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2006/11/09

格差社会

400431033401_aa240_sclzzzzzzz_v40880797_ 忙しくて、なかなか本が読めない日が続きます。それでも、たまった読まなければいけない本を1つひとつ、なんとかこなしていこうと思います。その1冊がこの橘木さんの『経済格差』。かつて『日本の経済格差』で、「平等社会」と信じられてきた日本で、経済格差が広がりつつあることを指摘し、論争をおこした著者が、現在の、論争にあらためて問題を提起しています。氏も指摘するように、現在の論争は、 政府が「格差は日本が高齢化していることによる見かけである」という見解を発表したことに端を発します。政府はその後、「格差は悪くない」「格差が広がることは経済成長に必要」といった格差を容認する主張をするようになります。そして、著者の主張は、「格差は出てもしかたない」のか?という問いかけです。
 そこで、著者が、注目するのが貧困の問題です。「OECD(経済協力開発機構)が2004年末に公表したデータでは、日本の貧困率の高さは先進国の中でアメリカ、アイルランドに続いて第3位。2006年7月に発表したデータでは、勤労世代(18歳から65歳まで)に関してはアメリカに次いで第2位の高さ」。
 さまざまな、分野の、さまざまな指標で、この問題を解き明かしていて、非常に面白く読めました。
 注文は? 私としては、やっぱり近代経済の手法で、数の分析になっていること。要因への切り込み、その解決方法への接近は弱いこと。労働現場の問題も、日本の労働組合運動の弱さから、企業にとって制御のないノンルール状況がひろがっていることへの、視線はない。
 格差や貧困の解決にとっても、たたかいこそ必要だ。その視点は私たちが提起すべき研究課題なんだろうけど。
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