出(全国から5パーセント~10パーセント)
<結果の取扱い>
・ 出版や報告などの形で、学校や個人が特定できないよう配慮して公表
・ 学校や教員に対しては結果が通知されるが、子どもやその保護者に対するフィードバックは行われない

 と書かれているのです。そんな点をかくして議論する辛坊氏がジャーナリストとなのるのもどうかと思いますが、起用するテレビ局にもあきれます。

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2007/02/15

再生会議に異論=国権限強化の教委改革案-規制改革会議

 教育委員会の「改革」にかかわって、政府内で対立がひろがっています。文部科学省の権限を強化しようという教育再生会議の方向に対して、規制改革会議(規制改革・民間開放推進会議が、この1月に改組していたんですねえ)が反対の提言を今日発表しています。新聞の報道は、以下の通り

再生会議に異論=国権限強化の教委改革案-規制改革会議(時事通信社)
 政府の規制改革会議(議長・草刈隆郎日本郵船会長)は15日、教育再生会議分科会が先にまとめた国の権限強化を柱とする教育委員会制度改革案について「文部科学省による裁量行政的な上意下達システムの弊害を助長することがあっては断じてならない」とする見解を公表した。地方の自主性を尊重する観点から再生会議に異論を唱えたもので、政権の最重要課題をめぐり政府の有識者会議間の対立が表面化する異例の事態となった。
 これに関し安倍晋三首相は同日夕、「いろいろな意見がある中で議論し、最後はわたしが判断したい」と記者団に述べた。 

 実際の意見書は、
 http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/publication/2007/0215/item070215_01.pdf
 にあります。
 地方分権等の流れに逆行する形で国の権限を強化し、文部科学省の裁量行政的な上位下達システムの弊害を助長することがあっては断じてならない。大臣指示・勧告と言った形は極力避け、むしろ、教育委員会自身が自らの努力で進化していける環境作りをサポートすることに国は注力すべきであり、あくまでも教育に関する国の権限を強化するということのない制度設計とすべきである。

 その限りでは、ある意味正論でもある。が、こちらの提言もその核心は、「今後、具体的な改革案の策定・実行に当たっては、教育の提供側からの視点ではなく、教育の受益者である『学習者=児童生徒・保護者』の視点に立って教育改革を成し遂げていただきたい」というところにありそうだ。わかりにくい言葉だけど、子どもはや親は、決して、権利の主体ではない。教育の受益者というのは、結局、消費者として位置づけられる。その結果は、自己責任ということなんだろう。そして、教育という行為は、個別化・個人化される…。
 ほんとうは、教育再生会議VS規制改革会議ではない。これは、いわば、保守勢力内部の新保守主義派と新自由主義派の対抗みたいなものだ。権利をふみにじる保守勢力に対抗するような議論が必要なんだと思う。

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2007/02/14

教委の逆襲 『再生会議公開せよ』

 東京新聞には、教育再生会議がもつ根本矛盾をつくような記事です。

 教委の逆襲 『再生会議公開せよ』
 有識者を集めた論議が非公開で行われ“密室”との批判が高まっている政府の教育再生会議(座長・野依良治独立行政法人理化学研究所理事長)について、全国都道府県教育委員長協議会(会長・木村孟東京都教委委員長)と全国都道府県教育長協議会(会長・中村正彦東京都教育長)は十三日、野依座長あてに、会議の公開などを求める意見書を提出した。……

 委員ごとに会議内容の説明がバラバラなことや、内部から批判があることも紹介されているのですが、面白いのは、担当の山谷えり子首相補佐官の発言。彼女は、7日の水戸の講演で、「原則公開で進められている文部科学相の諮問機関・中央教育審議会の学習指導要領の審議について『(詳細は)秘密会でそれぞれの専門家が勝手に決めている』と、事実に反した批判を展開した」というのです。中央教育審議会はWGもふくめて、メディア関係の取材は可能です。が、教育再生会議は、取材は冒頭のみで、配布される資料はたいていは回収されます。はたして、山谷補佐官は、再生会議のあり方はどう考えているのでしょうか。

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朝、通勤での会話

 眠い朝、今朝は、早起きして、朝ご飯と弁当をつくって、洗濯をして…。朝から結構、エンジン全開です。
 さて、朝の出勤途上、たまにめずらしい?人に会います。某有名大学のT教授。結構、有名な人です。半年に1度ぐらい、出勤でいっしょになり、のる車両が同じになります。ここ1年ぐらいは、私のほうが通勤経路を変えていたので、1年ぶりぐらいでしょうか。30分ほど、電車のなかでおしゃべりをしました。
 話の内容としては、6者協議からはじまって、イラン問題、教育基本法の問題、日本の政治や国民意識、政治の腐敗の問題、都政問題、靖国の問題、「慰安婦」問題、そしてNHK裁判のことなどです。30分間、おたがい休む間もなく…。きっと、電車のなかで、周囲で会話を聞いていた人はおどろいたかもしれませんね。
 仕事から、真摯な知的営みをする方と話をする機会は少なくありませんが、こうしたちょっとした会話も、すごく刺激になり、私のような小さな力でも、正面から、この国でおこっている問題に向き合っていきたいと思えます。楽しい30分でした。T先生には感謝です。

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2007/02/13

普天間移設政府案

 今日、NEWS23が報じていたニュースです。

普天間移設政府案の全容に沖縄知事は
 在日アメリカ軍再編の焦点、沖縄・普天間基地をめぐる新たな事実です。普天間基地を名護市に移設する政府の建設計画、その全容と共に、政府案に難色を示す仲井真知事説得のため、政府が検討している基地の危険を減らすための案がJNNの調べで明らかになりました。

 仲井真知事の理解を得ようと、政府は別の角度から調整を進めているというのです。その中心は、 「普天間(基地)の3年以内の閉鎖状態の実現」(沖縄県・仲井真知事〔2月9日〕)という選挙公約にこたえいるために、「『閉鎖』は無理にしても、普天間の危険性を除去するための包括案をアメリカと最終調整してい」るというのです。
 具体的な内容は、Continue reading で見て頂くとして、沖縄では、現在、さまざまなことが起きています。
 今日の、沖縄タイムズの夕刊を見ても

■シュワブ沖で降下訓練/米軍、8年ぶり実施
■水しぶき次々 緊迫/海上に米軍ボート
■F22 ソフトに不具合
■水陸両用車立ち往生/宜野座

 という記事が並びます。
 そんななかで、普天間の安全確保の政府案が、どれだけ現実味のあるものかは、はなはだ疑問ですが、アメリカの追随した軍事大国化をめざす、政府にとって、米軍再編の諸課題は、最大の悩みでもあります。それだけに、先日の兵糧責めにもにた、移設交付金の案もふくめ、さまざまな施策が出されてくるでしょうから、たんに一地方の問題としてではなく、大いに注目しておきたいと思います。

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搾取される若者たち

027212900000 さてお約束の「搾取される若者たち バイク便ライダーは見た!」の紹介です。内容の紹介についてはくわしくは、ここを見ていただくとして、私は、少しちがった角度から、論評してみたいと思います。松竹さんが「たとえば、ライダーたちの過酷さは『経営者がしかけたトリックなどではない』、ライダー自身が生みだしているのだという主張。だから『犯人は職場だ』という結論。『職場』が悪いなら、いったいどうしたら問題が解決するのは、先が見えなくなる」と、指摘している点を、どう考えるか、という点です。この点についてが、本田由紀さんは、先に紹介した『世界』の論文で、社会学者の矜持から、こういう指摘を避けたと言っています。そのうえで、企業の意図を指摘しています。
 もちろん、松竹さんの指摘には私も基本的には同感ですが、私はあえて、この本の著者が、「職場の問題」とした提起をどう引き受けるのかということを考えたいと思っています。著者自身が、「搾取される若者」と表現しているし、この問題は「労働問題」だと言っているように、単純に若者の責任にしているわけではないし、現実の問題としては、企業の責任を不問にしているとも思われません。ただ、職場で見える事態として、自己運動的なメカニズムが働いているということに注目しているのだと思います。
 本の事態も、メカニズムを分析した後の、対策や社会とのかかわりの言及は、かなり大ざっぱであいまいということもあるので、私の感想も、大ざっぱであいないなんだけれど、私が感じるのは、職場ですすんだ新自由主義的な「改革」というのは、職場の問題を、きわめて個別的・個人的なものに解体するという性格があること、そうしたことを促進する、個々の企業の意図を超えたような(に見える)、規制緩和を中心とした新自由主義「改革」による、イデオロギー的な攻撃も含めた、労働者への攻撃の特徴を見る必要があるという問題です。
 この種の問題は、私には、あまり蓄積のない分野もでもあるので、うまく言えないけど、職場や地域での連帯を再生していく際に、大事な観点ではないかと、漠然と思っています。私の関心をもつ、いわゆる「感情労働」と言われる分野の問題を考えさいにも、その「誇り」や「生きがい」に依拠して問題を考えていくしかありません。そのとき、たとえば、教員の問題でも、ただ狭い管理職や教育委員会の教員に対する管理という問題だけではなく、もう一度、職場=学校・地域・家庭というレベルで(もちろん社会全体も)、労働のあり方を考えないと答えはでてこないような気もします。
 やや混乱した感想で申し訳ないのですが、この本の著者があえて「職場の問題」とした問題意識を、引き受けて、こうした新しい特徴をもった、職場支配の問題について考える糸口を見つけないとも考えたりした一冊です。

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2007/02/11

〈やりがい〉の搾取

 少し、前に、渋谷望さんの『魂の労働』という本を読んで、感情労働において、使命感みたいなものが、低賃金と劣悪な労働条件を強いている問題、その感情労働が消費社会のなかで、拡大しているという問題提起にふれた。現代の「働かされ方」のひとつの側面として、とても刺激を受けたのだけど、今月の雑誌『世界』に掲載されていた、本田由紀さんの「<やりがい>の搾取」という論文にも、刺激を受けた。阿部真大さんの『搾取される若者たち』というバイク便ライダーたちの「自己実現系ワーカーホリック」についての論考(後日、別途、紹介します)のうえに、若ものたちが、なぜ「働きすぎ」るのかについて、考察している。ちょっと、自分の働き方などについても、考えてしまうのだけど。
 単に、バイク便ライダーだけではなく、感情労働の分野やコンビニのオーナーだとか、てっぺんという居酒屋の運営などについても紹介していて、なるほどとうなづかされる。さらに阿部さんの本と違って、この「<やりがい>の搾取」が、企業の意図によってつくりだされている側面があると言っていることも注目される。
 かつて、「かいぜん」という言葉があった(今でもあります)し、TQCという労務管理の方法があった。雇用が非正規化するなかで、いま現れている「<やりがい>の搾取」。これまで日本の大企業が編み出してきた、人事管理の方法の連続と飛躍、いろいろ勉強してみたいと思うテーマでもある。

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2・11集会

20070211142739 昨日、夜、外で地域の仕事をしているとき、急に、大雨が。結果として、ずぶぬれになってしまいました。そのうえ、風呂にも入らずに、昨夜は飲み続けたので、今日は、朝から熱を出してしまいました。
 午前中予定していた取材はキャンセルして、午後から恒例の2・11集会に。今年で41回目の集会。私が、行くようになったのは20年ぐらい前からかな? 大日方さんの「安倍政権の歴史認識を問う」と松尾高志さんの「世界の中の日米同盟はいま」の2本の講演だけを聞いて、帰ってきた。ちょっとしんどいです。
 昨日、友だちから、姿かたちが、金正日に似てきたと言われた。つれあいからは、むしろ金正男だと。くそー。暖かくなったら運動しよう。まずは、もう少し歩こうかな。

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2007/02/09

リトル・バーズが国連で

 イラク戦争の戦火のなかの家族を描いた綿井健陽さんの「リトル・バーズ」が国連で上映されたそうです。私も、何度か綿井さんにはお会いしたことがありますが、現在は、アメリカ上映で渡米中。彼のブログで、アメリカ日記を書くとのことです。http://blog.so-net.ne.jp/watai/
 数年前なら、この映画のアメリカ上映など考えられないことでした。アメリカの世論の大きな変化の現れです。変化の行方を注目したいものです。

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米軍再編法案が閣議決定

再編法案を閣議決定/交付金制度新設(沖縄タイムズ)  【東京】政府は九日午前の閣議で、在日米軍再編の実施に伴う「駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法案」(米軍再編法案)を閣議決定した。基地負担が増える市町村を対象に、再編案件の進ちょくに応じて「再編交付金」を交付する制度の創設と、在沖米海兵隊八千人のグアム移転事業に資金を拠出するため国際協力銀行の業務に特例を設けるのが柱。予算関連法案として、今国会での成立を目指す。…

 米軍再編の合意がなされた以降、負担の軽減を求める沖縄の人々の心を逆なでするような事態が続きます。F22の配備、そしてパラシュート落下訓練の拡大…。そして、いよいよ、米軍再編法案が国会に出てくる。お金で、しかも「再編案件の進ちょくに応じて」支払われる交付金がつくられる。怒りをもって、この法案についても考えたい。

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タカ派の苛立ち

 今日は、こんな記事を見つけました。

南京大虐殺の検証スタート 自民有志、4月にも結果公表(共同通信)
 自民党有志議員による議員連盟「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」は9日、日中戦争中の旧日本軍が起こしたとされる「南京大虐殺」の史実を検証する小委員会の初会合を党本部で開いた。4月中にも検証結果をまとめて公表する方針。各国で南京大虐殺を題材にした映画制作が進んでおり、「日本が認めていない内容が世界に広まる恐れがある」との立場から、検証結果に基づき反論していく狙い。

 日本の戦争の歴史をふり返ったとき、一度は日本も認めたような、国際法の実定法や慣習法を、ふみにじっていく過程があります。そのなかで、残虐行為が広がっていくのです。
 今年は、日中戦争の開戦から70年です。南京事件からも70年にあたります。この過程で、日本軍「慰安婦」の被害や戦略爆撃の考え方も生まれました。
 今日、NHKで、NHKスペシャル「日中戦争 なぜ戦争は拡大したのか」のアンコール放送をしていましたよね。今日は見られませんでしたけど、こうした事実について、先のタカ派の議員たちは、どのように答えるんでしょうか。
 来週は、「ガイサンシーとその姉妹たち」を見に行ってきます。歴史問題は、今年の大きなテーマです。

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2007/02/08

グエムル 漢江の怪物

Main_photo3 今日は、取材がたて込んで、夜まで取材でした。それはそうと、家に帰ってから、ずっと見たかった「グエムル 漢江の怪物」を見ました。もう夜中ですが、ブログの日付は8日にしておきます(笑い)

 「助けて、お父さん!」
 正体不明の怪物がソウルのど真ん中に出現!
 娘をさらわれた家族は、怪物を倒すことが出来るのか?

 おかしくって、切なくて、ハラハラして、そして悲しくて。ラストは「えー!」。
 ものすごく面白かった映画です。多少、どこかでみたパクリっていうのもありますが、ストーリーも、絵も抜群です。背景には社会性も織り込んで。堪能の2時間です。

 ソウルの中心を南北に分けて流れる雄大な河、漢江。韓国の人々は、豊かな水をたたえる穏やかで美しいその河を、“平和の象徴”として愛していた。河岸には色とりどりの花が咲き乱れ、遊覧船がゆったりと往来し、天気のよい休日ともなると、家族連れや恋人たちが束の間の休息を求めて大勢集まってくる。その日も、河川敷はくつろぐ人々でにぎわっていた。まさか自分たちが、一瞬にして漢江が“地獄の象徴”に変貌する瞬間を体験することになるとは知らずに……。

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2007/02/07

格差と貧困への感度

 ネットでいろいろ資料をあさっていると、2月1日に政府の「成長力底上げ戦略」なる資料に行き着いた。いわく「いわゆる『格差問題』や『ワーキングプア』の問題に正面から取り組む」方針だそうだ。「機会に恵まれず、このままでは「格差固定化」の懸念がある人や企業等に対象を絞った戦略を展開する」という。現在の状況は、たとえば職業能力の形成の問題では、機会がない→能力・知識が形成できない→安定した職業につけない・キャリアアップができない→機会がないの悪循環だというのだ。そして、「職業能力を身につける機会が付与」されれば解決するという。
 こうした議論がリアリティをもたないのは、現代の格差・貧困の実相をよくつかんでいないことにある。機会を付与される以前に、絶対的な格差・貧困が存在し、そうした機会にふれる条件が存在しないというということにある。このことは福祉と雇用という項目をみるといっそうよくわかり。ここでは、公的扶助を受給している→就労への移行をはかれない→経済的自立ができない→公的扶助を受給しているというサイクルがあり、公的扶助と就労プログラムが連携すれば解決するという。が、就労プログラムにつけないような公的扶助の水準にあることには目を向けない。

 以前、『18歳の今を生きる』という本を紹介したことがある。 首都大学東京の乾先生たちの調査だが、卒業1年目の調査から、現在3年目の調査のまとめがすすめられているそうだ。去年から今年にかけて、何回か、その調査についての話を聞く機会があったが、若者たちが、社会に出る際に、すでに絶対的とも言える経済的な格差が存在し、そのことが貧困の拡大再生産の様相をしめしている。
 先日、格差の問題について、「むろん現状を報告することにも意味があります。しかし、人間はくりかえし『現実』を見せられると、その『現実』を所与のもの、つまり変えようのないものとして受容してしまうのです」という、内橋さんの言葉を紹介したが、より正確に言うと、こうしたことが起こるのは、現在の貧困・格差の実態について、正確な認識が欠けていることから起こるとも言えると思う。ワーキングプア、ネットカフェ難民なども、格差と貧困に対する感度がいま問われいるのだと、反省する。
 事態を正確に理解するうえでも、これまでの貧困研究について、十分関心をはらったり、学んでこなかった自分がいる。ちょっと情けないなあと思う今日、このごろである。

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2007/02/06

大化改新 隠された真相

070202_b 2日の放送されたNHKスペシャル「大化改新 隠された真相~飛鳥発掘調査報告~」の再放送を見ました。こういう番組をついつい見てしまうのは、教養主義にとらわれたおじさんと言われてもしかたがありませんが、でも、これはほんとうに面白かったです。私たちが教科書でならってきたような大化改新についての通説をひっくりかえし、いばわ中大兄皇子らのクーデターは、保守・反動のそれだったというのです。別に、歴史の進歩という考え方を否定するのではなく、おこった事件の真実はそう単純じゃないという話です。その後の、さまざまな歴史的な事件にも通じるような話です。
 興味深かったのは、この時代の唐や百済・新羅など朝鮮半島の国々との関係。日本は、この時代もアジアの国であり、アジアの国々との関係抜きに、この時代の政治も文化も語れないということもあらためて、痛感しました。
 とりあえず番線は、

 645年に起きた古代史最大の事件「大化改新」。『日本書紀』によれば、天皇を脅かす権勢を誇り、改革の障害となっていた蘇我入鹿に対する中大兄皇子や中臣鎌足のクーデターとされている。しかし、事件の舞台となった都・飛鳥(奈良県明日香村)で次々に発掘される遺跡は、史実とは異なる真相を物語りはじめた。
現在、昨年に引き続き、甘樫丘で蘇我入鹿の邸宅跡が発掘調査されているが、これまで発掘された蘇我一族の邸宅跡、飛鳥寺など関係する遺跡を総合すると、自らが盾となって都を要塞化し、あたかも王権を外敵から守ろうとしていた蘇我氏の側面が明らかになってきた。…

 続きはContinue reading で

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かずたちのブログ

 知り合いのブログを最近、見つけ?ました。
 日々のニュースのなかの数(かず)に注目して、いまの社会を見るというページです。
 自己紹介に

 広告系の仕事をしています。そこで、巷にあふれるさまざまな“数字たち”に出会います。彼らは、今の世界と日本について、実にいろいろなことを教えてくれるような気がします。そんな「数」たちのコレクションです。

 広告系の仕事というのはどうかと思いますが(爆

 アドレスは、http://blog.goo.ne.jp/suuji123

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2007/02/05

華麗なる一族・雑感

 日曜の夜、つれ合いはキムタクのファンということもあって、「華麗なる一族」というドラマを見ている。私の方は、別にキムタクに嫉妬しているわけではないけど、どうもこのドラマを好きになれない。
 かつて、子どものころ、映画化された「華麗なる一族」を母につれられて見に行った記憶がある。どうも、その映画と印象が違うのだ。かつては、もっと大企業にたいして批判的な視点というか、少なくとも、その経営者一族の愚かさみたいなものが描かれていたように思う。でも、今度のドラマは、単なる家族の葛藤みたいなものになっている。新聞ではファザコンドラマって言っていたが。
 大企業に対する社会的な視線みたいなものを反映しているんだろうなって思う。大企業に対して、社会が、あまり批判的な視線をもたなくなったのはいつのころからだろうか。経団連の会長(土光氏)がめざしを喰って見せてからと言う人もいるが。たとえば、それまで同盟系の職場ではひろがっていた上級労働者と大企業の一体的な意識が、全民労協から連合への総評が解体されていくなかで社会全体を覆いようになったのだろうか。日本の大国化や多国籍企業化ということとも関係があるのだろう。
 構造改革は、一方では働くものの連帯や協同の意識を切り裂くような作用を内在しているようにも感じる。同時に、構造改革の結果は、新しい連帯や協同を準備しているようにも思える。大企業への視線をめぐって、歴史をふり返ったり、いまを考えたり、ぼやーっとつれ合いといっしょにドラマを見ながら、そんなことを考えていたりもした(変ですね、やはり)。

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2007/02/04

日曜日の過ごし方

 最近は、ずいぶん日曜日に休むことが少なくなりましたね。たまの休みも、団地の仕事だとかがあったりします。あとは、寝ているか、DVDを見ているかです。ボーっとするのはあいかわらず苦手で、とりあえず映画です。
B000krndwa01_aa240_sclzzzzzzz_ そんなわけで、今日は、なんとなく借りてきた「バッシング」を見ました。カンヌのコンベンションの参加でちょっと話題になった映画です。映画のできは、まあ金もかけていないし…。です。テーマは、イラクの人質事件を題材に、つくられたフィクション。バッシングに追いつめられる主人公をとおして日本の人は怖い顔をしていると。どうせなら、なぜ、日本人は怖い顔をするようになったのかという背景に突っ込んでほしいところですが。
 人質事件は、日本人の意識のうえで、大きな画期をなしています。自己責任そのものは、ずいぶん前から「受益者負担」などで幅を利かすようになっていましたから。この事件を契機に、人は敵を責め、責めに脅えるようになったのかもしれませんね。まあ、印象に過ぎませんが。

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防災訓練

 今日は、朝から団地の防災訓練でした。昨日は、夜の三時まであれこれと、仕事や家事をしていたので、眠いです。おまけにすごい風。そして午後からは団地の管理規約改定の説明会。両方とも、直接、あれこれと関わってきたものなので、急がし一日でした。
 団地のいうのは不思議な世界です。何度か書いたかもしれませんが。最近、団地の難しさということがよく報道されます。立て替えなどでの対応の難しさです。同時に、共同で財産を管理しているわけです。特殊な社会性、公共性というものがあります。まあ、よく言われる「自己責任」ということが、現実の社会では、かみ合わないことが、多くの人が集合住宅に住んでいるという一点であきらかなのかもしれませんね。
 さて、今夜は、つれ合いの誕生会。誕生日は昨日ですけど。二男が発熱したため、急きょ家でのお祝いです。今夜は和食でせめました。

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2007/02/03

ああヤンキー先生…

 文部科学省が、体罰についての「考え方」を変更する通達を出すという。これまでの、通達は1949年に、法務庁が出した「生徒に対する体罰禁止に関する教師の心得」というもの。Continue readingで紹介しておくが、読んでみても、きわめて常識的なもの、そしてその運用は、現場では案外、柔軟に対応されているのも事実。ところがこれが、規範のない子どもをつくったといって攻撃をくわえたのが、かの義家先生。どうも占領下でつくられたのがいけないようだ。言い分はまったく、安倍さんと同じ。そんな議論が教育再生会議でなされたことが、議事録からもわかるのだけど、彼の再生会議での発言のエッセンスがしめされているのが『諸君』3月号の、義家氏と石原慎太郎東京都知事との対談。どちらかというと石原さんが聞き役で、義家氏が持論を展開している。まあ驚くべき対談だ。
 読んでみると、結局、いまの教育崩壊をつくっている原因は、子どもが悪い、親に自覚がない、教師が組合活動にうつつを抜かしているからだということにつきる議論。政策的な提言とも言えるゆとり教育の脱却だとか土曜日に授業をおこなうことなど、ゆとり導入のさいのこれで塾はいらなくなるだとか、学力がつく、子どもを家庭と地域に返して、さまざまな社会体験を経験させるというといっていたことへの検証などまったくなく、ただ、うまくいっていないから、こうするといっているに過ぎない。おれ(国家)にまかされば間違いはおこらないと言っているようにしか聞こえないが、さてその言葉を誰が信じるんだろうか?
 そして、文部科学省は、その具体化に着手する。

体罰:文科省が「考え」通知へ 容認の判例も例示(毎日新聞)
 体罰に関する許容範囲の見直しを求めた教育再生会議の第1次報告や深刻ないじめ問題を受け、文部科学省は2日、初めて体罰の考え方をまとめ、来週中にも都道府県・政令市教育長らに通知する。居残り指導や授業中の起立指示などは肉体的に苦痛が伴わない限り体罰ではないとし、教師が用いる強制力も認める方向だ。いじめや暴力を繰り返す児童・生徒に対する「毅然(きぜん)たる指導」を支援する狙いがある。

 これまで、義家さんについては、北星余市の、それはそれで貴重な教育実践のなかにいた人だからということで、幻想までいかなくても、その善意を信じたいだとか、批判をためらう人もいたと思うが、とても許せるような状況ではない。石原は「政府と横浜市はいい人を迎えた」と手放しで評価する。義家氏はここまできたのか――いや、もともとこういう人だったと言うことなのか。

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日本経団連と経済同友会

 もうすでに昨日だけど、朝日新聞、北城同友会代表幹事の興味深いインタビューがのっていた。安倍内閣に構造改革を求めるのは経団連と同じだが、企業の政治献金などで経団連を批判する。実は、昨日、同友会は、「日本のイノベーション戦略~トップがコミットし、自ら実行すべし~」という提言を発表している。
 年明けから、御手洗ビジョンだとか、経済財政諮問会議の「日本経済の進路と戦略について」(新中期方針」だとか、興味深い文書が続く。これらを読みこなすというのが、大事な仕事なんだろうけど、なかなか難しい…。同じようにイノベーションということがキーワードになっているが、一方で、ニュアンスというか、全体の読後感には違いもある。それは、役割分断でもあり、現在の支配層のかかえる矛盾でもあるんだろう。
 しっかり読みこなすことができるか、その成果を、このブログに書くことができるか。さて、どうなるのかこの2月は…。

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2007/02/02

渋谷敦志さんのブログ

 最近、注目している写真家の1人に渋谷敦志さんという方がいる。「高校のときに報道カメラマン・一ノ瀬泰造に影響を受けて写真家を志す。大学生のときに1年間ブラジル・サンパウロの法律事務所で研修しながら、写真を撮り始める。以降、さまざまなアルバイトをしながら写真を撮り続けて今日に至る」という方。2000年にはJPS(日本写真家協会)展・金賞を受賞している。アンゴラ内戦の写真で注目された。
 まだ、30歳を少し超えたという若い写真家だ。
 彼のブログができた。アドレスは
http://ashibuya.tea-nifty.com/
 そこで、アップされている東ティモールの写真がまたいい。子どもたちと母親たちの写真が中心。内戦・和平・独立から平和と自立への向かうこの若い国の人たちを写す。

 どんな瞬間にシャッターを切っているかで、今の自分が何に対して高感度かがわかる。撮った写真を振り返ってみると母子の写真が多いのはあきらかで、子どもとお母さんは元気でやっているのか、毎日どんなことを考えているのか、ちゃんと生活していけてるのか、そんなことがどうも気になるようだ。自分が親になって視点が所帯染みてきたのは確かだが、その視点で素直に現実を見ることから感じるリアリティもあるだろう。

 まぶしいほどの光と影。そこから見るものにむけて放たれる母子の視線を僕らも受けとめて、感じ、考えたい。

 私の知り合いにもフリーで生活している写真家や物書きがいるが、正直、苦しい世界だ。ぜひ、がんばってとり続けてほしいし、これから、どんな写真をとっていくのか、注目しておきたい1人だ。

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要求する親 問われる教師~すれ違う教育現場~

Photo23612 昨日のNHKのクローズアップ現代という番組で、「要求する親 問われる教師~すれ違う教育現場~」というものをやっていた。去年ぐらいから教育学の世界でも、親の”イチャモン”という問題に関心が集まっている。大阪大学の小野田正利さんが『悲鳴をあげる学校』という本を出して、それなりに、売れていたりもする。親の、過大な要求が教師を追い込んでいるという側面から、親の要求の根源と、共同の可能性をさぐったものだ。
 実際に、教師たちの話を聞けば、行政や管理職との関係だけではなく、親との関係は大きな悩みになっている。最近、文部科学省が委託した調査でも教師の労働時間は、月80時間以上の超過労働がカウントされるなど多忙化している。こうしたなかで、教師たちが、親との突っ込んだ関係を避ける傾向にあることも、研究者の調査で指摘されている。
 明らかに、親と教師の間の溝は深く、広くなっている。
 もちろん、父母との共同や、参加の学校づくりに奮闘している教師たちは少なくはない。真摯に、教育・子育て運動にかかわっている父母も多い。が、学校の大勢は、上記のような困難をかかえた事態となっている。昨年の暮れ、これまで、開かれた学校づくりにかかわってきた研究者の方と話をしたとき、この”イチャモン”状態の広がりのなかで、学校づくりの行方にかなり悲観的な思いを持っているとの話を聞いた。
 もちろん、こうした状況の背景には、「構造改革」だとか、格差の広がりなどは指摘できると思う。同時に、学校や「教師の仕事」というものの定義の仕方が、政策のうえでも、実際の仕事のうえでも、かなりねじまげられてきていることも無関係ではないと思う。本来の、教師の専門性だとか教育の公共性だとかと違う文脈で、教師の仕事が捉えられ、学校のあり方が議論されてはいないのか。そんなことを漠然と感じている。
 教育再生会議では、教員免許の問題や、不適格教員の問題がすすめられようとしている。そんなときだからこそ、教師の仕事ということを考えたいのだが。

番組の紹介は、Continue readingで

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2007/02/01

柳沢大臣は直ちに罷免すべき

 はじまった国会の予算審議は、柳沢大臣の「女性は子どもを産む機械」発言で、異常な事態になってしまいました。この問題に対する首相の対応の鈍感さは、世界のメディアの報じ方とくらべるとよく分かります。
 「しんぶん赤旗」が、そのことを詳しく紹介しています。

 日本の柳沢伯夫厚生労働相が女性を「子どもを産む機械」と発言したことについて、世界各国のメディアがいっせいにとりあげ、批判とともにコラムなどで皮肉を込めています。

 として、
 「この機械には自尊心がある フランス紙」「嵐の抗議を呼び起こした 英紙」「この意見で本心を見せた ドイツ紙」「政権にとって決定的な打撃 韓国紙」「あくまで辞職もとめている シンガポール紙」と詳しく報道しています。
 五十嵐仁さんは、BBCの報道を紹介しています。まったく恥ずかしい限りです。
 政治に、人間の尊厳をとりもどすためにも、柳沢大臣はすぐに罷免すべきです。

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