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2006/11/19

ミリオンダラー・ベイビー

B000ac8ov009_ss500_sclzzzzzzz_v112326482 ご存じ、クリント・イーストウッドのアカデミー賞受賞作品。今度の、硫黄島のシリーズを見るにあたっての確認。前年のミスティック・リバーを見て、イーストウッドって、なかなかすごい監督だなあって、思った。ボクシングが題材の映画なので、少し、敬遠という思いが強かったんだけど、見てみると、同じ視線の作品。安倍首相は、この映画のことを『美しい国へ』でとりあげている。アイルランド移民という点をとらえ、民族主義の材料としている。たしかに、物語の一つのポイントにはなっているが、ことさらそのことが強調されているとは思わない。

 ロサンジェルスのダウンタウンにある小さなボクシング・ジムを営む老トレーナー、フランキー。その指導力に疑いのない彼だったが、選手を大切に育てるあまり、成功を急ぐ優秀なボクサーは彼のもとを去ってしまう。そんなある日、31歳になる女性マギーがジムの門を叩き、フランキーに弟子入りを志願する。13歳の時からウェイトレスで生計を立てるなど不遇の人生を送ってきた彼女は、唯一誇れるボクシングの才能に最後の望みを託したのだった。ところが、そんなマギーの必死な思いにも、頑固なフランキーは、“女性ボクサーは取らない”のひと言ですげなく追い返してしまう。それでも諦めずジムに通い、ひとり黙々と練習を続けるマギー。フランキーの唯一の親友スクラップはそんなマギーの素質と根性を見抜き、目をかける。やがてマギーの執念が勝ち、フランキーはついにトレーナーを引き受けるのだが…。

 疎外された人生を歩む主人公たちは、やがてスター選手への道を駆け上がっていくが、……。ミスティック・リバーを見たとき、その突き放した、さめた目線で見ているのにゾクッとした。その孤独な悲しみは、ある意味で、アメリカ社会の一つの側面なんだろうと思う。その視線で、主人公のアメリカンドリームとその破綻を見つめる。物語の結論などに、決して共感することはない。少なくとも人間の尊厳ということに対しての、捉え方は違う。しかし、この視線で、現在の戦争をみつめた結論が、今度の2つの映画なんだろうなと思った。保守的なんだろうが、魅力的な監督である。
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