新・学歴社会がはじまる
著者は、ご存じのように現場の豊富な教師体験を生かし、子どもの立場にたつ教育論の第一人者。テレビでもすっかりおなじみです。その著者が、さまざまなデータを駆使して、教育における格差拡大の現状を告発しています。学力の二極化、私立中高一貫校に進む少数のできる子……。その他大勢の、できる子以外は習熟度別授業で別コースに固定され、学習意欲も低く、下流社会人候補へと追いやられていく――競争原理による「教育改革」への批判は明快です。これまで。著者のイメージは、教師体験から、教育実践や子ども論に対して、積極的に発言するということが多かったようにも思えるが、本書では、教育政策のあり方そのものを鋭く告発、批判しています。
そして、著者は、弱肉強食の経済政策を見直し、習熟度別授業を廃止し、子ども参加と現場への権限委譲、そして手厚い義務教育への支援などを提言しています。その著者の訴えからは、学校現場を荒廃させている現在の教育政策への強い憤り――怒りと、その再生への思いが伝わってきます。尾木さんの新しい面を発見できるかもしれません。
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はじめまして
本田由紀さんの本を探していて ここにきました。
日本の派遣制度が20年前から 行われていたとは知りませんでした。娘、息子が就職に失敗して初めて自分の身に降りかかってきました。
2人とも私立大学(あまり優秀ではない)で、就職出来ていません。 派遣またはアルバイトの生活を続けていくのか父として 心の休まる日がありません。
大学を出さえすれば、一流でなくても 就職できるものと 安心していました。
大企業は、派遣労働者を使って 史上最高益を上げ続けています。 一部優秀大学を出た者だけが、勝ち組で残りのものは、派遣等で生活をしなければいけない世の中(日本)は、この先衰退することは 明白ではないでしょうか?
今 本田由紀さんと中沢新一さんに出会えた(子供のおかげ)のも 勉強と考え前向きに考えていくつもりです。
これからも頑張ってください。
応援しています
投稿: kurisugaw | 2006/12/23 11:08