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2007/01/11

安倍政権発足とメディア

 なぜ、メディアは、私たちの運動を報道しないのか――そんな疑問が多くの人からよせられます。いったいメディアと政治との関係はどうなっているのか、そんな疑問にこたえる材料を与えてくれるホームページがあります。マスコミ関係の労働組合やジャーナリスト会議などがつくっている憲法メディアフォーラムというサイトです。
 ここに今回、匿名記者座談会「安倍政権発足とメディア」というものがアップされています。 大手新聞社整理部デスク、NHK報道局記者、在京キー局政治部デスクと丸山重威さん(関東学院大学教授・日本ジャーナリスト会議運営委員)、岩崎貞明(『放送レポート』編集長)による座談会です。

丸山
 安倍政権発足から3カ月経ちました。今までを振り返って、新年を展望しながら語って頂きたいと思います。
民放
 正直、つまずいちゃっていますね。「小泉改革を引き継ぐ」というところを出して、そこに北朝鮮の核実験が追い風になって、そこそこいい“スタートダッシュ”だったのですが、国会が進んでいくと、ボロが出てきた。安倍さんの仲良し人脈だけで政権を運営していることが招いていると思います。
 そこで小泉さん以来の懸案であった道路特定財源の問題で支持率の低下を跳ね返そうと狙ってみたのでしょう。しかし、安倍さんや彼の取り巻きの悪いところは、最初に強く出るんだけど、現実を見ていないから、最終的には反対派に呑まれて、玉虫色の決定に落ち着いてしまうことです。小泉さんの喧嘩上手さとはまったく逆で、喧嘩ベタなところが出てしまった。
大手紙
 「そういう安倍政権をメディアはどう取り上げたのか」ということを今、考えています。やはり突っ込みが甘い。最近、久間(章生)防衛庁長官が、とんでもない発言をしました。日本のイラク戦争支持について「あれは小泉さんが個人的な意見をマスコミの前で言ったんだ」と言ったことです。イラク戦争支持が閣議決定されているという事実は知らなかったと後で釈明しましたが、本来なら長官更迭ものですよ。
 安倍首相は総裁選の頃から改憲問題の明確な見通しを言わなくなった。ところが海外メディアに対しては「5年以内、自分の任期中には是非やりたい」と、かなり突っ込んだ見解を表明している。あの発言に対して、日本のメディアは客観報道で、「安倍首相が欧米メディアの前でこういうことを喋った」と伝えただけです。「客観」ということに縛られて、事の本質を描き出したり、追求することが甘くなっていると感じます。……

 
 メディアと為政者の奇妙な一体感といったものが形成されています。それがなぜか、そんなことを考えるうえでも、必見のサイトですよ。

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